太陽光だけでステーキや目玉焼きがジュジュッとできる「SolSource」で料理にチャレンジしてみました

ソーラー発電は代替エネルギーとして注目されており、キャンプ場所や災害地など電源の確保しにくい場所でも電子機器の充電が可能になるポータブルソーラー発電ユニット「Forty2」などは非常に便利なのですが、ソーラーパネルを使うよりもハイパフォーマンスでエネルギーを生み出し、パワフルな調理を可能にしよう、ということで作られたのが「SolSource」です。庭やキャンプ地・バルコニーなど、太陽光が当たる場所ならば季節や気温など関係なく使えるということなので、どれほどのパワーなのか、実際に使って確かめてみました。
SolSource | One Earth Designs
http://www.oneearthdesigns.com/
◆組立編
SolSourceは段ボール箱に梱包されての到着。大人2人がかりで何とか運べる大きさ・重さです。

開封。箱の上にiPhoneを載せてみると、その巨大さがよく分かります。

中には5枚のプレートと、骨組みである棒・骨組み固定用のピン・レンチ・取扱説明書などが入っていました。なお、棒は電着塗装済みの鉄製です。

組み立て方法は言葉ではなく、図のみで説明してあります。

ネジの他にこんな感じのピンが入っており、大部分の固定作業はこのピンを使って行っていきます。

まず取り出したのはまっすぐな鉄の棒。

これをSolSourceの中心となるパーツに差し込んで……

穴の中にピンを挿します。

全3箇所に同じ作業を施したら土台が完成。

次に用意するのは両端が曲がっている鉄の棒

先ほど組み立てた土台に棒を差し込みます。

ピンで固定したら……

こんな感じに。

次に組み立てていくパーツはこちら。

フライパンを置く部分に棒を差し込んで、ピンで固定。

本体土台の上に載せます。

棒と棒の接触部分をピンで固定。

この時、1人で作業すると上下の棒がうまくはまらず、ピンでの固定に失敗することがあるので、作業は2人で行うのがベター。

ここまでできたら次はパネルの組み立て作業。

用意するのはパネルを本体からぶら下げるためのパーツと……

六角ネジ・ゆるみ止めネジが22セット、レンチ・六角ネジ回し。

2枚のパネルを裏向け、ネジで固定していきます。

レンチを使ってゆるみ止めネジをしっかり固定。

ぶら下げ用のパーツもパネルに取り付けます。

完成するとこんな感じ。

上記のものを2セット作成します。

残り1枚のパネルを間に配置します。

ネジで固定すると5枚のパネルが1体に。

パネル1枚分だけ空いた隙間には確認用ミラーや、つっぱり棒を取り付けるためのパーツを取り付けます。

完成したら先ほど作成した骨組みにパネルをぶら下げます。

取り付け部分は以下のような感じ。

この時、骨組みの中心にあるつっぱり棒取り付けパーツと、パネル裏面にあるつっぱり棒取り付けパーツが向かい合う形にする必要があります。

そして最後につっぱり棒を取り付けます。

つっぱり棒は長さが調整でき、白い部分が閉じていると長さが固定されます。

白い部分を解放すると長さが自由に調整できるようになりました。

つっぱり棒を取り付けてみました。

本体骨組み・パネルとつっぱり棒をピンで固定します。


ペグも存在するのですが、今回は地面がコンクリートのため、使用しません。

仕上げは確認用ミラー。

これはパネルとパネルの間に取り付けられた鉄の棒に固定し、太陽光がフライパンの裏に照射されているか確かめるためのもの。

蝶ボルトで固定。

これで完成です。撮影しながら&作業人数1人で組み立てたところ、かかった時間は約1時間半。公式サイトによると、初めての組み立てにかかる時間は1人で作業する場合45分程度となっており、作業自体は単純なので簡単な家具を組み立てたことがある人なら滞りなく行えそうですが、本体が大きく重いため、力のない人なら2人以上で作業するのがベター。

組み立てが終わった時点で日が沈んだのでタイムアップ。実際の調理は翌日に繰り越します。
◆実際に調理をしてみたよ編
ということで、SolSourceを使って実際に調理を行ってみます。

まずはパネルに貼ってある保護テープをぺりぺり剥がします。

パネルのクリーニング方法は使用前・使用後に霧吹きやヤカンを使って水をかけるだけでOK。

シュッシュッと水を吹きかけていきます。

SolSourceの調理スペースに身長153cmの編集部員が立つとこれくらい。

つっぱり棒を使わず、パネルをぶら下げているだけの状態では太陽光が調理スペースに集まらないため、触っても全く熱を感じません。

パネルの上部で手を動かしてみると、所どころに熱が集まっている場所がありました。

調理スペースの上にフライパンを置きます。

全く熱せられる様子はなし。

実際に調理するためには太陽のある方向にSolSourceを向け、調理スペースにうまく太陽光があたるようにつっぱり棒を上下させてパネルの高さを調整する必要があります。太陽は動くので、20~30分ごとに本体の向きを調整。

横から見るとこんな感じ。太陽の位置が低いと、つっぱり棒を長さギリギリまで伸ばしてようやく光がうまくフライパンに集まるようになります。

ミラーを使ってフライパンの裏に光が集まっているかを確認したら準備は完了。

まずは目玉焼きを作っていきます。

太陽の光だけで目玉焼きを作る様子は以下のムービーから確認可能。なお、ムービーは6分あるので飛ばして後から見てもOKです。
SolSourceを使って目玉焼きを作るまで - YouTube
公式サイトによるとフライパンがグリルに適した温度になるまでにかかる時間は5分とのことで、フライパンを熱する前に卵を落とすと、ちょっと時間がかかります。ジワジワ加熱。

午前中なので、パネルはやや東を向いています。

フタをすると持ち手のプラスチック部分が溶け出し、モクモクと煙が上がり始めました。太陽光の当たり方によっては大変なことになるので、注意しましょう。

徐々に白身が固まっていき……

フライパンが熱せられていない状態から始めると大体5~10分で目玉焼きが完成。

太陽光が集中して黄身の一部が焦げてしまいましたが、実際に食べてみます。

フタができないので黄身に熱が通っているか心配だったのですが、いい感じに半熟になっていました。

白身もフライパンと接触していた部分は適度に焦げ目がついており、通常のコンロで作った時と仕上がりに大差はありません。

パネルの向きを微調整しつつ、さらに調理を続けます。

今度はフライパンを調理スペースの上で15分ほど放置し、予熱。

目玉焼きの次は野菜炒めに挑戦。ということでSolSourceを使って野菜炒め用のお肉をフライパンに投入する様子は以下から。
SolSourceで野菜炒めを作っている様子その1 - YouTube
また、以下のムービーを見ると、どのくらいの火力になるのか?ということが分かります。
SolSourceで野菜炒めを作っている様子その2 - YouTube
お肉を投入すると、ジュージューといういい音が響きます。

野菜も投入。

放置しすぎると具の1箇所に太陽光が集中して具が焦げ始めることがあるので、箸でかき混ぜつつ調理しましょう。

焼き肉のタレを入れるとジュワーッと食欲をそそるいい音が響きました。

完成した野菜炒めはこちら。お肉にはしっかり火が通っています。

太陽光が直接当たったため、ところどころ焦げができていました、

トマトも柔らかくなっていい具合。

太陽が移動したため、さらにSolSourceを動かします。

再びフライパンを予熱。今度はしっかり熱したいので、30分ほど放置しました。

加熱していくのはサーロインステーキ。

しっかり熱したところで軽く油を引き……

お肉を投入してきます。サーロインステーキを焼く様子は以下のムービーから確認可能です。
SolSourceでお肉をジュージュー焼いてみました - YouTube
ここで「下味をつけるのを忘れていた!」ということに気づき、慌てて塩コショウ。

太陽光だけとは思えないほどの火力。

3分ほどたったところでお肉を裏返すと、おいしそうな焼き目がついていました。

さらに3~5分ほど待機。

適度なところでお皿に盛りつけてみました。外から見ると少し赤い部分もありますが……

中はミディアム・レア。

塩コショウだけの味付けですが、おいしく頂けました。

もうちょっと焼けていた方がいい、という場合はフライパンにジュッと押しつければOK。火を止める必要がないので、フライパンは熱されたまま。

最後にカップラーメンに挑戦。

お湯を沸かそうと小鍋を調理スペースに載せようとすると、鍋の直径が足りないことが判明しました。

一回り大きな鍋を使用します。

公式サイトには1リットルの水は10分程度で沸騰する、とあるので、しばし待機。

太陽はやや西向き、だんだん位置が低く、光の力も弱くなってきました。

しばらくすると鍋から湯気が上がっていましたが、20分経過しても沸騰には至らず。

温度を測ってみると、48.8度。

基本的にSolSourceは家庭にある調理器具を使って問題ないのですが、光沢のあるお鍋を使用したため黒いフライパンより時間がかかったのと、ステーキ・野菜炒めを作った時より太陽の光が弱く・低くなっているのがお湯が沸かない原因だと考えられます。例えば夏などで太陽の位置が高い場合はパネルをやや寝かした状態での加熱が可能なのですが……

太陽が低い位置だとパネルを立てた状態にしなければいけません。

しかし、つっぱり棒の長さには限界があるためギリギリまで伸ばしてもフライパンの一部にしか太陽光が当たらない、という状態が生まれ、太陽光の力が弱まっていることと合わせてSolSourceのパワーを減らしていたというわけです。

場合によっては加熱に少し時間がかかることもありますが、SolSourceは気温の低い冬場であっても太陽光の力だけで家庭のコンロ並みの火力でジュージューとステーキや目玉焼きが焼けたり、野菜炒めを作ることが可能。公式サイトによれば曇りの日であっても地面に影ができる場所であれば使用可能で、風があっても簡単には倒れないような設計になっていました。簡単に持ち運べる大きさではないのですが、車であれば持ち運びもできるので、バーベキューの道具として使ったり、晴れの日の節電・節ガス方法や、電気やガスが止まってしまった際の非常手段として役立ちそうです。

価格は399ドル(約4万1000円)となっています。
SolSource | One Earth Designs
http://www.oneearthdesigns.com/

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