スプレーのようにシュッと吹き付けるだけでなんでもリチウムイオンバッテリー化できる技術が開発される
By AMagill
パソコンなどの電子機器に使われるリチウムイオン電池をスプレー化し、どんな素材であってもスプレーを吹きかけるだけで電池化させてしまう「paintable battery」が新たに開発されたようです。
Rice researchers develop paintable battery
http://news.rice.edu/2012/06/28/rice-researchers-develop-paintable-battery/
paintable batteryのムービーは以下から。
Rice researchers invent paintable battery - YouTube
このリチウムイオン電池を発明したのはアメリカにあるライス大学の研究者たちです。
研究チームを率いたのはライス大学の院生であるNeelam Singhさん。
リチウムイオン電池は通常パソコンや携帯電話などの電子機器に使用される電池です。
負極板と正極板とセパレータを重ねあわせて構成されるリチウムイオン電池と同様に、paintable batteryもまた素材に何層もスプレーがけすることによって完成します。
スプレーがけはこんな感じ。
実験の際、スプレーは金属、ガラス、セラミック、プラスチックなど、さまざまな素材に塗って行われたそうです。
実験は以下の方法で行われました。まず、スプレーがけされたバスルームのセラミックタイル9つをつなげて、そのうちの一つの表面にソーラーパネルを設置。
この時、ソーラーパネルは研究室の白色光を電力に転換します。
そして電池がフル充電されたところでソーラーパネルを取り外し、「RICE」という文字に並べた発光ダイオードに出力すると、電池は2.4ボルトの電力を安定して発生させ、ライトは6時間点灯し続けることに成功しました。Singhさんは、この電力を安定させるという点が最も難しかったとコメントしています。
なお、paintable batteryは小さなソーラーパネルで簡単に充電できるため、工業的に利用することも容易であるとのこと。世の中には色んな形態の電池やソーラーシステムが存在しますが、paintable batteryは素材を選ばず、どんな場所にも塗装可能なので、かなり実用性が高そうです。
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