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Windows 8で「スタートスクリーン」として生まれ変わるスタートメニューの歴史


2012年に登場するとみられる最新OS「Windows 8」には、スタートメニューの代わりにスタートスクリーンという機能が搭載されます。Microsoftでは1995年にリリースした「Microsoft Windows 95」以降、長らくスタートメニューを採用し続けてきましたが、一体どういう心境の変化があったのか、実際にMicrosoftの中の人、プログラムマネージャーのChaitanya Sareenさんによって解説が行われています。

Evolving the Start menu - Building Windows 8 - Site Home - MSDN Blogs

Microsoftにおいて、スタートメニューは「Windows 95」への導入のため1992年からデザインが始まりました。ユーザー環境としてはタワー型PCと15インチCRTが想定されていたころで、ウェブもまだ実験的なころ、スタートメニューはコンピューターでの仕事をどこから始めるのか明確にすべく、Windows 3.x系統で採用されていたプログラムマネージャーに代わって設けられました。タスクバーと統合されたポータルとなったスタートメニューは、プログラムを起動させるのに最も早い手段となりました。

Windows 95のスタートメニュー


スタートメニューはじわじわと進化を続け、たとえば「名前順に並び替え」ができるようになったり、Windows XPでは「よく使われているプログラム(MFUリスト)」が優先的に表示されるようになったりしました。Windows 7ではピン留めすることで、よく使われている中でも特定のプログラムを必ず表示させることができるようになっています。

Windows 7のスタートメニュー


しかし、スタートメニューには問題もありました。Windows XPでは「すべてのプログラム」を開くと、大量にソフトなどをインストールしていた場合非常に縦長のメニューとなり、画面の狭いラップトップユーザーだと誤ってプログラム選択前にメニューを閉じてしまい、再びスタートメニューを開かなければならないという事態が発生。これを解決するため、Windows Vistaからは「プログラムとファイルの検索」メニューが追加されました。これにより、さらにプログラムを実行させるまでの速度は向上しましたが、一方で、検索結果にプログラム以外に電子メールや各種ファイルなども表示されてしまうため、必ずしも便利だったわけではありません。

この「スタートメニューにはまだまだ改良点がある」という点を、ユーザーからのフィードバックも受けて洗練させていった結果、Windows 8では「スタートスクリーン」を導入した、ということだそうです。

Microsoftでは、スタートメニューがどのように使われているのかということについて細かく調査を行いました。その結果、スタートメニューの右側にある特殊フォルダ(ドキュメントやピクチャ)へのリンクはWindows VistaとWindows 7を比べると、7での使用率は50%以上ダウンしていました。同様に、よく使うプログラムとしてピン留めしているアイテムの数もVistaより7の方が少なくなっており、そもそも、スタートメニューを開くこと頻度が11%低下していたことがわかりました。11%というと少数に見えますが、Windowsは何億人もの顧客を抱えるOSであり、その中でも普遍的な要素であるスタートメニューの利用度が目に見えて低下しているということになります。

Windows VistaとWindows 7を比較した際の、特殊フォルダへのアクセス減少割合。「ピクチャ」が最も使われなくなったフォルダでアクセスは61%減少、ドキュメント、コントロールパネル、ピン留めされたプログラムも50%以上のアクセス減となっており、そもそもスタートメニューへのアクセス自体が11%減少しています。


では、数値の低下は何によるものなのか。Microsoftは、これを画面最下部にある「スタートバー」によるものだと考えています。タスクバーが発展して好きなプログラムやフォルダをピン留めできるようになったこのスタートバーは、1997年に登場した「Internet Explorer4.0」のQuick Launch(クイック起動バー)から現れたもの。ちなみに、Windows XPではクイック起動バーは初期設定では非表示となっていました。これは、MFUリストが使用されるだろうという考えで実行されたもの。しかし実際は逆だったというわけです。

こちらがそのデータ。スタートメニューにピン留めしているプログラムの数で、「0」というユーザーが40%。もちろん10個以上ピン留めしているというユーザーもいますが、ほとんどのユーザーはごく僅かな数しか使用していませんでした。


一方、こちらはタスクバー(スタートバー)にピン留めしているプログラムの数。最多はなんと「3」で30%。0というユーザーは非常に少なく、多くのユーザーが複数のプログラムをスタートバーにピン留めしているようです。


実際、SareenさんがITのプロフェッショナルのもとを訪れると、タスクバーがアイコンでぎっしりになっていることが珍しくありません。中には、コントロールパネルのように、スタートメニューを開けばすぐアクセスできるようなものでも、タスクバーにアイコンが並んでいるということもあります。Internet Explorer 9を使っているとウェブサイトをピン留めすることもできるので、さらに利便性が向上します。タスクバーは1024×768の解像度であっても、22個のアイコンを表示させておくことができます。さらにジャンプリストを駆使することで、220のファイルやフォルダへのアクセスが可能です。

これはつまり、タスクバーはスタートメニューに代わる形で進化してきたということになります。タスクバーはスタートメニューの持っていた弱点を浮き彫りにし、スタートメニューには以前ほどの価値がなくなったとも言えます。

こうして重要なランチャーと化したタスクバーと、貧弱であることが明らかにされたスタートメニュー。しかし、これは同時に「スタート」が生まれ変わる機会にもなりました。スタートメニューはこうして、現代の「スタートスクリーン」になった、というわけです。

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