サイエンス

人間の指先はナノサイズの隆起も感じられる敏感さであることが判明

By Gemma Bou

人間は目をつぶったまま指で物を触っても、凹凸や、硬さ・柔らかさ、材質の違いなど、多くの情報を触覚だけで区別することができます。そんな触覚に関する研究を、スウェーデン・ストックホルムのKTH Royal Institute of Technology(KTH)の教授であるMark Rutland氏たちが行ったところ、人間の指はなんと13ナノメートルの凹凸でも感じ取ることができることが明らかになりました。

Feeling small: Fingers can detect nano-scale wrinkles even on a seemingly smooth surface
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/09/130916110853.htm


2013年9月12日に、KTHから界面化学の教授Rutland氏、博士課程の学生のLisa Skedung氏の2名と、共同研究者としてストックホルム大学の心理学者Birgitta Berglund氏、博士課程の学生のMartin Arvidsson氏の2名で構成されたチームが、「人間の触覚の限界」を研究した論文を発表。論文によると、人間の指は、13ナノメートルの小さな隆起が付けられた表面と、何もない表面を区別することができるとのこと。

By Tsahi Levent-Levi

触覚の限界の検証には、微細組織の触覚が、「表面摩擦」と「隆起の幅(サイズ)」に対してどのように反応するかに注目。National Institute of Standards and Technology(NIST)の協力によって、300ナノメートルから90ナノメートルの幅の隆起を刻んだ表面サンプルと、7ナノメートルから4.5ナノメートルの高さの隆起を刻んだ2種類の表面サンプルを、化学的に同一の物体で16枚作成しました。

次に、実験の参加者たちにランダムで2種類の表面サンプルのペアを配り、人差し指でサンプルをなぞって、垂直につけられた隆起がどの方向を向いているかを答えてもらう、という方法がとられました。一見すると何も刻まれていない表面サンプルを触った参加者たちは、最小で幅760ナノメートルのサンプルと、高さ13ナノメートルのサンプルまで識別できたとのこと。


界面化学と心理学という2つの異なる分野でチームを構成したことも成功につながったと述べるRutland氏は、「この発見は、人間の触覚の『未知の領域』を明らかにすることができ、視覚障害者用の製品や、スマートフォンなどのタッチスクリーンの進歩をリードする可能性があります」と話しています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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