王者決定までわずか1ポイント、決定的瞬間を目前に行われた2011年F1世界選手権日本GP
今年のF1世界選手権はレッドブルのセバスチャン・ベッテルが開幕から圧倒的な強さを見せました。ベッテルは昨年のワールドチャンピオンなので強いのは当然なのですが、他のドライバーたちに比べて頭一つ抜けた状態で戦いを繰り広げ、第10戦のドイツGPで4着に敗れるまで、初戦から第9戦まで連続で表彰台を確保(1着6回、2着3回)。ドイツGPの次のレースであるハンガリーGPから再び表彰台に上がり続け、9月26日に開催されたシンガポールGPでは、自身が1位になり、ライバルであるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が4位以下、ジェンソン・バトン(マクラーレン)とマーク・ウェバー(レッドブル)が3位以下であればもはやポイントを逆転する可能性がなくなりチャンピオンが決定するという状況にこぎつけました。
しかし、このシンガポールGPではバトンが好走。ベッテルが1位になったものの、バトンが2位に入ったため、あとベッテルが1ポイント獲得すれば他のドライバーがチャンピオンを獲得する可能性がなくなるというギリギリの状態で本日の日本GPを迎えることになりました。
2011 FORMULA 1 JAPANESE GRAND PRIX Provisional Results
たとえ誰が優勝しようと自身が10位以内に入ればワールドチャンピオンになれる状態のベッテルですが予選でも全く手を抜くことはなく、しっかりと先頭位置であるポールポジションを獲得。多くのレースでそうしてきたように、他を凌駕するスピードで逃げ切っての勝利を狙います。
ベッテルからは大きくポイント差が開いていますがまだ可能性はゼロではないというバトンは2番手を確保。3番手にはバトンのチームメイト、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、4番手にはフェリペ・マッサ(フェラーリ)が入りました。母国GPでのいい走りが期待される小林可夢偉(ザウバー)は7番手からのスタートになりました。
ベッテルはスタートをきれいに決めて、予定の通り先頭をひた走りますが、2回目のピットのタイミングでバトンに抜かれて2位に後退することに。この間にアロンソが3番手に浮上し、バトン、ベッテル、アロンソという並びに。
シンガポールGPなどで何かと因縁のあるハミルトンとマッサはこのレースでも接触、マッサがフロントウイングの翼端板を破損してしまいます。取れた翼端板がコース上に落下してしまい、また同時に別の箇所にも破片が置ちていたことから、24周目にセーフティカーが入り、バトンはベッテルにつけた差を失うことになります。
再スタート後、バトンはベッテルを一気に引き離し、数周後には2秒の差をつけることに成功。さらに3回目のピットストップのタイミングで、ベッテルはアロンソにも抜かれることになってしまいます。
先頭を逃げ続けることになったバトンをアロンソが追いかけますが、最後まで順位は入れ替わらず、バトンが優勝。バトンは2000年からF1ドライバーを続けており、12回目の挑戦でこれが初めての日本GP優勝となりました。また、ベッテルは3位に入り、ここで2年連続のワールドチャンピオンを獲得することが決定となりました。なお、小林可夢偉は入賞圏内ギリギリで戦いを続けましたが、13位でレースを終えています。
チャンピオンは決定してもレースは続きます。残るレースは10月16日開催の韓国GP、10月30日開催のインドGP、11月13日開催のアブダビGP、11月27日開催のブラジルGP。このうち、インドGPの開催される予定のサーキットは昨年、レース開催の直前まで工事中だったように見えた韓国国際サーキットのように、また工事の進捗が遅いという話が出ています。レースまで1ヶ月を切っていますが、大丈夫でしょうか。
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