富野由悠季らが語った「キングゲイナー祭 エクソダス、するかい?」レポート


東京国際アニメフェア2013」の中でテレビアニメ「OVERMAN キングゲイナー」が放送10周年を迎えたことを記念するイベント「キングゲイナー祭 エクソダス、するかい?」が開催されました。

イベントには富野由悠季監督、シリーズ構成を担当した大河内一楼さん、メカデザイン担当の安田朗さん、アニメーションディレクターの吉田健一さんが登壇。アニメ評論家・藤津亮太さんの司会のもと、企画始動に関する話から、作品の注目ポイント、企画に関わったことで自分の中で変わったことなどについてのトークを行いました。

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イベントはオープニングテーマを担当した福山芳樹さんのメッセージからスタート


開始前にはこういったイベントでお約束となっている撮影・録音禁止の話があり、「『持って帰っていいのは思い出だけ』というやつです」と藤津さん。


ゲスト登壇、富野監督は「キングゲイナーの総監督をさせられてしまった富野です」と挨拶をしました。


◆セッション1 『キングゲイナー』スタート!
トークショーは3つのセッションに分けて行われました。最初は企画に対する印象を聞く「『キングゲイナー』スタート!」

大河内:
僕が入ったころにはすでに安田さんも吉田さんもいてイメージボードがたくさんあったんです。今回はシベリアの大地が舞台で、冷たい=清潔というのが今までに描いたことのないものなので面白そうだなと思いました。

安田:
僕は「キングゲイナー」だとは知らずに「ロボットのデザインを」ということで最初の方に入りました。ゲーム会社に勤務していたころにロボットを描いたことはありましたが、アニメではやったことがなく、しかし富野アニメであれば歴史に残るだろうから「やらない」という選択肢はありませんでした。うまくいけば永野護さんのようになれるのでは?と思いました(会場笑)

吉田:
別作品をやっているころから富野さんが次に何をするのかプロデューサーを通してリサーチしていて、企画がまだ「ゲインゲイナー」と呼ばれていた時点で、勝手にプロットを見てやる気になっていました。あとで「まだやると決まってないぞ」と言われましたが(笑)


富野:
「作らされてしまった」という感が自分の中にすごくあって、今日現在のところでいうと、どういう形でキングゲイナーを立ち上げたのかを思い出せないぐらい。彼らがうまく現場を仕切ってくれたという印象が強いです。オリジナルオーバーマンコンテストをやって、ファンの方からいろいろなデザインを見せられてびっくりしたのは、こんな変なキャラクターを生み出せる渋い仕事を自分が「やらされていた」ということかなと。テレビに乗っかった後、このようなスタッフの色合いが前面に出る作品になったということは「富野作品」ではないよと思いますね。


藤津:
「オーバースキル」のアイデアを出したのは大河内さん?

大河内:
僕が富野さんに内緒で入れました。

藤津:
それで作品の方向性が決まったところもあるのではないかと思いますが。

大河内:
僕は不思議なロボットだと聞いていたので「不思議さ」を出したいと思い、怒られるかなと思いつつも3話にしれっと入れてみたんですが、翌週に脚本の話をしたときに「これはいいんじゃないの」と言ってもらえました……が、どうなんでしょう?

富野:
今みたいに聞かされても、「記憶になかった」というのが正しいですね。今年になって、作品が10周年ということで思い出させてもらったとき、オーバースキルのことを上手に演出できなかったことがわかるようになってきてびっくりしているのと、せっかくこんなキャラクターが揃ったのにもっとアニメーションとして楽しい場面を作れなかったことで自分は老け込んだんだなという思いもあり、反省しているというのがこの2~3ヶ月の話です。


藤津:
楽しそうに仕事をなさっているなと思いましたが。

富野:
もちろん、そういう空気に乗ろうと思いながらやっていたんですが、言いたいのはそれ以上のことなんですね。アニメというのはもっと自由に大きく作れるものなのに、大きく作れていなかったというのが自分の中にはあって、オーバーマンの動かし方も含めて、物語の展開ももっと広がるものにできたはずなのにできなかったというのが悔しい。皆さん方が出してくれたいいところを生かし切れていなかったという反省がすごくあります。


藤津:
最初から参加するつもりで虎視眈々だったという吉田さんにお伺いします。キングゲイナーは作品が進行するたびに表情の変わるアニメだったと思います。

吉田:
最初はシリアスな雰囲気で、自分でもそのつもりでキャラクター設定を描いていたのですが、そのうちああいう話になって(笑)。設定に描いてある絵は使われずに「ギャー!」や「うぇー!」というような顔ばかり出てくるようになり、スタッフから「表情が足りない」と言われました。

藤津:
当時取材で伺ったとき、オープニングのコンテができあがってきたときにびっくりして「こういうアニメなのか!」と思ったそうですが。

吉田:
前々から聞いてはいたんですが、コンテを見てわかったような気がするんです。コンテを見たのは第1話の作画がかなり終わってきてからで、当時の日記を見てみると、すごく怒っているんです(笑) だけど、2日後ぐらいには「分かった気がする」とノリノリになっていました。

藤津:
なにか納得するものがあったんでしょうか。

吉田:
面白くなってきちゃったんでしょうね。

藤津:
今でもオープニングを愛するファンは多いと思いますが、どこからあのアイデアが出てきたのですか?

富野:
オープニングのコンテを切るまではキングゲイナーという作品がああいう風になるとは思っていなくて、シリアスに構えていましたし、吉田さんともそのような話をしたと思います。ニュータイプのノベルスを始めようかと考えていたぐらいです。それがこのような作品になってしまったのは、基本的には「田中公平がいけなかった」という言い方になります(笑/会場拍手)
いや、半分ぐらい本当なんです、ああいう歌詞からこういう曲調になるとは予定になくて、でも田中公平というちょっと素っ頓狂なおじさんがやってくれたときに「ムカッ」とするわけです。この場合の「ムカッ」というのは、我々が考えているような本線のアイデアではないんだというのがわかったんです。そういった才能に対してそのまま応えるのではこちらの腹が立つので、「田中公平を黙らせる!」と。どうやって黙らせるかということで、なかなかコンテが描けず、ダンスナンバーを入れるというのに2日か3日はかかっています。その上で、オーバーマンだからアイススケートのシーンを入れたいということまで考えていって……あのコンテができたときに自分が納得できたのは、安田くんがいたからこのキャラクターができたのと同じように、田中公平に返すものを見せないといけない、それを本来、僕は劇中で吉田さんとか安田さんとか大河内さんに返せないまま作ってしまったというのが問題だったなと。

“問題”のOP楽曲、「キングゲイナー・オーバー!」
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藤津:
いま安田さんと吉田さんはウケてましたが。

安田:
「オーバーマンだからスケートをやる」というところですね。確かに、異論はないですね(笑)

藤津:
安田さんとしてはオーバーマンをどのようなものだと考えて演出なさったんですか?

安田:
「筋肉を使うロボット」ということで、僕の過去のライブラリには永井豪先生の「アイアンマッスル」がすでにあったので、被ると負けた気がするから、筋肉なのに筋肉じゃないものにしなければという思いで、服を着せることになりました。そして、滑り屋だからスノーボードをやっている少年が吹雪の中で雪の巨人に出会うというイメージが思いついて、そこから1年かかりました。

富野:
この人は本当に時間がかかるんです、キャラクター1体に1年や1年半、平気でかけますからね。

安田:
富野アニメだからガンダムを越えなければと思って。「俺的ガンダム」なんです。

◆セッション2 『キングゲイナー』インパクト!
藤津:
この流れで、作業をしていて驚いたことなどについてお話いただければと思います。

吉田:
僕は∀ガンダムのときに原画でご一緒したことがありますが、やっぱりあのOPには驚かされました。富野さんは演出家で絵も描かれますが、自分でアクションレコーダーとかで動きを描いて絵を入れようとするんです。「吹雪を6枚の繰り返しでやりたい」とおっしゃっていて、僕は「6枚じゃ無理です、8枚はかかりますよ」と反論したら、実際に6枚で描いてきて……アクションレコーダーで見たら吹雪が動いてないんですよ(笑) 「やっぱり8枚かかるよね」と言ってもらったんです。

富野:
まったく覚えていません(笑) そのやりとりは覚えていませんが、アニメーターと演出家の立場で今のような作画の話、特に枚数に関わるところまでの話はほとんどしないで済ませているわけです。僕にしてみると吉田さんというサンライズ生粋のロボットアニメで入ってきたのとは違う才能に出会えたということで、だからなんです、さっきから言っているように、こういう才能に応えるものを自分からも出したい、満足してもらうと同時に、僕にしてみれば「吉田を潰すぞ!」というところまで行きたい。だけど、それができなかったという意味で残念なところはあります。そういうタレントに会えたこの作品というのは貴重だったなと思います。それに似た体験は大河内さんにしても安田さんにしても、∀のときにやらせてもらってますから。


藤津:
大河内さんはシリーズ構成を担当して富野さんと本格的にコミュニケーションを取りましたが、どうでしたか?取材で「監督の持ってきたアイデアを全部ボツにした」というお話を覚えています。

大河内:
「構成は僕に書かせてくれ」と。富野さんとやるなら何度も機会はもらえないだろうから、ぶん殴られてでもとにかく何かを出そうと思ったんです。最初、がらんとしたスタジオの中に富野さんの机があって、どこでも好きな席でいいよと言われたときに、富野さんの横を選んだんです。「なんで横に?」みたいなイヤな顔をされつつも、一番プレッシャーのかかる場所で1年間頑張ろうと思ってやりました。これはやってよかったと思います。

藤津:
怒られたことで覚えていることはありますか?

大河内:
一番怒られたことで覚えているのは、脚本を出したあと、富野さんが来たときにいつもなら「あっちはこの方がいいんじゃないか」のように指示を受けるんですが、どこを直すわけではなく「お前は、ほんとヘタだね」とだけ言って帰っちゃったことがあって、そのときはショックで泣きそうになりました。中盤ぐらいになって、自分はイケてると天狗になっていたところもあって。

富野:
その話は絶対にウソだと思います、60を過ぎた年寄りが若いスタッフにそういうことをいうわけがない(笑)

藤津:
これは判断は皆さんにゆだねた方がいいかなと思いますが(笑)

大河内:
年の差が親子ほどに離れたスタッフとも真面目にぶつかり合っている、真剣勝負しているイメージがあって、尊敬して遠ざけていてはいけないんじゃないかと思いました。

富野:
仕事に関してはまさにそうで、キャリアや年功序列は関係ありません。でもそう思っていても、人間はどうしても年功序列が出てしまいます。かなり気をつけているつもりなんですが、平等な立場で作品に関われないのが人間ですから、年を取るほど気をつけなければいけないですね。みなさん方もお若くないわけだから、「俺が先輩だから」という心持ちだけでいると、「今の時代に対応できる私」というのができないのではないかなと……すいません、授業のようになってしまいましたが、そういう気の付け方はしています。が、60の時にそういうことがあったのかということでは……やっぱり多少は生身の人間なので、おじいちゃんのわがままも聞いてやってください。


藤津:
安田さんはガンダムを作るつもりでやったとのことでしたが、インパクトを受けたこととかはありますか?

安田:
前の作品、∀ガンダムのときにかなりの驚きを体験しました。

富野:
キングゲイナーの時はあまりいなかったもん(笑)

安田:
そのときはちょっと別の仕事でアメリカにいたのであまり入れなかったですが、∀の時、監督が偉い人なのにすごく働く、自分で作業しているということに驚きました。僕の感覚だともっといろいろ任せているのかなと思っていたんですが、隅々までやっていて。キャラクターデザインの上がりが遅いと、ご自身で出してくるんですよ。「この服がイヤだったら早く描け」と、プレッシャーがすごいんです。僕が描かないと、どんどん富野キャラになっちゃう(笑) 後半では、僕があまりにも遅いので「このままだと安田と心中することになる、それはイヤだから」ということでやられていたと思います。

富野:
1つ2つなんか描いた覚えはあります。

吉田:
富野さんがラフを描いたものは山根公利さんが、安田さんが描いたものは僕がやるという役割分担がありました。

藤津:
そうした方がうまくいくというような感じでしょうか。

富野:
それについてはうまくいくとは思えない部分があって、本当はアニメの場合、一人の人間がすべてやってはいけないと思っています。いろんな人間が集まるのがアニメだし、映画的な面白さが出ると思っています。監督からシナリオ、キャラクター、演出、作画までやってはいけないんですよ。世の中には天才がいて、一人で全部やっちゃうという人もいます。それはそれでいいんだけれども、週ペースでオンエアされるものだと事実上無理なので、「均等にみんなのテイストが出るような作り方をする」というのが総監督として目指しているところです。

安田:
ぼくも自分に不満があって、なぜオーバーマンのオーバーコートを考えたのに、コートを着せ替えなかったのかと……10年前の自分を殴りたいです。着替えがあった方が良かったですよね。

富野:
……という話をさっき楽屋裏で聞かされて、そういうことをまったく意識しないで演出していた富野というのはどうしようもないやつだなと思いました。コートのことをまったくわかっていなかったんです。もう一つ、こういうものを使いたいというとき「これはこういうものなので、こういう風に使いなさい」と言わなきゃいけないのに、彼は遠慮深いので言わなかったんです。

安田:
デザインは出したけれど、使い方までは言わなかったんですよね。

富野:
だったらちゃんと使い方を教えてくれれば良かったのに。あのね、年寄りは理解がないの、古いものに囚われているの。新しいものを受け入れる余地がないんだから、それは青少年が教えてくれなきゃいけない。「これはこのように使ってくれ」というコンテを描いてくれないと。

安田:
次は責任を持ってやらせていただきます。

富野:
いまの話をしながら、そういうことを僕にやった人がいることを思い出しましたが、誰かは絶対に言いません。最近はアニメ映画も作ったそうですね。

藤津:
これはみなさんにご想像いただくとして、大河内さんはキングゲイナーに参加する前後で変わったことはありますか?

大河内:
脚本の密度が明らかに上がりました。脚本はだいたい20ページぐらいあるんですが、富野さんに見せたとき、17ページぐらいのところに線を引かれて「ここまでAパート。お前は入りが遅いんだ、もっと早く事件を起こせ」と言われました。

藤津:
だいたい1ページ1分なので、17ページだと、倍の密度に?

大河内:
今考えると、まさにそうだったと思います。AパートはBパートに備えての説明が長くて、それは僕に小説家としてのクセが残っていたんだと思います。勉強になりましたね。

富野:
今の話は映画を撮るときの基本的なコツだと思うし、僕自身も教えられたことです。「映画というのははじめの5分で全部わからなければいけない」と。この映画はこれだけのものをやるぞという情報をどのように並べるのか、そこが難しいところだけれど、それぐらいやらないと客は逃げてしまう。だから、お前の都合でストーリーを組むな……と教えられたことを、なるべく次の人に受け渡していきたいなと思っています。

藤津:
吉田さんはやってみて変わったということはありました?

吉田:
全然違いますね。それまでは職業アニメーターとしてずっとやっていこうと思っていましたが、たまたまキャラクターデザインのような別の仕事に触れるようになって、以降、そっちもやってみようかなと思うようになりました。


藤津:
自分ではキャラクターデザインをやるとは思っていなかった?

吉田:
全然思っていなかったですね、原画やレイアウト、「場面を作りたい」というのはあったんですが、アニメの女の子には興味がなかったですから。

藤津:
いま吉田さんを知った方からすると信じられないようなお話ですね。安田さんはいかがですか?

安田:
企画の初期、バンダイさんが入るかなというようなあたりで「バンダイさんいらない」オーラを出していたので、そういう排他的な態度が結果的にプラモデルを出させないことに繋がってしまったのではないかと反省して、サンライズに借りを作ってしまったので次やるときには協力しまくるという人生になっております。

藤津:
「次世代のガンダムを作るという心意気だがプラモはいらん」という感じだったのでしょうか。

安田:
とにかく「俺のを見ろ」という気持ちだったのかなと、それはよくなかったなと思ってずっと引っかかっていて、のちのデザインにかなり影響が出てますね。

富野:
ただ、バンダイの立場だと、キングゲイナーみたいなものを見せられて、フィギュアにはこういう方向性もあるのかというのを教えられた部分はあったと思う。バンダイもメーカーとしてなかなか本気になってくれない部分もあるし、今も気配があるけれど、萌え系から始まっているフィギュア展開の潮流の中で、バンダイさんが視点を広げたのは大事なこと。1つのことを手堅くやるだけではなく、違うものが入ってメカにも艶が出るというのはあるので、これからバンダイが化ける要素になるかも知れない。そういう意味で、こういう10周年イベントをやってもらってタイトルを思い出してもらえると嬉しいし、次のステップになれば嬉しいし、そうなると思います。

安田:
あと、「エクソダス」とタイトルにもありますがこれに惹かれて、18年間勤めた会社を辞めてしまいました。

吉田:
エクソダスは大きいですよね。

藤津:
監督、「エクソダス」という単語は……?

富野:
そこが謝った一番の理由でもあります。キングゲイナーで大事なテーマの部分を、どうやら僕が一番自覚していなかった。年寄りの不感症なんだよね……。まだ30代や40代になるかならないかという時の人生は一番ブレるときで、そこに「エクソダス」という言葉の持っている力はかなり荷重がかかる、そこに想像が至らなかったのは申し訳ないし、アニメといえどもリアルに関係する影響力を持つということを教えてもらえたので、これから死ぬまで気をつけるつもりだとしか言えませんし、気をつけていくつもりですね、応援していただきたいなと(笑)


藤津:
監督は作ってみて何か変わりましたか?若返ったりとか。

富野:
変わらない変わらない変わらない変わらない変わらない(笑)、ここでお話ししたようなことを感じることができたので、この10年、変わらなかった。これを変わるためにどうしたらいいかということで、「お先に死ぬぞ」ということがあってその構想が始まっているので、変えられたらおめでとうというところまで来ています。富野の生き方を見て「チッ」と思ってもらっても構わないし、そうかああやるとこうなるから俺はこうやろうと思ってもらってもいいし、誰かの参考資料になるように、わかりやすいように死んでいきます。

藤津:
「よく生きてから」ということですよね

富野:
うーん、いろいろと体にきしみが出てきますと……かなり本気です。

藤津:
だって、まだきっといろいろやりたいお仕事もありますよね?

富野:
ありません。仕事だからやれるのであって、本当だったら仕事やりたくないもん、めんどくさいししんどいし。楽したいもん。

藤津:
監督がおっしゃっても誰も信じませんよ(笑)

富野:
本当にそうなの!信じて下さい。
(会場笑)

藤津:
キングゲイナーのBDが売れれば監督も引退しやすい?

富野:
それは関係ない、ビジネスはビジネスですから、僕には関係ないもん。生き死にとか元気が出るとかはなくて、楽したいなぁって。仕事はしたくないなと。

藤津:
勝手な想像ですが、いま監督、大変なことやられているんじゃないですか?

富野:
仕事だからやってる。好きでやってるのではない。

藤津:
だからそういう気分なんじゃないですか?(笑)

富野:
そうそう、働きたくない(笑)。もうやだ、やらされてる(笑)

◆セッション3 『キングゲイナー』リコメンド!

藤津:
ここで話題を変えて、みなさんの考えるキングゲイナーの注目ポイント、見所などを教えていただきたいと思います。


安田:
僕はキングゲイナーをしばらく封印していたので悩みますが……最終回近くで、キングゲイナーがオーバーデビルからピュッと出てくるところが可愛いので、ぜひ見て欲しいです。すごく生き物のような感じがします。たくましい感じがあって、すごく嬉しかったですね、オタマジャクシが出たみたいな。

大河内:
細かい点ではないですが、見てて楽しくなる、元気な感じがするというのは最近あまりないなと思って。自分で第1話を久々に見たら懐かしい気持ちになりました。全体を見て楽しくなって欲しいなと思いますね。

藤津:
楽しくなること請け合いのアニメですよね。


吉田:
アニメーション的には不満だらけなんで、BDになるとさらに不満が露呈するという感じですが、作品としては力が足りなかったところも見れちゃう。ほかの作品だったら絶対見ないところもありますけれど、キングゲイナーは作品自体が楽しいのでぜひ見て欲しいな、力足らずなところは我慢してもらって(笑)

藤津:
第14話に出てきたドミネーターとか、いかがですか?

吉田:
あれはちょっとキングゲイナーっぽくないなと思いますが、個人的にはいろいろな意味合いがあって成立はしているんです。自分の中では外れてるなと思ったけれど、それもまたキングゲイナーかなとも思ってやっていましたね。

富野:
いま吉田さんが「至らないところがある」と言いましたが、それは作り手として当然の発言だと思います。改めて、キングゲイナーがすごいというのはあのキャラクターが、今のアニメのキャラクターから見たときに、作りが古典的だけではなく、いま一番忘れていることをやっているというキャラクターのすごさに舌を巻いています。その良さを、皆さん方だけではなく次の世代にぜひ教えていただきたいと思っています。つまり、アニメーションはここ2~3年流行っているアニメだけではない、キングゲイナーという作品があるんだぞということを感じています。その上でおじちゃんとして言うと、アナ姫を見てもらえればほかのことは何も言いません(笑)

藤津:
監督はアナ姫が一押しなんですか?

富野:
10年間、フィギュアを目の前に置いていますから。


サービスたっぷりのフォトセッション


最後に、メッセージとして富野監督は「次の世代に受け渡していくためにも作品を広めていきたいと思うし、そういう作品に関われたことに感謝します」と語りました。


キングゲイナーのBDメモリアルBOXは3月22日発売。税込3万6750円で、2014年3月31日までの期間限定生産となっています。


発売記念で行われたオーバーマンコンテストの結果は3月25日に公式サイトで発表されます。

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