「レバ刺しの外食提供は当面自粛」と厚労省が呼びかけ

by nipotan

富山県の焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で提供されたユッケを食べた客が死亡するなどした集団食中毒事件を受け、厚生労働省は飲食店に対して、当面レバ刺しなどの生レバーを使った料理を客に提供しないように指導することが分かりました。

時事ドットコム:牛の生肉「表面加熱を」=罰則付き衛生基準案示す-生レバーは当面禁止・厚労省

「レバ刺し」提供自粛を 食中毒防止で厚労省 - 47NEWS(よんななニュース)

生食肉:表面加熱を義務化 牛肉処理業者対象、罰則付き基準--厚労省部会了承 - 毎日jp(毎日新聞)

本日7月6日、厚生労働省は牛生肉の表面を加熱殺菌することなどを盛り込んだ基準案を薬事・食品衛生審議会部会に示し、了承されました。今後、内閣府の食品安全委員会と同審議会の議論を経て、10月にも食品衛生法に基づく衛生基準を新設する予定で、それまでは生レバーを当面提供しないよう飲食店を指導し、基準を設けるかどうかの議論を年内に始めるとのこと。基準が設けられれば、違反業者に対して肉の回収を命じたり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科したりすることができるようになります。


1998年に設けられた現行ガイドラインによれば、牛肉を生で提供する際には「焼肉酒家えびす集団食中毒事件」で一躍有名になった、肉の表面を削り取る「トリミング」という作業を行うことが求められていますが、トリミングでは細菌の除去が不十分だと判断し、今回新たに基準案を提出するに至りました。

厚労省が今回提出した基準案では、牛の生肉に付着している可能性がある腸管出血性大腸菌O111O157などの大腸菌やサルモネラ菌を取り除くために、肉を密閉容器に入れて湯に漬け、表面から1センチ以上の深さを2分間以上60度で加熱し殺菌することが必要だとしています。また同程度以上の効果がある別の加熱方法も認めるとの見解を示しています。この加熱処理は食肉処理施設などでの加工段階で行い、飲食店には加熱済みの肉を取り扱うよう求めるとのこと。

ただし、毎日新聞の報道によると、業者や飲食店が加熱部分をそぎ落とし、生の部分だけを客に提供することは可能とのこと。業者による加工や飲食店での調理については「生食用と加熱用の設備を明確に区分し、調理器具も生食専用のものを用いる」と定めたそうです。

また、牛生肉のガイドラインとは別に、厚労省は牛生レバーの危険性を指摘。牛の肝臓には食中毒の原因菌「カンピロバクター」が表面だけでなく内部にも付いているケースがあるため、食中毒を防ぐには中まで十分に加熱するしか方法がないとしていて、2007年にはすでに「生食用での提供はなるべく控えること」との通知を出しています。

現状では提供の自粛となっていますが、新たな衛生基準についての議論次第では、飲食店が客に対して牛生レバーを提供することが法的に禁止されることもありうるとみられています。

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