日本だけでなく世界でも使われている箸の秘密
by kurichan*
日本の食卓にほぼ毎日登場する「箸」は、アジア圏で広く使われています。あまりに身近すぎて気に留めることも少ないものの、実は日本の箸は独自の進化を遂げていて、特に日本独自の「割り箸」は特殊な使われ方をしています。
箸 - Wikipedia
◆日本生まれの「割り箸」
日本人にとって身近な箸と言えば、日本の木の文化から生まれた割り箸。ラーメン店などで出される割り箸は、真っ二つに割れずに下記の写真のような状態になってしまうこともあります。
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普段使う割り箸は四角形ですが、それとは反対に丸みを帯びた割り箸もあります。祝い箸というお正月に使う伝統のあるものです。大晦日に家の主が家族の名前をそれぞれの箸袋に記入して、箸を入れて神棚に供えておきます。その箸を元旦に使ったら、自分で洗って、松の内(1日~7日まで)は同じ箸を使うという習わしがあります。
祝い箸には中央部分が一番太く、両端が細くなっている「両口箸」と呼ばれるものがあります。これは一方を神様が使い、もう一方を人が使う「神人共食」を意味しているのだそうです。
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昨今はエコブームで割り箸の使用を避け、「マイ箸」を持つ人もいます。折りたたんでコンパクトに持ち歩ける箸まで登場するなど、日本の箸はまだ進化を続けています。
◆中国人には自分用の箸が無い
日本では家族1人ひとりに箸などの食器が割り当てられます。しかし中国にはそういった習慣がなく、同じようなデザインの箸や食器を共用で使っています。
また、家族や来客に自分の箸で取り分けてあげるのが親愛の情の表現だとされています。そのため、日本の箸よりも長めの物が使われています。先端は日本の物よりも丸くなっています。
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◆韓国の箸が金属製である理由
韓国では金属製の箸を使いますが、これは韓国で産出されていた青銅の重金属含量が低かったため。日本にある韓国料理店でも、金属製のはしが出てくる場合もあります。貴族の食器には銀を使うようになっていったのですが、それは銀は毒に反応して変色するので、毒を確認するためであったからだとされています。現在では、銀製・ステンレス製の箸が多くなっています。
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◆ベトナム独特の箸の作法
ベトナムでは箸とれんげが併用されています。ベトナムの米は日本米ほど粘りけが無いため、箸ではなくれんげを使って食べる方が簡単です。しかし、白飯をれんげで食べるのは、マナー違反とまでは言わないものの、やや子どもっぽいと振る舞いとされています。ただし、チャーハンなど白飯以外のご飯ものは、レンゲやスプーンで堂々とすくってもよいそうです。
ベトナムデジタルギャラリー:テーブルウェア
◆宇宙でも箸は活躍している
意外なところで、宇宙では食事の時に箸が重宝するとのこと。欧米出身の箸を宇宙飛行士も、箸を使ってカレーを食べています。
(C)NASA
無重力状態では液体が固まって浮遊するので、その現象を利用して国際ステーションのスタッフが箸を使って紅茶を食べるムービーも公開されています。ということで、箸はアジア圏のものというわけではなく、宇宙規模で使われているようです。
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