4つの太陽を持つ星がボランティア有志の手によって発見される
NASAが探査機ケプラーによって集められた星のデータを使って、居住可能な新しい惑星を実際に見つけようというサイトPlanet Huntersに集まったボランティアたちにより4つの太陽を持つ惑星が新たに発見されました。
BBC News - Planet with four suns discovered by volunteers
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-19950923
PH1 : A planet in a four-star system « Planet Hunters
http://blog.planethunters.org/2012/10/15/ph1-a-planet-in-a-four-star-system/
この星はPlanet Huntersにちなんで「Planet Hunters 1(PH1)」と名づけられました。PH1を発見したのはアメリカ在住のKian JekさんとRobert Gaglianoさん。二人が発見した惑星はその後、専門の天文学者チームがハワイのマウナケアでケック望遠鏡を使用して存在を確認しました。
PH1はネプチューンよりも少し大きいくらい、地球を6倍したよりも小さな半径を持つガス惑星だと考えられています。連星(二つの恒星が互いに引力を及ぼし合い、共通の重心の周囲を公転運動しているもの)の周囲を公転する周連星惑星なのですが、それだけではなく、さらに惑星から900億マイル離れたところに重力に縛れられるペアの星を発見したとのこと。連星自体は珍しくはないのですが、周連星惑星はPH1を含めてこれまでに7つしか確認されておらず、それに加えて重力の影響する距離内で別の連星が存在する、という例はこれが初めてのこと。もしPH1の上に立てば、4つの星を一度に見ることができるというわけです。
さらに重要なのは、この惑星系が「惑星はどのように形成されているのか」ということの理解に役立つこと。4つの重力に引っ張られるPH1では複雑な環境が生み出されているのですが、惑星の軌道は安定しています。オックスフォード大学のChris Lintott教授はこれについて「2つの星の周りには確立した別の6つの惑星が非常に隣接して存在します。思うに、これはプロトプラネタリーディスク(惑星系を生みだす濃いガスによるトーラス)の内側で惑星が形成されるということを意味します。惑星は隣接して形作られることによって安定した軌道を作ることが可能になるのです」とBBCに語りました。
Planet Huntersに訪れた人はケプラーが標的としたデータにランダムにアクセスし、星が暗くなった場所をマークしていくという仕組み。
Welcome to Planet Hunters on Vimeo
コンピューターではこのような発見はされにくく、人間のパターン認識によって行われ、LintottさんによればPlanet Huntersには新たにデータがアップされ、さらに惑星を見つけてくれる人を募集している、とのことです。
Planet Hunters Tutorial 2 on Vimeo
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