Googleが「音」でログインする認証システムを開発した「SlickLogin」買収、弱いパスワードを撲滅へ

By Melvin Gaal

パスワードではなく高周波音を利用する2段階認証システムを構築したイスラエルのスタートアップ企業SlickLoginが、Googleによって買収されることが明らかになりました。

SlickLogin | Security People Love
http://www.slicklogin.com/

Google acquires Israeli security startup SlickLogin | GeekTime
http://www.geektime.com/2014/02/16/google-acquires-slicklogin/

Googleが買収することになったSlickLoginはイスラエルのエンジニアによって設立されたユニークな認証システムを提供している企業。SlickLoginが扱う認証システムは、通常であればキーボードでパスワードを入力してログインする際に、PCから発信された高周波の音をスマートフォンのアプリで検知して信号をPCに送り返すというもので、認証時にはスマートフォンをPCの近くにかざすだけでログイン可能になっています。

SlickLoginは高周波音ログイン技術を2段階認証の1つとして開発しており、アカウント名とパスワードを入力した後に送られてくる認証コードを必要とする通常の2段階認証から面倒なプロセスを省くという目的がありました。また、認証時に発せられる高周波の音は人間の耳では聞こえないように設計されているので、従来のものより安全性が高くなっています。

GeekTimeによると、Googleは2011年2月に2段階認証に必要なワンタイムパスワードの発行の有無をオプションに追加しており、今回の買収によって2段階認証の安全性を高めると同時に、よりスマートな認証システムを取り入れる狙いがあるのではないか、とのことです。

SlickLoginの共同創業者である3人のイスラエル人エンジニアたちは、今後Googleの開発チームに参加する予定で、「2段階認証システムを世界で初めて無償提供したGoogleと私たちは、ログインは簡単であるべきという信念を共有しています。安全なインターネットを提供しているGoogleの取り組みに参加できることは、この上ない喜びです」と公式サイトでコメントしています。なお、今回の買収における正式な金額は発表されていません。