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70年ぶり新作「ルパン、最後の恋」の日本語訳版が明日から発売、あらすじはこんな感じ

By t-miki

ルパン三世ではなく、そのネタ元となっている本物の「怪盗アルセーヌ・ルパン」シリーズ(全世界で5000万部以上発行)の幻の遺作が2012年5月にフランスで発刊されたのですが、その日本語訳版が明日から発売されることになりました。

(PDFファイル)70年ぶりの新刊解禁!アルセーヌ・ルパン・シリーズ、幻の遺稿がついに日本語訳刊行
http://www.booklista.co.jp/wp-content/uploads/2012/09/press_release_20120906.pdf

ハヤカワ・オンライン|早川書房のミステリ・SF・ノンフィクション:新着ニュース
http://www.hayakawa-online.co.jp/news/detail_news.php?news_id=00000564

表紙はこんな感じ


ルパンシリーズの最終作は1934年に発売された「カリオストロの復讐」および1941年の「ルパン最後の事件(ルパンの大財産)」だとされていたのですが、Wikipediaによると「近年、ルブランの伝記を記したジャック・ドゥルアールの調査によってそのタイプ原稿が発見され、フランス本国で2012年5月に刊行された」ということで、なんと約70年ぶりに新刊が出ることになった、というわけです。

あらすじは以下のようになっています。

父親のレルヌ大公が突然自殺し、一人娘のコラは悲しみに沈んでいた。そんなコラを助けるのは、大公から後見を託された4人の男たち。大公は遺書の中で、「実はこの4人の中に正体を隠したアルセーヌ・ルパンがいる。ルパンは信頼に足る人物なので、それが誰かを見つけ出して頼りにするように」と記していた。やがて思いがけない事実が明らかになる。大公はコラの本当の父親ではなく、コラは母親がイギリスのハリントン卿との間にもうけた子だったのだ。高貴な血をひくコラは、にわかに国際的陰謀に巻き込まれ、そんなコラを救うべく、ルパンは動き出すが……永遠のヒーロー、ルパンと姿なき敵との死闘が幕を開ける!


原稿を発見するまでの経緯はNHKが以下のように報じており、もうちょっとくわしいあらすじがわかります。

怪盗ルパン最後の恋 - NHK 海外ネットワーク
http://www.nhk.or.jp/worldnet/archives/year/detail20120707_31.html

最後のルパンの原稿はどのようにして見つかったのか。ルブランの孫のフロランスさん。原稿の発見は、全くの偶然だった。パリの自宅で、両親の遺品を整理していたところ、父親の書類の中から原稿が見つかった。ルブランは毎回、出版の直前まで推こうを重ね、作品の完成度を高めていった。ただ、手直しされていないページもあり、フロランスさんは「このころはもう晩年で、思うように作業が進まなかったようだ」と話す。出版を決断したフロランスさんは「祖父の作品が完結しないのは残念なことだと思った。みんなに気に入ってもらえるとうれしいです」と話す。

作品には、貴族や資産家から財宝を盗み出すこれまでの姿とは全く別のルパン像が描かれている。舞台は、1920年代のパリ郊外。ルパンは、先祖から受け継いだ1冊の本をめぐって、イギリスの諜報機関に命を狙われる。教師になりすまし、小さな街に身を隠すルパン。貧困に苦しむ子どもたちを目にし、ルパンは街で出会った男に決意を明らかにする。その決意は、街にガス・電気・公園を整備し、家を建てるというもの。男が「そんな金はどこにあるんだ?」と問いかけるとルパンは「これから盗んでくる」と話す。さらにパリ社交界きっての美女との恋も描かれている。研究者は「金持ちばかりと接してきたルパンが、今回は貧しい人たちのために、
彼独特の方法でよいことをしようとしている全く新しい世界が描かれていて、とても興味深い」。


実際に日本語訳を担当した方のブログは以下のような感じ。

危機的似非(エッセ・クリティック)(執筆者・平岡敦) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート
http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20120820/1345417932

 いや、「発見」という言い方はややオーバーかもしれない。作品自体の存在は以前から知られていたし、内容も一部伝わっていたのだから。ただしその全体像が公にされることはなく、原稿の所在もはっきりしない時期があったらしい。

 それをルブランの孫娘であるフロランスさんが(写真を見ると、ルブランによく似ている)、自宅に保管してあった祖父の遺品のなかから見つけ出した。160枚のタイプ原稿にルブラン自筆の推敲が施されているものだが、作者がほどなく病に倒れたため、完全な仕上がりまでには至っていなかった。とはいえルブランがルパン・シリーズの最終作をどのように構想していたかは充分にうかがい知ることのできる貴重な作品だということで、フロランスさんは出版社の要請を受けて公刊を決意したというわけだ。本が発売されるや、ルパン・シリーズ70年目の《新作》とあって雑誌やテレビなどでも話題になり、ベストセラーの上位に顔を出すほどの売れ行きだったという。

 そこでさっそく邦訳を出そうという話になったのが、6月も終わりに近いころ。どうせなら早いほうがいい、9月刊で行きたいと聞いて、正直ちょっと焦りましたね。とはいえ、ルパンの未発表作品をこの手で訳せるという機会をみすみす逃すわけにはいかない。それに翻訳家にとって急ぎの仕事というのは、実は大変なことばかりではない。原稿さえなんとかあげればすぐ本にしてくれるので、ありがたい面もあるのだ。こうして「ルパン危機一髪」は始まったのだった。


なお、フランスのAmazonを見ると☆は4つ、日本のAmazonでも予約受付中となっています。

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in メモ, Posted by darkhorse

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