バービー人形のデザイナーが語ったバービーのプロポーションの秘密
By vaniljapulla
バービー人形といえば世界中の女の子の友達であり、ピクサーの映画「トイ・ストーリー2」「トイ・ストーリー3」にも登場した人気者です。しかしその美貌ゆえか、バービーと同じような見た目になるのは非常に困難であることが研究されてしまったり、プロポーションを批判する声まであがっていたりします。そんな中、渦中のバービーを製作するマテル社のデザインスタジオで副社長を務めるKim Culmoneさんが、Fast Companyのインタビューに答えています。
Barbie's Lead Designer Defends Barbie's Crazy Proportions | Co.Design | business + design
http://www.fastcodesign.com/3025620/barbies-lead-designer-defends-barbies-crazy-proportions
Fast Companyの記者によると、バービーのデザインスタジオにはバービーのパーツがそこかしこに転がっており、スタジオの中にはバービーのメインカラーであるピンクの色見本として「Pantone 219」に属するピンク色が所狭しと貼ってあった、とのこと。
このオフィスで働く若い女性デザイナーは、バービーのデザイナーになるまでは、ピンクの洋服を実際に着たことはなかったとのこと。しかし、デザイナーとなった今ではバービーの様に自分もオシャレをする必要がある、と感じるようになったようです。
By PINKÉ
そんなバービーまみれなデザインスタジオの副社長を務めるKimさんは、「バービーの体型は現実的なものにしようとデザインされているわけではありません。これで実際に遊ぶ女の子たちが、バービーの服を着脱しやすいようにデザインされているんです」と語りました。また、バービーが生まれてから長い年月が経っているので、プロポーションにもいくつかの違いがあり、ポーズを取らせることができるものから、お姫様のような髪型のもの、より現実に近い体型のもの、足や腕が曲がらないものまであるそうです。
この11.5インチ(約29センチ)のファッションドールは、時代や需要とともに少しずつ変化してきましたが、本来は小さな女の子たちの遊び道具なので、実際に縫ったりもできる衣装を着ている、とのこと。
By abrinsky
そして、「流行のファッションをバービーのサイズで表現しなくてはいけないので、非現実的にならざるを得ないのでしょうか?」という質問に対しては、「それに加えて、バービーの衣服は簡単に着脱できる必要があり、さらに服がきれいに体に『フィット』するようにしなくてはいけない」と、デザインの苦労を語っています。
「バービー」というブランドは55年間も続いており、母親がはるか昔に使っていたバービー人形用の洋服を娘にあげる、といったことも実際に起きるそうです。そんな55年間続く「伝統」が、バービーのプロポーションを大きく変えられない一因となっている、とKimさんは言います。
By Ruth Weeks
しかし、55年間大きくプロポーションが変化していないおかげで、これまで作られてきたバービー衣装のほとんどはどの時代のバービーにもフィットするようになっているそうです。そしてこの一貫性こそ守らなくてはならないものであり、Kimさんいわく「もしも将来バービーの体型を変えざるを得ない何らかの理由が出てきたり、機能的にどうしてもデザインの変更を迫られたりしたとしても、この伝統は我々にとってとても大切なものです」とのこと。
By Freddycat1
バービーのプロポーションについて、デザイナーたちは変更の考えを持っていません。あくまでバービーは、人形遊びをする女の子たちにとっての「王女様」であり「妖精」であり「ドクター」であり「宇宙飛行士」な、ただのお人形なのだととらえているようです。
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