取材

世界一危険!?な帰宅ラッシュ、メキシコ国境のありふれた日常


世界一危険な都市・メキシコのシウダ―フアレスに面する、アメリカ-メキシコ国境の街に、当たり前のようで当たり前でない光景を見た。

みなさんこんにちは。世界新聞社の松崎敦史です。前回のラスベガスからアリゾナ(グランドキャニオンやセドナ)を回って、メキシコとの国境の街・エルパソまで移動してきました。今後、メキシコ側のシウダ―フアレスからメキシコに入ります。

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エルパソの街並み


エルパソにはメキシコとの国境をまたぐ橋が5つあって、毎日、たくさんのメキシコ人が歩いてアメリカ側にやってきます。そして、夕方になると、国境ゲート付近にはメキシコへ帰る人の行列ができます。国境をまたぐ帰宅ラッシュ。彼らが帰っていくのは、近年、メキシコで勃発している麻薬抗争の最前線、「戦争地域以外では最も危険な街」と言われるシウダ―フアレスです。

シウダ―フアレスの治安状況は以下のような感じです(外務省海外安全HPより引用)

特にチワワ州フアレス市の治安悪化は顕著で、2010年に同市だけで2,738人もの組織犯罪関連の殺人被害が発生し、2011年2月には、出張中の邦人が銃撃された事件も発生しました。また、組織間の抗争や治安当局への襲撃には、自動車爆弾が使用されたり、手榴弾が投げ込まれるなど、その手口も凶悪化・無差別化しています。一方で一般治安も悪化し、誘拐、強盗、窃盗等も多発しています。ついては、これら市とその周辺地域への渡航、滞在はその是非を含め自らの安全につき真剣に検討を行い、十分な安全対策を講じることをお勧めします。


エルパソはアメリカであって、ほとんどメキシコです。メキシカンな帽子をかぶった男たちが闊歩し、メキシコ料理屋がそこら中にあり、街できこえてくる会話の8割はスペイン語です。

エルパソのダウンタウン。街はきれいに保たれている


エルパソのダウンタウンはオフィス街なので人があまりいない


メキシカンハットのおじさん


衣料品店にはサッカーメキシコ代表のユニフォーム(偽物)


道端で何かと思えばコピー機だった(12/04 13:58追記、読者からの指摘によるとこれは「新聞の自動販売機」とのこと)


エルパソで一番活気があるのが、エルパソ通り。なぜなら一番大きな国境ゲートにつながっているから。

まっすぐ1kmくらい行くと国境橋・サンタフェ橋にぶつかります


進んでいくにしたがい店が増えてきます。ほぼ全てが越境してくるメキシコ人相手のお店。

ほとんどの店の看板はスペイン語で書かれている


下着屋がやたら多い


値札もほぼスペイン語表記


造花屋さん


リンゴ飴!


中国人オーナーの店が多い


国境ゲートが見えてきました


国境ゲート到着


メキシコから渡ってくる人々


さらに進みます


詰め所で50セントを払います。この向こうに橋があります。


そして夕方4時くらいになると、帰宅ラッシュが始まります。


みんな「近所に買い物感覚」で国境を越えてきているようです。戦利品を抱えて家路を急ぎます。


現地人によると、やはり、彼らのおもな目的は買いだし。何でも、メキシコ料理に欠かせないトルティーヤ、卵などが安いらしい。あとは、牛乳がアメリカのほうが断然新鮮なんだそうな。ちなみに、橋の途中で知り合ったメキシコ人は「銀行に行ってきた」と言ってました。彼らにとって国境は完全に日常に組み込まれてるんですね。

エルパソ通りで売られていたトルティーヤ


で、彼らが帰っていく世界一危険な街・シウダ―フアレス。どんなもんか、橋を渡ってちょっと行ってきました。ビビりながら街に入ると、これが、すごく穏やかな雰囲気でびっくりしました(昼間に国境ゲート近辺の大通りを歩いたかぎりの印象)。


アトリエで絵を描いていた画家


国境ゲートから伸びる通り沿いにはやたらと歯科が目立つ。治療費が安いので、アメリカから多くの人がやって来るのだとか。


人で溢れるマーケット


国境ゲートへ伸びる車の列


むき出しのケーキ屋さん


とはいえ、マシンガンを構えた警官が街かどに立っていたり、パトカーがサイレンをならして猛スピードで過ぎていったり、10人くらい兵士を載せたトラックが巡回していたり、ここが麻薬抗争の最前線であることを実感する光景もありました。

こんなのどかな公園が銃撃戦の場になることがあるのだろうか


どこにいっても日常があって、日常しかないんだって感じました。それは国境でも世界一危険と言われる都市でも同じです。

シウダ―フアレスの夜景


(文・写真:世界新聞社/松崎敦史
http://sekaishinbun.blog89.fc2.com/

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in 取材, Posted by darkhorse