ロボットだけじゃない“船アニメ”「翠星のガルガンティア」先行上映イベントレポート
2013年4月から放送開始となる新作オリジナルアニメ「翠星のガルガンティア」の第1話・第2話を映画館で先行上映するイベントが現在各地を回って開催されており、3月2日には大阪ステーションシティシネマでイベントが行われるということなので見に行ってきました。イベントには主人公であるレド役を演じる石川界人さん、エイミー役を演じる金元寿子さん、Production I.Gの平澤直プロデューサーが登場し、作品の見所や注目ポイントなどについて語りました。
「翠星のガルガンティア」アニメ公式サイト
http://gargantia.jp/
主人公のレドは人型機動兵器チェインバーに搭乗して異形の生命体ヒディアーズと戦っている戦士。
しかし、激しい戦いの中で撤退する最中に時空のひずみに飲み込まれてしまい、はるか辺境の惑星で人類誕生の地である地球へとたどり着くことに……。
チェインバーがたどり着いたのは辺境の惑星・地球。そこでは人々が船団を組み、海中から過去の遺産をサルベージするなどして暮らしていました。チェインバーも海中からサルベージされたものの、船団の技術では解体することができません。
船団に暮らす少女エイミー(右)は、この謎のロボットに興味を持ちます。
成り行きから、レドはエイミーを連れて船の中を逃げ回ることに……というところまでが第1話。
ガルガンティア船団長の補佐を務めているリジットは、レドの処遇に慎重。
レドと交流しようと試みるエイミー。
地球があまりにも辺境で助けがすぐに来るとは思えないため、とりあえずは船団との共生を考えるレド。
船団は「銀河道」と呼ばれる帯電したプランクトンの群れに従って航行しています。
第2話では、ベローズが営んでいるサルベージ船が海賊の襲撃を受けることに。これが船団で暮らす取引材料になると考えたレドは助けを買って出ますが……。
先行上映イベントではまず第1話と第2話の上映が行われ、上映終了後にキャストトークという形式で行われました。司会進行を担当したのはバンダイビジュアルの宣伝プロデューサー、廣岡祐次さん。
改めて1話と2話を見ての印象について「オープニングが爽やかで、その通りの作品になると思うので楽しみにしていただけたら」と石川さん。第3話でメインキャラクターの1人が退場した「魔法少女まどか☆マギカ」でシリーズ構成を担当した虚淵玄さんがシリーズ構成・脚本を担当していることから、廣岡さんは「これはフリではないです」とこの先に含みを持たせました。
金元さんは生き生きとした絵や「銀河道」について、アフレコでは映像が完成版ではなく改めて見るとあまりにきれいで驚いたそう。特に、海の色は思っていたよりも緑色だったとのこと。平澤プロデューサーによると、去年から何度も話を重ねてきて、その結果この色になったそうです。
質問コーナーでは「もし自分が作中と同じような状況に陥ったらどうする」という質問に対し、石川さんは「レドは優しいので船団の人を攻撃しないことにしたけれど、自分は早く助かりたいのでチェインバーに従って戦うと思う」と回答。一方、金元さんは、エイミーは知らない少年がやってきても自分から関わっていこうとする積極性があったものの「私は関わらないと思います」と回答し、「もしお2人がレドとエイミーだったら、作品は先に進まないところでした」と突っ込まれていました。
平澤プロデューサーによると、レドとロボットでありパイロットをサポートするプログラムでもあるチェインバーの関係については、ただ乗り物というだけではなく助け合う関係をやれば面白いのでは、ということが虚淵さんから提案され、「なら面倒ごとはロボットにやらせてしまおうか」と、宇宙と地球の2つの言語の橋渡しを担当することになったという経緯があるそうです。スマートフォンが擬人化されたCMがありますが、あれと同じように情報は端末が提供するもののその判断は本人が行う、というようになっています。
レドとエイミーについては、まず前向きな話にしたかったので行動的なキャラクターにすることを考えたそうです。二人の関係は、お互い地球で初めて会ったところで、特にレドにとってエイミーが初めて地球で接触した相手ということで気になる存在なのかもしれない……と、このあたりは後半のお楽しみだとのこと。
レドを演じる石川さんから見たエイミーの印象は「元気ですごくいい子」。15歳という思春期にある女の子が、まったく知らない人に絡んでいくというのはなかなか難しいことなのに、すごい子だと感じているそうです。
一方、エイミーを演じる金元さんから見たレドの印象は、最初はクールで何を考えているのか分からないところがあるように見えたものの、話が進んでいくといろいろな表情を見せていることに気付いて驚いたとのこと。
第3話以降の注目ポイント・注目キャラクターについて、石川さんはガルガンティアで生活していく上でレドが何をきっかけとしてどのように変わっていくのかという「レドの変化」を挙げました。また、大阪でのイベントの前に行われた名古屋でのイベントで水着姿のエイミーが公開されたことから、どこで出てくるのかが楽しみだとのこと。
金元さんは、第3話のダイジェストで出てきた「女性海賊ラケージ」を挙げました。キャラクターとして非常にパワフルで本人も興味深いのですが、傍らに首輪でつながれた女性がいて引っ張られるシーンでは「ああっ……」と弱そうな声を出していたのに、いざラケージが出陣するとなると「アイサー!」と元気よく従っていて、いったい彼女たちはなぜつながれているのか、自分の意志なのか違うのか……これはちゃんと設定もあるそうですが、「今は言いません、放送をお楽しみに」とのことでした。
平澤さんは、このアニメはロボットアニメということよりも「船アニメ」という側面があって、ガルガンティア船団の船は1隻ずつ外観だけではなく中身までしっかり作り込んでいるので、レドやエイミーはもちろん、「今回、船はどうなんだろう」というところまで注目して欲しいと語りました。
今回のこのイベントは全国複数箇所で開催するということで「せっかくなのでその場所でのみ公開する情報を!」と、極秘の設定資料が明かされました。大阪では、レドが地球に来るまえの前日譚小説が発売となることが発表され、その小説に出てくるキャラクターの設定画が披露されました。
「これはこの場でだけ公開です」というイラスト公開。レドの前日譚ということを聞いた石川さんからは「演じる前にぜひ読んでみたかった」とのコメント。このノベライズは「マチ★アソビ」やベルサール秋葉原でのイベントなどで先行販売される予定となっており、その1~2週間後に全国アニメショップやニトロプラス通販での一般販売が予定されています。スケジュールは確定次第公式サイトでお知らせするとのこと。
最後は着ぐるみチェインバーが登場し、お客さんを見送っていました。
大人気のチェインバー。
「翠星のガルガンティア」は4月から、大阪では読売テレビにて放送の予定。スケジュールは決まり次第、公式サイトにて公開されます。漫画家の鳴子ハナハルさんが初めてアニメにキャラクター原案を提供しており、魅力的なキャラクターたちがどんどん登場するので、そちらもお楽しみに。
サーヤ(声:茅野愛衣)
メルティ(声:阿澄佳奈)
ベローズ(声:伊藤静)
リジット(声:大原さやか)
また、先行上映イベントは3月10日にユナイテッド・シネマ 札幌でも行われ、こちらには石川さん、金元さんのほかサーヤ役の茅野愛衣さんも出演するとのことなので、興味のある人は足を運んでみて下さい。
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