取材

個性派アニメーター・大平晋也が過去の仕事を語ったマチ★アソビトークイベントレポート、アニメーターが個性を出すには設定やシナリオを無視することも必要


独特の迫力ある描写で国内外の高い評価を受けているアニメーター・演出家の大平晋也さんが自らの仕事について語る「アニメーター大平晋也トークイベント!-全仕事を振り返る-」が、マチ★アソビ vol.25で開催されました。

マチ★アソビ
https://www.machiasobi.com/

会場はufotable CINEMAエントランスのカフェスペース。誰でも無料で自由に観覧可能なイベントとして行われました。


大平晋也さんと司会進行のサイバーコネクトツー・松山洋さん。


以下、イベント内容のやりとりをニュアンスと雰囲気が伝わるようにざっくりとまとめています。お二人がこの文言通りに発言したわけではありません。

大平晋也さん(以下、大平):
アニメーターの大平晋也です。わざわざこうして集まっていただいてうれしく思います。よろしくお願いします。

松山洋さん(以下、松山):
私、サイバーコネクトツーの松山でございます。本日は進行をさせていただきます。よろしくお願いします。

(会場拍手)

松山:
改めてになりますけども、大平さん、徳島はどうですか?初めて?

大平:
基本的には愛知県で、西の方には来たことがないんです。

松山:
大平さんは名古屋在住で。名古屋から西って結構ありますけれど(笑)

大平:
55になるんですけれど、初めて来ました。なんだか懐かしい感じ、古き良き日本という感じがしますね。自転車をあちらこちらに止められたり、喫煙率も高いし、あとスナックの感じだったり。

松山:
繁華街の方も見られたんですね(笑) 大平さんは普段は名古屋の方にいらっしゃるんですか?

大平:
そうですね。アニメーターとしてスタジオぴえろに入って、8カ月で辞めてフリーになり、その後いったん実家に戻ることになって、それからは名古屋の方で仕事をしているという感じです。

松山:
「アニメーター」ってみなさん、アニメを作ってるすごい人たちということはわかると思うんですけれど、結局のところは個人事業主、フリーランスで、お仕事は1件1件受けるという。

大平:
はい。さまざまな会社から原画なりなんなりのオファーを受けて。

松山:
どこのスタジオにも制作というアニメーターを集める役割の人がいて、声をかけてくるわけですね。大平さんはすごく実績のある方で、最初はスタジオぴえろ、『NARUTO-ナルト-』とか作っているところに所属されたということなんですが、8カ月でやめた……?結構すぐ辞めましたね。


大平:
怒られたんで……。

松山:
怒られたんだ。新人でしょ?何歳だったんですか?

大平:
18で。

松山:
18!? じゃあ、高校卒業して、すぐにアニメスタジオに所属して……新米中の新米じゃないですか。

大平:
動画を3年経験したら原画に上がらせるという話だったんですが、原画を描きたくて。ゴリ押しして、半年で原画を描かせてもらったんですけれど、それがちょっと上から言われたみたいで。

松山:
えっ……それ、生意気な新米がケンカして辞めたってことですね?

大平:
ま、簡単にいうとそんな感じで(笑)

松山:
若いなー!そんなに血気盛んな若者だったんですか?

大平:
そうですねえ。まあ、こんな風ですけどわがままなので。

松山:
はい、存じ上げてます(笑) 私と大平晋也さんの出会いは10年ぐらい前、うちとカプコンで一緒に作ったゲームで「ASURA'S WRATH アスラズ ラース」というのがあって。

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松山:
幕間のエピソードを、CGではなく丸々アニメで作ってもらってゲームに組み込んだというのがあるんです。STUDIO4℃に行って「すごい作画でアニメを作って欲しいからそういうアニメーターさんを呼んできてもらえませんか」とお願いしたら、最初は「忙しいので無理です」と断られまして。

(会場笑)

松山:
なんとか説得して4℃さんに作ってもらえることになって。それぞれ1話ずつ、大平さんと中澤一登さんという、これもまたすごいアニメーターさんにやってもらえることになったんです。ちなみにそのとき、4℃プロデューサーの担当窓口だったのが大塚学という、今はMAPPAの社長をやっている人です。大平さんのところには大塚さんから連絡が行ったんですか?

大平:
(STUDIO4℃代表・)田中栄子さんからでした。

松山:
そうだったんですか。せっかくだから大平さんがどんなお仕事をしてきたのか、みなさん見たいですよね。でもまとめたデモリールが20分ぐらいあって。


(会場笑)

松山:
音なしのものなので、これを見ながらお話していったら頭に入りやすいかなと。まぁ、映像見たらみんなそっちにいっちゃって話が頭に入らないんじゃないかと思いますけど、目だけ向けてもらって。まずは初っぱな、『AKIRA』ですね。

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大平:
22歳ぐらいのときですね。

松山:
フライングプラットフォームが出てくるところのエフェクト。うわー!!

大平:
新人ながら、大友克洋さんのところに持ち込んでやらせていただきました。

松山:
持ち込んで……?『AKIRA』の映画をやるという情報を手に入れて?

大平:
『AKIRA』の映画をやるという情報が入ったけれど、参加するようなツテがなかったので、絵を描いたものを大友さんのところに持ち込んで直接見てもらって、「じゃあ」と。

松山:
えー!我々の世代って、まず『AKIRA』の漫画はもう無視できないヤツで、すごかったじゃないですか。当時、映画をやるということでヤングマガジンの連載が休載になったんですよ。その間、ずっと大友先生はアニメーション制作のほうをやられていて。我々は今か今かと待っていたんです。そのとき、すでに大平さんはこういうのを描いていたんですね。

大平:
スーパーアニメーターたちが集まっていました。

松山:
チームジャパンみたいな感じでしたよね。『AKIRA』の仕事はどれくらいやられたんですか?

大平:
たぶん、1年くらいです。

松山:
次は『紅の豚』ですね。

大平:
宮崎駿さんの作品、初参加のときです。

松山:
以前ちらっと耳にしたんですけれど、お仕事の依頼が手紙で届くというのが気になっていて。宮崎駿さんからお手紙が?

大平:
はい、手紙でした。

松山:
どういうことが書かれているんですか?

大平:
仕事の依頼ですね。きっと、ご自身で手紙を書いた方が効果があるいうことじゃないでしょうか。

松山:
「実はこういう作品をやるので、手伝ってくれないか」と。すごいことしますねえ……。

大平:
これは『ユンカース・カム・ヒア』で、パイロット版で初めてのキャラクターデザインと作画監督だったんですけれど、スケジュールの都合でパイロット版だけでした。僕、女性や女の子はめったに描かないんですけれど、そういう作品ですね。

松山:
私、大平さんを知ったときからすごいアニメーターすぎて、何をどうしたらこんなアニメーターになれるのかがわからないんですけれど、あの……子どものころから絵とか描いてたんですか?小学校、中学校と。


大平:
うーん、まあ図工や美術は好きで、アニメも確かに見てはいたんですけれど、「アニメーターになりたい」とかではなくて、普通に見ている程度でした。

松山:
ええー、じゃあどういう風に「自分で描きたい」「動かしたい」という方向になったんですか?

大平:
高校の美術部で自主映画を撮ったとき、実写と一緒にアニメを入れるというのがあったんです。そこで初めて動画用紙にマジックで1枚1枚描いたわけです。

松山:
1枚ずつ撮影して。いわゆるペーパーアニメですね。そのときにアニメーションの楽しさを知った?

大平:
そのときはまだアニメーターになろうかとまでは思っていなかったんですけれど、高校卒業時に進路どうしようかということで。

松山:
スタジオぴえろに飛び込んだわけですね。アニメーターを目指すにあたって、今なら日本全国にアニメーションの専門学校とかがあって、アニメ制作のいろは、基本的なところを学びつつ、就職の面倒も見てくれるというのがあると思うんですが、当時はどうでしたか?

大平:
当時も東京デザイナー学校とかがありましたね。でも当時のアニメーターは高卒はもちろん、高校に行ってなかったという人もざらでした。

松山:
これ、『フリクリ』はよく覚えてるー!絶対大平さんやと思いながら見てました。アニメーターって、最初は動画として、原画の間を描いていって、作画監督からダメ出しを受けたらそれを修正して、というのの繰り返しじゃないですか。どこかで認められたら原画をやって、作画監督をやってとステップアップしていくと思うんですが、大平さんってそのステップアップが早くないですか?

大平:
そうですね。基本的にはTVシリーズで名前を挙げていくのがスタンダードな流れだと思います。

松山:
ですよね。

大平:
僕らの若いころはOVAがすごく流行していて、結構遊んだ内容というか芝居がない作品もあって、特殊な仕事もさせてもらえたなと思うんです。

松山:
結構早い段階から演出とか「シーン単位で大平さんに」と。

大平:
そうです。まあでも、ちょっとスタートは厳しかったですけれど。

松山:
あっ、また悶着ですか?

(会場笑)

松山:
それはどういったタイプの悶着なんですか?

大平:
あの……設定通り描かないとか……。

松山:
それはダメでしょ!

(会場笑)

大平:
シナリオも無視したりとか。

松山:
それもダメでしょ!えっ、そんなことしてきたの!?

大平:
だから今の僕があると思うんです。

松山:
逆にそういうこと?おとなしく、ただ与えられた仕事を淡々とこなすのではなく。

大平:
そうじゃないといけないとは思うんですけど。

松山:
本当、そうよ!作品って、結局は監督のものですから。それで演出さんがいて、効果を狙って人がアサインされているわけですから、それを無視するっていうのはとんでもないことですからね。

大平:
でも、そういうヤツが100人の中に1人、2人いるなら面白いだろうと。そういう部分になりたいなと思って。

松山:
じゃあ、かなり早い段階からそのアピールというか、我の強さが出てたんですね。

大平:
そういうことですね。

松山:
でも、中には指示を無視するのって許さない人はいますよね?

大平:
もちろんもちろん。会社からも監督からも「ちょっと……!」というのはありました。

松山:
あ、やっぱりそうなります?

大平:
出禁とか普通にあります。

松山:
なりますよね。だけどあれか、表裏一体か……。そういうのを繰り返していったから「大平という、ちょっと元気なやつがいるから、いっちょ任せてみるか」というのが生まれたりもするのか。

大平:
それを面白がってくれる人もいるだろうと。そういうのが大好きです。

松山:
私自身、10年前にSTUDIO4℃にアニメーションを作って欲しいとお願いしたとき「大平さんでやります」と言われて「じゃあ、基本的に口出ししません」って言いましたから。脚本も正直、あってないようなものなんです。

大平:
そうでしたね。

松山:
わざとそういうパートを用意したんです。アスラという主人公が怒り狂って覚醒して、とんでもない超破壊能力で破壊しまくる、ただそれだけで延々15分の映像なので、好きにしてもらっていいですよと。

大平:
ええ。

松山:
今でも「アスラズラース アニメ」とかで検索すると、とんでもない超破壊のアニメが大平演出で作られたというのがわかると思います。ダウンロードコンテンツという形で配信されたもので、パッケージの中には入っていないんですが、これはデータがものすごく重くてディスクにはちょっと入れられないと。それで外側に出してDLCという形にさせてもらったというものです。世界中の人に見られて大絶賛されている、ある意味で伝説の回なので。

大平:
結構すごいクリエイターさん、アニメーターさんたちにも集まってもらいましたよね。

松山:
あれは「大平さんがやるなら」って。アニメーターさんって「スタンド使いは引かれ合う」みたいなところがあって、「大平さんとやりたい」と集まってきて。うわあ、『ハウルの動く城』のこの煙もですね。『千と千尋の神隠し』の釜爺の腕もですけど、大平さんの仕事を見ていると、普通の人は絶対に嫌がるような、布だったり髪だったり数の多い腕だったりエフェクトだったり、一番面倒くさいところを喜々としてやられているじゃないですか。

大平:
なんとなく、イメージの強い仕事を振られますよね。

松山:
当然、何を期待されているかというのはご自身もわかっていて。

大平:
ちょっとワンパターンになっちゃってますけどね(笑) 「また大平か」みたいな。

松山:
いやいや。これ手で描いてるのよ?もう、まったく意味がわかんないもん(笑)

大平:
『イノセンス』は最初は「参加はしません」と言っていたんです。

松山:
そうなんですか?

大平:
「1キャラだったらなんとかやれるかもしれないです」ということで、バトーのところだけ。「独り相撲ならなんとかやらせてもらいます」と。

松山:
ああ~。

大平:
いっぱいキャラがいるところはやりたくないと(笑)

松山:
でも、それでもこれですから。「銃を持って走る」というだけで、こんなにも動く。

大平:
本当は、銃を持っているときはこんなに動かしちゃいけないそうですが、アニメのデフォルメで。

松山:
ほお~。大平式やなってアガりましたよ。

大平:
橋のシーンも本当は3Dだったらしいですけど、「大平くんだから、描いて」って。

(会場笑)

大平:
「ちょっと待てよ、『楽なところだったらやるよ』と言ったのに!」って(笑) 原画を見ると本当に大変だな、1枚描くのにどれぐらいかかるの、って。

松山:
この波なんか、もうどうかしてますよ。

大平:
これはTVシリーズですね(『お伽草子』)。

松山:
TVシリーズでようやりましたね……。それで、今度は『鉄コン筋クリート』。

大平:
色鉛筆で描いていました。

松山:
これは本当に話題になりました。「何、このシーン!?」って。色鉛筆作画ですか。

大平:
色鉛筆で、まったく加工していないです。一部、透過光は撮影ですけれど。時にはクレヨンで描いたり。そういうところは楽しんでやっています。

松山:
これはやっぱり、CGではできないですからね。アニメーションの気持ちよさ、心地よさ。手描きの良さってこういうことじゃないですか。計算じゃ出ないんですよね。こうやって映画だったりアニメだったり、「このシーンを丸ごと大平さんで」という話が来るときに、脚本とか絵コンテとか設定とか、資料が一通り来ると思うんですけれど、それをまずは読み込んで自分のパートに期待されていることを分解して、絵コンテ通りに作ることもあったり、「こうしません?」と提案することもあったりするんですか?

大平:
いや、細かい提案はもうしないですね。だいたい止められるので。「やめてくれ」って。

松山:
言っちゃうと止められる。だから、もう手を動かして描いて「できた」って?(笑)

大平:
「あとはもう好きにして」みたいな感じです。

松山:
ええー!

大平:
そうじゃないと、アニメーターって仕事としてなかなか個性を出せないので。前もって言っちゃうと「あれはダメ、これはダメ」って言われちゃうので。

松山:
今日は関係者の方も集まっていると思うので聞いておきたいんですけれど、大平さんとお仕事をしたいというときはどうしたらいいんですか?お手紙?


大平:
一応、スタジオブレイクという名前を使っていまして。

松山:
スタジオブレイクという会社が窓口で、そこに「大平さんとお仕事がしたいです」と言えば。

大平:
会場に来ている高橋という人間が窓口をやってくれていて、Twitterもやっています。

松山:
もうちょっとイメージを持っておきたいんですけれど、『アスラズ ラース』のときは「1年くらいでやってもらえるとうれしいです」という形でお願いしたんですが、通常、大平さんに仕事をお願いするときはどのぐらい前から考えておけばいいか、目安はありますか?

大平:
目安ですか?

松山:
たとえば、ですよ。いま10月ですが「年内にちょっとお願いしたいんです、12月が締め切りです」とかだと、それはないよってなるじゃないですか。

大平:
まあそうですね。

松山:
でもアニメの方々は切羽詰まっていて「なんとかなりませんか」というお願いもあると思います。大平さんの場合、どれぐらいなら大丈夫かなと。来年いっぱいとかの仕事なら相談できますか?

大平:
そうですね……ボリュームによってはその仕事をどっぷりやらなければいけないということもあって、スケジュールをとれるかわからないですけれど、細かいものに関しては、たぶん2~3カ月後とかなら対応はできると思います。

松山:
なるほど、わりと来年春ぐらいからのお仕事なら、まだ相談もできると。

大平:
そうですね。相談は乗りますけど、なかなかやらないですよ(笑)

松山:
やらんのかい!(笑) 「やってもいいかな」というタイプの仕事と「それはちょっと……」という仕事というのはどういうのですか?

大平:
うーん、今時のものはねえ……。

松山:
深夜枠の美少女アニメ系とかライトノベル系はちょっと違うかなぁと。そもそも大平さんにそういうお仕事は出さないですよね。

大平:
ないですけど数が多いので、ときどきは来てますよ。「えっ、俺に!?」って。

松山:
何を期待してるんでしょうね?

大平:
「1カットこの金額で?もうちょっと調べてくれよ~」っていうのもあります。

松山:
そんな依頼も来るんですか!? ちなみに大平さんはこれまでの仕事から「劇場の人」という印象が強いですけれど。

大平:
手が遅いんですよね。長いスパンの仕事じゃないと、なかなか受けられなくて。

松山:
そういうことなんですか。

大平:
でも、ある作品だとそんなにはかかってなくて、3カットか4カットぐらいしかやってないですけど、1週間から10日ぐらいでした。動画枚数は何千枚で、原画はその半分とか500枚ぐらいですけれど。そのぐらいのペースでやっています。

松山:
大平さんって「瞬間最大風速」がすごいという感じですね。

大平:
スピードはあると思うんです。

松山:
でも、全然仕事しない時間があるじゃないですか。

大平:
仕事はしてるんですけれど、描いてはいないという時があるんです。イメージを膨らませたり。

松山:
私、そのタイミングで結構会うことがあって一緒に飲んだりしてたから「この人、ずっと飲んでる人やな」ぐらいに思ってました(笑) 仕事するときはして、飲むときは飲んでということだと思っていたんですが、そんな速度でやっていたんですね。ちなみに、最新のお仕事はどうなんでしょう。

大平:
なかなか情報が出ていないものもありますけれど、1つは納品を終えました。これは4年ぐらいやってました。

松山:
4年!

大平:
もう1つはもうちょっとかかっていて5年ぐらい。パイロットからやっているので。

松山:
これはTVシリーズのやつですよね?そんなに時間かけていいんですか?

大平:
どう……なんでしょう。

松山:
プロデューサーがイカれてるか、もう参っちゃってるか、どっちかですよね。あまりにも完成しなくて。アニメもゲームも映画もそうなんですけれど、みなさんは完成しているものを見てますけれど、作り始めているけれどまだ始まらないとか、凍結されたものとか、完全にお蔵入りしているとか、パイロットフィルムだけで終わっているとかあるんですよね。ゲームも、プロトタイプを作るだけでプロジェクトごとなくなるのは数々あって。

大平:
多いですね。せっかくここまでやったのにという。

松山:
その制作期間の長さは異常ですね……。

大平:
きっと、ちゃんと仕上がってお披露目になるとは思うんですが、なんともいえない……。やっぱり見てもらってナンボですから、なんとか形にはなって欲しいですけれど。だから、ここ4年間はまったく名前が出ていないという。

松山:
そういうことか!その映画ではどんなシーンをやっているかはしゃべってOKですか?

大平:
まだダメですね。でも、自分らしいシーンです。

松山:
ああー、また人が嫌がる面倒なシーンが大平さんのところに(笑) 逆に、若い人には描けないからというのもありますよね。いま、一区切りはついたということですよね。

大平:
はい、それで松山さんからお仕事をいただいたというところで。

松山:
なにを発表してるんですか!(笑) うちはゲーム会社なんですが、たとえば「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」の炭治郎のヒノカミ神楽のエフェクトとか、ああいったところは手で描いてるんです。ゲームそのものは最先端の技術で作っているけれど、一周回って、アナログの手描き作画みたいな要素も入ってきている。なので、大平さんみたいなとんでもないエフェクトの業師とプロジェクトをご一緒して、クリエイターも学ばせてもらおうかと。今まさに、何なら先週したばっかの話を、なんで言うかな!(笑)

(会場笑)

松山:
もう全部言うた(笑) なので、これからも大平さんはアニメのお仕事もしつつ。

大平:
ええ、ビッグタイトルも控えていて。

松山:
うちとゲームの分野でも新しいことをやっていきますので、大平さんのこれからの活躍にご期待いただければと思います。

このあと、会場では資料集とサインシートの販売会が行われ、購入者にはその場で大平さんがサインを入れていました。

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in 取材,   映画,   アニメ, Posted by logc_nt

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