取材

グリコのおもちゃのおまけ86年分勢揃い、必ずどれかに見覚えがある「タイムスリップグリコ<なつかしの20世紀>」開催中の江崎記念館に行ってみました


子どものころ、グリコのキャラメルを買っておまけのおもちゃで遊んだことを覚えている人も多いはず。1927年から今まで86年間も続いており、これまでに出たおもちゃの種類は2万種類以上、数にすると約40億個にもなります。そのうちの約4000種類が江崎記念館にて展示されており、さらに「タイムスリップグリコ<なつかしの20世紀>」というなかなかナイスなイベントも現在開催中なので見に行ってみました。

住所は大阪市西淀川区歌島4-6-5、最寄り駅はJR東海道本線塚本駅かJR東西線御幣島駅となります。

大きな地図で見る

上記地図の場所に到着するとこのような門が見えます。実はこの江崎グリコ本社の敷地内に記念館があります。


門を入ってすぐ左を見ると受付があり、事前予約をした場合や事前予約不要日であっても、一度ここで必要事項を記入することになっています。


受付を済ませたらそのまま敷地の奥へ直進、右手奥に見える白い建物が記念館です。


敷地内を歩いて50メートルほどで江崎記念館に到着。


館内に入ると象の置物がお出迎え。聞いてみたのですが、由来は不明とのこと。


この階段を上った2階が展示フロア。


2階は階段を中心にしてぐるりと展示物が取り囲むようになっており、どこかの博物館か美術館のロビーのような雰囲気。


今回は順路に沿って見て行くことに。左手に見えているのは江崎グリコの歴史。


「一粒で二度美味しい」などの数多くの名コピーを生み出したグリコの広告の歴史も見ることができます。


1931年当時開発されたグリコの自販機を復元したもの。お金を入れると映画の上映が始まり、終わるところりんとグリコが出てくる仕組み。当時は次の人がお金を入れると映画の続きが見られるため、ものすごい行列になり、特許まで取ったほど。


グリコのおもちゃが敷き詰められたおもちゃの街。


街が構成できるほどのバリエーション。


未来都市。ロボットやシャトルが並びます。


メルヘンな街。


さらに歩くとこんな感じ。これらのショーケースにおもちゃがずらりと並んでおり、手前から奥に行くにつれて年代が進んでいきます。手前のケースが暗くなって照明がないのは、照明によって劣化が進むのを防ぐため。つまり、それほどまでに貴重なものを惜しげもなく無料展示している、というわけです。


おもちゃがショーケースの中にずらり。


グリコのおもちゃはそのときの時代背景を如実に反映しており、自分の知らない時代についてもこのように説明が書いてあるので、わかりやすくできています。


1930年代になんと大阪造幣局で作られたメダル。広報の方によると当時造幣局にかなり無理を言って注文して作ってもらったとのことです。


1935年~1942年頃に作られた武器のおもちゃ。時代性が反映されたものが多いです。


野球選手の写真。


グリコの野球チーム。


小さなだるま。独特の存在感。


シュールな表情をした人形。


昭和っぽい形をしたレトロカー。


昭和42年代からおもちゃが男の子・女の子用に分かれます。


こちらが女の子用のおもちゃ。おままごとなど家財道具のミニチュアとなっており、当時の小さい女の子が好みそうなおもちゃが多め。このようにして各時代の空気を感じることが可能。


男の子用は乗り物や……


ピストルや車など。


昭和56年から61年ははこんな感じ。コンセプトは男の子がSF、女の子がメルヘン。


メルヘンチックでポップな色使い。


男の子のおもちゃも若干派手なカラーリングです。


最近のおもちゃはこんな感じ。


ポップなデザインながら昔の物に比べて非常に洗練されたデザインになっています。


かなり多様な内容になっており、「最近のグリコのおもちゃはこんな感じなのか……」と感心。


最近のおもちゃはプラスチックなどではなく、木でできており、非常に高級感とあたたかみのある手触りが特徴。人気が出て好評だという話もうなずける完成度です。


明らかに著作権にやたらうるさいはずの某有名キャラクターをモチーフにしたものもよくよく見て探してみると混ざっており、「当時はおおらかだったもので……」とのこと。現地に行った人だけが見ることのできるお楽しみです。グリコ、おそるべし。


そしてさらに進んでいくと、今回の企画展の「タイムスリップグリコ<なつかしの20世紀>」のエリアへ。


位置的にはこのあたり。ここに来るまでの間に既によい意味でおなかいっぱい。


このようにして一個ずつ丁寧に展示されています。


これらのおもちゃは精巧なフィギュアなどで有名なあの「海洋堂」が担当しており、昭和らしさを全面的に押しだし、なおかつ大人の鑑賞にも堪えるような半端ないレベルとなっているのが特徴。


円谷プロともコラボレーションし、ウルトラシリーズと組み合わせて「怪獣のいる風景」を再現。妙なリアリティとミニチュアっぽさが同居しています。


いかにも昭和チックでレトロな品々。


赤いポストも最近めっきり見なくなりました。


足踏み式ミシンやアナログカメラはもう自宅にはなく、へたをすると博物館でしか見られないような存在。


今回の展示で特筆すべきは、上記のおもちゃそれぞれの「原型」も展示されているという点。どういうことかというと、原型師が作ったオリジナル原型をレジン複製して彩色したものがなんとそのまんま置いてあり、すさまじいディテールの細かさが目で見て分かるようになっています。


例えばこの扇風機と蚊取り線香、ブタの中をよく見ると渦巻きの蚊取り線香がちゃんと置いてあり、非常に精巧にできていることがわかります。


マツダT-2000やいすゞのボンネットバスBXD30型などもディテールが細かい。


純国産自家用車であるトヨペット クラウン


ホンダ スーパーカブ C100


当時の学校給食。


レトロな炊飯器とちゃぶ台、朝食の様子の再現っぷりがもはや異常のレベル。


過去にグリコがアニメ番組のスポンサーをしていた鉄人28号。


対ブラックオックス。


摩天楼を飛ぶ鉄人28号。


アジトを強襲する鉄人28号。


というわけで、見てわかるようにベーシックなおもちゃからマニアックなおもちゃまで、ありとあらゆるものを一気に堪能することが可能。ひとつひとつじっくり見ているとあっという間に時間が過ぎるので、よい意味で非常に危険で魅力的な展示となっており、「これが無料とか、本当にいいのか……」と感じるレベル。ぶっちゃけ、お金を払ってでも見に来たくなるようなラインナップとなっています。

で、案の定、非常に好評につき、本来の会期は3月29日(金)までだったのですが、期間が延長されて5月31日(金)まで公開されることに。見学および入館は基本的に平日のみで、前日までに下記公式サイトに書いてある番号へ電話予約が必要。ただし、4月13日(土)、4月20日(土)、4月30日(火)~5月2日(木)の10時から16時は予約不要となっているので、気軽に見に行くチャンスです。

江崎記念館 | 江崎グリコ
http://www.glico.co.jp/kinenkan/index2.htm

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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