ナウシカからけいおん!までも網羅、アニメの歴史を直接手にとって一覧できるアニメージュ&アニメディア展示会
アニメ誌は現在も数多く発行されていますが、なかでも強い人気と影響力を誇るアニメ雑誌三強(御三家)と呼ばれる雑誌のうち「アニメージュ」「アニメディア」が協力体勢を取り、一般読者に向けてバックナンバーの寄贈を求めて「マチ★アソビ vol.7」の間一堂に展示、しかもガラスケース越しなどではなく手にとって自由に読み放題というかなり挑戦的な企画を行っています。
アニメ雑誌が大量に集まっていることで、その表紙のイラストからその当時の人気タイトルが一覧できる、いわばアニメ歴史資料館のような雰囲気を放っており、実際にその空間に身を置いてみると一種独特の迫力を感じる、貴重な情報のるつぼでした。
東新町アーケードに入ってすぐの「守住ビル」内にて展示が行われています。
守住ビルの真正面には、ufotableが手がけた作品のキャラが一同に会した大きなバナーが掲示されているので一目で分かるはず。
こちらは「空の境界」バナー。
ここは「マチ★アソビ」の総合インフォメーションセンターでもあります。なので、パンフレットやマップなどが欲しい時はここに来ればOKというイベントの拠点です。
さっそく中に入っていきます。
今回のこの展示に使われている雑誌は、手持ちのアニメ雑誌の寄付を募り、有志が送ってきてくれたもの。アニメージュは400冊中368冊、アニメディアは359冊中251冊が集まったということです。今となっては手に入らない貴重な物なだけに、膨大な記録資料が集まった結果となりました。
アニメージュ、ならびにアニメディアの創刊号の記念すべき表紙が引き延ばされ、記念撮影コーナーとして設置されていました。2つのアニメ誌が語る、アニメの歴史はここから始まります。
アニメージュは「宇宙戦艦ヤマト」
アニメディアは「銀河鉄道999」
会場全体を見渡してみるとこんな感じです。ふろくのポスターや小冊子なども含めると圧巻です。
年代を基準に、アニメ誌のメインを飾った作品たちの変遷を見ていきます。1979年に行われた人気ランキング集計でトップになったのは「機動戦士ガンダム」。
重厚な塗りのイラストは、現代のアニメ誌の表紙とはかなり印象が違い、スタイリッシュです。
「アムロをとりまく7人の女性たち」「シャア・アズナブルのベールをはぐ!!」など、本編を知らない人でも知っている有名キャラクターたちが、アニメ誌独特のノリで取り扱われています。
マチルダ、セイラなど、作品と同年代を生きた男性の心に深く印象を残した女性たちについては、かなり感傷的な切り口で取り扱われています。
1986年のアニメージュグランプリ「天空の城ラピュタ」
今もなお高い人気を誇り、金曜ロードショーで放送されるたびに多くの人がつい見てしまうのではないでしょうか。
アニメ誌の付録というよりは、ジブリのグッズを販売している「どんぐり共和国」などに並べられていそうなファンシーな絵柄の便せん。
1984年、「風の谷のナウシカ」は人気トップでした。
今となってはアニメ映画の定番であるがゆえに組まれることのない「映画の登場人物は?」という特集。これから映画を見る人や小さな子どもにはかえって必要な情報であるように感じます。
ナウシカをはじめとしたスタジオジブリの作品のふろくたち。
宮崎監督のサインが掲載されていたこともありました。
映画用ポスター第1弾をそのまま採用した表紙。同様のことが直近のスタジオジブリ作品「コクリコ坂から」でも行われていました。
1989年は「となりのトトロ」
札では1989年となっていますが、実際には1990年にアニメージュ年間グランプリに選ばれたのが「魔女の宅急便」
寝起き姿のキキとジジを描いた表紙が飾られていました。
同年代の「アニメディア」の表紙は「ふしぎの海のナディア」
ピンナップでも大きく扱われています。
セクシーキャラ図鑑というちょっとドキドキするような小冊子もありましたが、中はナディア以外にもさまざまな需要をカバーしたセクシーキャラ特集が組まれていました。
1993年ごろのアニメディアは「幽☆遊☆白書」の掲載が多かったようです。
表紙をめくってみたところ「無責任艦長タイラー」でした。
幽助や桑原たちがバンドを組んでいるイラストが表紙のアニメソングの小冊子。楽譜付きというのは最近はあまり見ない形態ですね。
1994年放送の「マクロス7」
1995年ごろのアニメディアは「美少女戦士セーラームーン」プッシュだった模様。
「輝け!アニメキャラ大賞」という企画では5年連続で美少女部門を席巻していました。ということはアニメ放送時点から高い人気を誇っていたということで、その人気の高さが並みではないと分かります。
1995年から始まった「スレイヤーズ」シリーズも、セーラームーンとならんで表紙やピンナップでの扱いが多かったようです。
「スレイヤーズNEXT」バイブルは「天空のエスカフローネ」とのリバーシブル版でした。
1期目のスレイヤーズの放送と同時期の作品となる「新機動戦記ガンダムW」
このころから、キャストの存在感がそれまで以上に強くなってきたのか、メインキャストの座談会記事が展示されていました。
1996年、1997年の2年連続グランプリを勝ち取っていたのは「新世紀エヴァンゲリオン」
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」のピンナップ。
シンジとカヲル君の特大ポスターがふろくとなったこともありました。
1998年は「機動戦艦ナデシコ」がトップに。
ホシノルリの「バカばっか」という冷めたセリフがいまだ耳に残っているファンもいるかもしれません。
集合イラストもありました。
2003年ごろに大ヒットした「鋼の錬金術師」。
年代が新しいからか寄贈された数も多かったようで、たくさんの本誌やふろくがありました。
2002年に放送開始された「ガンダムSEED」、そして2004年から放送された続編の「ガンダムSEED DESTINY」
2006年に放送開始された「コードギアス 反逆のルルーシュ」。2006年~2008年までアニメージュグランプリ3冠を達成していました。
続編「R2」込みでの結果のようです。表紙のパターンも豊富で、ルルーシュとペアになるキャラは必ずしもCCとは限らなかった様子。
アニメディアの表紙にもルルーシュたちが登場していました。
コードギアスと同時期からはじまってさまざまな展開がされた「涼宮ハルヒの憂鬱」
映画「涼宮ハルヒの消失」の見開き特集。
ポスターの裏側は同時期に展開されていた、主人公の名前が同じ「ハルヒ」の「桜蘭高校ホスト部」でした。
2007年に放送された「DARKER THAN BLACK ―黒の契約者―」
同じく2007年から始まり、2009年まで放送された「ガンダム00」
ガンダムに搭乗する男性パイロットたちが中心となり物語は展開されますが、女性キャラに対する「萌え」切り口の特集もありました。
こちらも2008年にテレビアニメが放送、最近は劇場版アニメ「マクロスF サヨナラノツバサ」が上映された「マクロスF」
2009年は今冬劇場版の上映をひかえている「けいおん!」
こちらは唯を中心に、梓や憂などとのツーショットのポスターが多いですね。
アニメディアでも「けいおん!」の特集は多く組まれていました。
直近のアニメージュ2010年グランプリは「イナズマイレブン」
「どの子もみんなかわいいです!」とは宮尾監督のコメント。
展示されていた棚の最下段には、歴代のアニメージュ、アニメディア各紙が年代別に置かれていました。表紙をざっと見ていくだけで、その年代のトレンドや画風が見えてきてかなり興味深いです。
創刊当時から現在までの「アニメディア」表紙の移り変わり - YouTube
アニメージュのふろくだけを並べた棚にはたくさんのふろくがありましたが、今ではなかなか聞けなさそうな話が載っている「アニメよ、いったいおまえに何ができるのか?」という小冊子が目を引きました。
こちらはアニメディアのふろくを集めた棚。
アニメのパロディ漫画を掲載した小冊子「パロメディア」も複数用意されています。
壁には各誌からピックアップされたポスターが掲示されていました。広い年代をカバーしているので、当時好きだった作品の絵を見つけることができると思います。
この「マチ★アソビ vol.7」での展示のために、アニメージュやアニメディアのバックナンバーを寄贈してくれた有志たちのメッセージが掲示されていました。
ufotable近藤プロデューサーも寄贈していました。
別の場所には白い紙にマチ★アソビのロゴがあしらわれたものがはられていて、寄せ書きもできるようになっています。
雑誌よりも年下の平成生まれの人からアニメージュと同い年の人まで、さまざまな人がこの展示会やマチ★アソビについての熱い思いを書き綴っていました。もしまだ見ていないというマチ★アソビ参加者がいたら、こんな機会はめったにないのでぜひのぞいてみてください。
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