本誌より「1日遅れ」で「40円安い」週刊ファミ通電子版は成功するか
創刊25周年を迎える「週刊ファミ通」の電子版が、10月28日から配信を開始します。ゲーム雑誌として長く親しまれてきたファミ通が電子化ということで、期待が高まるところですが、その内容は「そんな電子版で大丈夫か?」と言いたくなる内容です。
電子書籍-BOOK☆WALKER-
10月28日から角川グループの運営する「BOOK☆WALKER」内に「ゲーム館」が開設。ここで「ファミ通」が毎週金曜日に配信されます。※本誌は木曜発売
電子版は「2011年11月10日号」から配信予定。本誌は税込390円ですが、電子版は税込350円で購入できます。また内容については、DVDやシリアルクーポンなどの付録はつかず、基本的には本誌と同内容ながら「一部記事について掲載されないことがあります」とのこと。
まとめてみるとこんな感じ。
電子書籍として販売する場合、DTP以降の印刷・製本・配送工程をスキップできます。特に製本や配送は全ページのデータが揃ってからの作業となるので、電子版は少なくとも1日や2日は早く販売できるはず。それが逆に「1日遅れ」になるということは、流通との関係を重視したとしても、納得のいかない部分です。
価格は350円で本誌よりも40円安くなっています。そもそも週刊のゲーム雑誌自体が少なく、390円というファミ通の価格もそうした意味では競争力があるのですが、本誌自体との差をユーザーがどう判断するかが重要なところ。
内容については本誌と同様ですが、付録はつかないとのこと。内容を削ってでも早く安く出すか、本誌と同じ内容にして出すか、悩ましいところですが、今回の判断は「なるべく本誌に影響が出ない形でのスタート」という意図が見えます。
結局のところ、今回の電子版のメリットは「持ち運びやすい」「どこでも読める」など、電子版であることそのものに尽きるようです。「紙の本は買わないけれど、電子版なら買う」という層に対するフォローという印象ですが、どのような結果が出るのか、今後の販売状況が気になります。
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