×
サイエンス

子どもが創り出す「架空の友達」の存在は問題解決能力を高めるのに有効であることが判明

By Paul Hocksenar

幼い子どもはよく一人で「言葉遊び」をしますが、これは「Private speech(プライベートスピーチ)」と呼ばれる行動の一種です。近年、プライベートスピーチには学習効果を高めるなどさまざまな効用があることが発見されていますが、"架空の友達"を持つ子どもほどよりプライベートスピーチを多く行うことが明らかになりました。

Individual differences in children’s private speech: The role of imaginary companions
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022096513001331

Children's Imaginary Friends Can Help Later in Life
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303376904579135603062785122

Private speech - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Private_speech

プライベートスピーチは2歳から7歳の子どもによく見られる行動で、50年ほど前にLev Vygotsky博士とJean Piaget博士によって研究が始められました。これまでの研究では、プライベートスピーチには単なる言葉遊びの他にも想像、リハーサル、応答、自己抑制などの役割があることが分かっており、また、プライベートスピーチの頻度と問題解決能力には相関関係があることが明らかにされています。プライベートスピーチは、7歳くらいになると控えめになり内面的になりますが、「自分自身に問いかける」という行為は大人になった後も続く行動であり、このことがさまざまな問題解決に大きな役割を果たすということは経験則からも理解できるところです。

By Christine Urias

これまでにも、子どものする"他人からも分かる"プライベートスピーチは、大人と会話するほど活発になることが分かっていましたが、"仮想の友達"がいる子どもの方がプライベートスピーチをよくすることがイギリスの研究から明らかになりました。この研究結果は、児童心理学ジャーナルの11月号で発表されています。

小さな子どもが想像の世界に友達をつくり"会話"を楽しむということはよくあることですが、「仮想の友達」と「プライベートスピーチ」の関係について研究するために、ダラム大学のPaige E. Davis博士、Charles Fernyhough博士、ヨーク大学のElizabeth Meins博士の共同研究チームは、おもちゃを用意したアイスクリームパーラーを設置し、ここに148人の5歳の子どもと母親を招待しました。母親が部屋の片隅にある読書スペースにいる間、子どもたちはみなフロアのおもちゃで遊び、その様子が2台のカメラで撮影され、プライベートスピーチ行動が観察されました。

By horizontal.integration

行動観察とは別に、子どもたちには個別に「仮想の友達がいるか?」「その友達の名前や年齢は?」などの質問がされました。質問の結果、集まった子どものほぼ半分の46%に架空の友達がいることが分かりました。なお、母親の半数は、その友達の存在に気づいていたということです。

アイスクリームパーラーでの観察と個別質問の回答を照らし合わせた結果、想像上の友達がいる子どもは、いない子どもに比べて、自由時間に2倍も多くのプライベートスピーチをすることが分かりました。研究者は、今回の実験結果は仮想空間の友達との関わり合いは、現実世界の人との社会的交流と同じ役割を果たすことを示唆するものであると考えています。

・関連記事
知能を高める5つの方法 - GIGAZINE

IQを向上させる方法 - GIGAZINE

記憶力・学習能力の上昇など昼寝が脳に与える影響や最適な仮眠の方法 - GIGAZINE

フィンランドの教育水準が世界トップレベルである理由 - GIGAZINE

子どもを怒鳴りつけて叱ることは素行不良やうつ病を引き起こす原因になる - GIGAZINE

絵やグラフで分かる「両親が見ている世界」と「子どもの世界」との違い - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by logv_to