メモ

新型コロナウイルスの感染拡大が「まるでスティーヴン・キングの物語に住んでいるよう」という意見


新型コロナウイルスの感染者数減少を目指して、日本では2020年4月8日から7都府県が「緊急事態宣言」下にあります。海外では、この「緊急事態宣言」よりも重い「都市封鎖」を行っているところも出ていますが、こうしたパンデミックの状況について、まるでスティーヴン・キングの小説のようだと感じる声が出ているそうです。

Stephen King Is Sorry You Feel Like You're Stuck In A Stephen King Novel : NPR
https://www.npr.org/2020/04/08/829298135/stephen-king-is-sorry-you-feel-like-youre-stuck-in-a-stephen-king-novel


キング氏は、人々から「まるでスティーヴン・キングの物語の中で暮らしているようだ」と言われ続けていて、それに対して唯一「すまない」しか答えを持たないと語っています。

この「スティーヴン・キングの物語」が指す作品は、1978年に出版された「ザ・スタンド」。


99%という致死率と高い感染力を持ったインフルエンザウイルスが流行したことにより、多くの人が死に、わずかな人だけが生き残った世界を舞台に、人類の存亡と世界の未来のために戦う人々の姿を描いた作品です。なお、作品は「どのように世界がウイルスに冒されていくのか」ではなくパンデミック後がメインです。

キング氏は、今回の新型コロナウイルスのパンデミックを「現代社会では『旅行』が当たり前になっているので、遅かれ早かれ起こるに決まっていた」と冷静に受け止めており、自身の母がトラウマである世界大恐慌の話をしていたように、孫娘がいずれ「ウイルスが怖くて外に出られなかった」と言うことになるだろうと語りました。

なお、キング氏は今回のパンデミックのもとで毎日家にいて、やることが多すぎないので、小説の執筆が捗っているとのこと。執筆は恐怖から逃れるにもちょうどいい方法になっているそうです。

ちなみに、「ザ・スタンド」を高く評価しているAmazonでカスタマーレビューは、以下のような感じ。

初期キングの集大成、質量ともに膨大な超大作

感染性の高い病気が蔓延し、アメリカの殆どの人が死んだ社会で、生き残った人々がアメリカ再建に乗り出すが・・・というお話。
よくキングの小説で共同体の崩壊が最後のカタストロフィになって現れることが指摘されますが、本作に至ってはアメリカ或は全世界が新型インフルエンザで初めっから崩壊するという凄まじい展開になっていて驚かされます。キングという人は破滅願望がある訳ではないでしょうが、やがて現代文明は死滅するという宿業を背負っているという観念を持っているのか、それをこの作品で究極の崩壊を描いていて上下二段組み合計1400ページにわたって追及を極めた感があります。よくぞここまで書いたとその力量に圧倒されました。


キング究極の傑作

風邪のような症状が出てやがて死に至るというウィルスが世界中に蔓延し全人類が死滅寸前になるというストーリーは、小松左京の「復活の日」と同じ設定。僅かに生き残った人々が他に生き残った人間を探し回るという設定も、同じく小松左京の「こちらニッポン」を思い起こす。人類が滅亡していく世界というSF小説的なアプローチでこの物語は始まるが、キングはモダン・ホラー作家としてのスタンスなので、やはり超自然現象をベースにした物語をその後展開させていく。世界の他の国はどのような状況になっているかは一切描かず、アメリカのみに限定して、それも街の一般の人々がこの物語の主役となっていく。一般的なSF小説のように世界に蔓延した致死ウィルスに対する国家首脳部の対策や専門科学者の分析等の描写は一切出てこない。軍部施設の関係者の慌てぶりが最初の方で描かれるだけ。まあ、キングにSF小説的展開など誰も期待はしないけど。


レビューで名前の挙がっている「復活の日」は、1980年に映画化もされています。

Amazon.co.jp: 復活の日を観る | Prime Video

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in メモ, Posted by logc_nt

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