取材

ソフトバンクが緊急会見、iPhone 4S料金プランなどを発表


ソフトバンクモバイルがiPhone 4Sの料金プランについて緊急記者会見を開催しました。

ソフトバンクモバイル、10月14日より「iPhone 4S」を発売

iPhone向け新キャンペーン「アレ コレ ソレ キャンペーン」、10月14日より開始

◆緊急記者会見の全貌

記者会見は、先日亡くなったAppleの創業者でiPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブズへの追悼ムービーからスタート。


think different


iPhone 4Sの予約受付はスティーブ・ジョブズの意志を汲んで、本日16:00から開始することを表明。さらに、iPhone 4発表時点でiPhone 4S、さらに次のiPhoneまで仕込んでいることを明かしました。


「iPhoneは製品というものではなく芸術作品の域に達している、そのような情熱や思いを毎回感じていた。本当の感動を提供するために、本当に美しいものを作るために、99%の満足では決してものを出さない、心底納得のいくものを出そうとするスティーブ・ジョブズを応援したいというのが孫正義の気持ち」と、ソフトバンクの社長を務める孫正義が語ります。


3年前のiPhone 3G発売当時を振り返る孫。


3年間でさまざまなiOS製品が登場しました。


そして2011年10月14日にiPhone 4Sが発売されます。


従来モデルとの性能比較


iPhone 4Sの本体価格は世界で最も安い価格に。いずれも月月割適用後の月額価格ですが、16GBモデルが0円、32GBモデルが480円(計1万1520円)、64GBモデルが880円(計2万1120円)となります。64GBモデルの本体価格は本来月額960円になる予定だったとのことですが、急遽880円に値下げしたそうです。なお、料金プランは従来通り。


同じくiPhone 4Sが発売されるau版との比較。ソフトバンクモバイルはW-CDMA採用で下り最大14.4Mbpsに対して、auはCDMA2000採用で下り最大3.1Mbps。


最大のポイントとしてソフトバンクモバイル版はダウンロード中の着信が可能という点が挙げられています。

・オンラインゲーム中、W-CDMA版は着信後に再開可能
・逆にCDMA2000版ではログアウト扱いになる
・CDMA2000版ではネットオークションでも競り合いの最中に切れる
・株取引中でも同様


まとめるとこんな感じ。


電波改善宣言の進捗状況を説明


従来に比べて基地局数が大きく増えたことをアピール


接続率調査ではNTTドコモ、KDDIが97%、ソフトバンクモバイルは96%にまで迫っています。


外部協力会社調べによると、NTTドコモ並の接続率を誇るとのこと。さらに、自宅非圏外率もNTTドコモかKDDI並みに改善したというデータもあるそうです。


また、Wi-Fiアクセスポイント数はKDDIが1万なのに対して10万に達したと表明。競合他社との比較が多めの会見です。


さらなる電波改善として……


「1兆円の設備投資(2年間)」


「900MHz帯の獲得」を行うとのこと


iPhoneを購入するとiPad 2を月額0円から利用できる「(iPad専用)ゼロから定額プラン」に加入可能となる「アレ コレ ソレ キャンペーン」を11月30日まで実施。孫社長いわく「いわゆる林檎割」とのこと。


また、iPadユーザーの約4割は1ヶ月あたりのデータ通信が100MB未満となっていますが、その100MBまでのデータ通信が0円になるそうです。


さらに既存iPhone(iPhone3G、iPhone3GSが対象、iPhone 4は対象外)のユーザーがiPhone 4Sに機種変更する際、今まで使っていた機種の割賦残金を0円にする「実質無償機種変更キャンペーン」を11月30日(水)まで実施へ。おそらく10月、11月に既存のiPhoneユーザーが他社iPhoneへ乗り換えることを防ぐためのキャンペーンだと思われます。


最後はスティーブ・ジョブズへの感謝の意を示して終了。


質疑応答

TBS
先ほどもご説明にありましたが、プラン発表が遅れた理由と、auさんがネットワークの強さをウリにしているのに対して、SoftBankさんのウリは?というところをお聞かせください。

孫:
プラン発表が遅れたというより、もともとこの時間にやろうと思っていました。ぎりぎりまで、ひとりでも大勢の人にお届けしたいということで。

経営的な数字からすると、ここまで出してしまっていいのかという話もありましたが、ひとりでも多くの人にこの感動を届け、われわれのできることをやりたかった。


2つ目の質問ですが、SoftBankにとってのウリとかそういう次元のことではなく、とにかくこの熱い思いを社員全員、販売店のスタッフを含めて、われわれは一番大切にしていきたいと思っています。

KNN.com
iPhone 4Sの予約についてですが、某量販店さんでは予約整理券を配布しています。お客様は16時の券を受け取って、また発売後にお店に行けばよいのでしょうか。つまり、予約しないと買えないのかという質問でもあります。

孫:
例年、当日販売分というのが若干分ありますが、それこそコンサートのチケットでもそうですが、全体の数量の中では限られたものになります。一番確実に手に入れる方法としては予約をされた方が優先的に確実に手に届きやすいです。

司会:
当日売りはただ今検討中ですので、基本的には予約をしていただく形になります。

KNN.com
販売台数については潤沢に用意されているのでしょうか?

孫:
台数は精いっぱい用意したいと思っておりますが、どのくらいお客様から注文が殺到するのかというところがあります。毎回世界中で取り合いになっています。「今回はキャンペーンもあることだし、SoftBankにたくさんくださいね」ということは精いっぱい(Appleに)言っています。

フリーひだか
さきほどスライドで通信速度が14.4Mbpsで非常に高速とありましたが、かなり電波の状況がよく、ネットワークが空いている時でないとこの高速化の恩恵が受けられないのではないかと考えられます。スマートフォンの通信速度について、どのような形でこれから改善していくのでしょうか。

孫:
有線の回線は1人ごとに専用で割り当てられていますが、無線の場合は電波の基地局から大勢の人に、同時に先ほどのスピードのものが共有されています。同時に大勢の方が接続している際にはそれを分け合うことになるので、最大速度がそれくらいだ、ということです。同じ場所でも時間帯によって、また場所によってはもちろん速度は違いますが、少なくとも端末側の設計仕様で上限はそれぞれ決まっています。ただ、もちろん今までよりも、さらに通信環境がよくなる場所が多くなるとは思います。

フリーはしもと
もう少しジョブズさんとのエピソードなどをうかがいたいのですが、出会いのきっかけなどは?また、追悼イベントなどはされるご予定はあるのでしょうか?

孫:
スティーブとはいろいろな場所ですれ違ったり程度のことはあったのですが、じっくりと座って話し込むようになったのは彼がAppleを追われて、これから戻ってくるというタイミングだったんです。まだ心の傷が癒えていない状況の時ですね。目はらんらんと輝いていましたが、心は満身創痍といった感じで……。

実は、以前から親しくしていたオラクルのラリー・エリソンさんの紹介がきっかけで話をするようになりました。ラリーが私に「Appleが倒産しそうだ。私は社外役員になったが、復活させる方法はただひとつだと、役員会で机をたたいて叫んできた。あの天才を呼び戻すしかない、と。それがスティーブだ。今度3人でも食事でもしよう」ということで、ラリーの自宅でスティーブと3人、満開の桜の花を見ながら話し込みました。それからですね、お互いの自宅を行き来するようになったのは。

ビル・ゲイツさんやラリー・エリソンさん、それにGoogleのエリック・シュミットさんなどの方、すなわちシリコンバレーにおける一握りの人々との交友がありますが、みな共通して言うのは「スティーブは天才だ」ということですね。やっぱりこだわり方が尋常ではないですよね。


NHK:
3点お聞きします。今回のiPhone 4SはKDDIさんを意識した価格やiPad関連サービスがありますが、これまでも実績を残されてはいますが、販売でKDDIさんに勝つ見込みはありますでしょうか?

孫:
「情報革命を行う」という意味で言うと、同じ志を共有している1つの集団だろうという思いもあります。スティーブが生み出したこのすばらしい作品が1人でも多くの人にわたるのですから。われわれでは至らない部分もありますので、KDDIさんが一緒になって、より多くの人にお届けできるのはすばらしいことではないかな、と。もちろん、我々の至らないところはこれからも継続してがんばっていかなければならないと思っております。

NHK:
通信価格などの設定を変更されましたが、これを販売台数の状況を見て、今後フレキシブルに変更することは?

孫:
まだ始まったばかりですから、将来のことは将来のこととして検討したいですが、こういった思いを何としても実現したいというところです。

NHK:
年末商戦に向けた新端末としてAndroidの端末をかなり増やしていますが、iPhone 4Sの料金体系を見ると存在感が薄れているようにも感じられます。Android端末の料金体系もiPhone 4Sと同じく変更されるご予定はありますか?

孫:
全然違うアプローチにはなりますが、情報革命を行っていく上で、さまざまな技術の革新が生まれるということは、健全な競争というものはいつの世も大切だろうという風に思います。それが人々により素晴らしい感動を伝える原動力にもなるかと思いますので、Androidについてもしっかり取り組んで行きたい、多くのユーザーのさまざまなニーズを継続してカバーしていきたいと考えています。

週刊ダイヤモンドこじま:
2点お聞きします。割賦販売のお客様の移行が簡単にできるとのことですが、流動化した債権の放棄は可能なのでしょうか?

孫:
具体的な方法論については財務の方でしっかりと検討しておりますので、この何週間かですでに十分に検討済みで、方法論を実践していくことになろうかと。経営の数値としては読み込み済みとなります。

週刊ダイヤモンドこじま:
ジョブズ氏に経営者として学んだ点はなにかあるのでしょうか?

孫:
スティーブから学んだことは事業というよりは人生の生き様といいますか、そういう点について非常に学んだことがたくさんありました。生きている年月の長さというよりは、限られた1回の人生で何をなしたか。何をなそうとして精いっぱい生きたか。そのことの方がはるかに大切だと学びました。

毎日新聞・乾
KDDIさんとの併売ということで、同志として推し進めていくという言い方もありますが、SoftBankがかつて挑戦者だったように、新たな参入で競争が起こります。この競争に対する孫さんの考えをお聞かせください。

孫:
物事で競争のない世界というのはなかなかないと思います。SoftBankは、創業以来常にチャレンジャーとして競争を仕掛ける側にいます。競争はあって当然で、その中で精いっぱい生き抜いていこうとかんがえています。

刺激を受けるということはその分健全な緊張がより高まりますので、さらに自分たちが頑張っていかなければいけないと思っています。何にでも常にチャレンジしているという方が合っていると思いますので、おおいに頑張って行きたいと思います。


日経新聞きど:
今回KDDIさんとの併売による販売台数やARPUの見通しはどうなっていきますでしょうか?また、増収増益を目指しているシナリオについて、どのような影響があるのでしょうか。また、iPhoneに関するドコモさんの動きについてはどのようにシュミレーションされていますか。

孫:
いろいろな健全な競争はありますが、市場を拡大することになるのではないかと思っておりますので、われわれの経営の利益や見通しについて大きな変更はなく、着実に増益させていきたいです。業界全体の価格競争は昔からありまして、どちらかというとSoftBankはいつも仕掛けている方なので、従来通りかと。

日経PC金子
先ほど月々割を含めると世界一安いというお話がありますが、本体価格についてはKDDIさんの方が安いように見えます。手元にあるもので見ますと、32MBが1万……おそらく月額×24ヶ月でもすこし高くなるような。

孫:
データ定額の通信料が570円安くて、端末の実質負担が月々20円われわれの方が高い、と。でもデータ通信料が安いので、合算するとまあ、われわれの方が安いと……

テレビ朝日:
パケット定額の料金の維持に関しては、どのようにお考えでしょうか。

孫:
世界中にネットワークのトラフィックがひっぱくしてきておりまして、倍々ゲームでデータ容量が増えているので常に気に掛けています。ですが、今現在パケット定額の料金をすぐにいじくるということは何ら決まっておりません。ただ、この件については5年ほどまえから常に気に掛けています。

フリーこやま:
iPhoneの拡大、iPhoneを人々に広くという意味ではSIMロックフリーにして、SoftBankさんの端末の恩恵を受けつつ、ドコモさんのSIMを挿すこともできるようにした方がいいのではないかと思いますが、その点についてお考えをお聞かせ下さい。

孫:
SIMロックはわれわれがかけているのではなくて、iPhoneには解除する機能もロックする機能もあります。Appleさんが営業方針としてコントロールしている部分です。ですからドコモさんの問題はドコモさんとAppleとの問題で、われわれが口を出すべきことではないと思います。

ダウジョーンズおおさわ:
ジョブズ氏についておうかがいしたいのですが、単にApple社内での後継者という意味ではなく、「彼のような人がまた現れるのか」というのを疑問に思っている人も多いのですが、ジョブズ氏の後継者はこれから現れるという風にお考えですか?また、ご自身が後継者としての志を持たれていたりしますか?

孫:
ジョブズはジョブズ1人であって、ジョブズの前にジョブズなし、ジョブズの後にジョブズなしという固有の歴史的人物だと思います。そういう意味では、何人も彼を置き換えるということはないと思います。

けれども、一方でジョブズと会うときはいつもティム・クックと一緒に会ってきました。ティム・クックはジョブズの哲学や思いを一番共有している人物。世界中の誰よりも彼と理念を共有しているのはティム・クックです。だからスティーブはティムを選んだんだと、こう思います。

日刊工業新聞こがねざき:
KDDIからもiPhoneを発売するということで、au発売決定後にティム・クックさんとは2回お会いしているかと思いますが、auでの展開については何かお話されたのでしょうか?

孫:
いつ、何度会ったかということについてはコメントすべきではないと思いますが、ティムもスティーブも私の大切な友人で尊敬する人物ですから、これからも変わらず大切な方々だと思っています。

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in 取材,   モバイル, Posted by darkhorse_log

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