バッファローの墓地で伴侶を亡くした抱卵中のグースを守るシカのボディガード
ニューヨーク州バッファローの墓地で、墓石に囲まれて立つ石造のつぼにすっぽりおさまり、卵を温めるカナダグース(カナダガン)の母鳥。カナダグースは一度つがうと通常一生添い遂げる一夫一婦制の鳥で、抱卵中のメスを外敵から守るのはオスの役割なのですが、この母鳥はパートナーを亡くしてしまったため、寒空の下卵を守って離れることができず、非常に無防備な状態です。
そこへ、1匹のシカがどこからともなく現れると、1週間以上にわたりグースのそばを離れることなく無言でじっと周囲へ目を配らせ、ボディガード役を買って出たそうです。シカとグースに芽生えた世にも珍しい友情が、注目を集めています。
写真や動画は以下から。Bambi Protects Mother Goose | Environment | North Buffalo News
ニューヨーク州バッファローの墓地で話題となっている珍しい光景。動物たちの保護のため、墓地の名は明かされていません。
人や犬などが近づくと、シカは立ち上がり、接近する者を威嚇するかのようにグースとの間に立ちはだかるそうです。
このグースを守るシカの姿をとらえたニュース映像を以下から見ることができます。
Deer stands guard over nesting goose - NBC-2.com
墓地の汚れや損傷を防ぐため普段は犬を使って鳥を追い払っているという管理人は、1匹のシカが墓地内のあるエリアに毎日あらわれることに気付きました。グースの巣となっている石つぼに管理人が近づこうとすると、威嚇するかのようにシカが立ちはだかったそうです。
抱卵期のグースの母鳥は接近する人間に対し攻撃的になる場合が多いのですが、このシカとの間には信頼関係が築かれているのか、まるでディズニー映画の一場面のような実におだやかな時間が流れています。
野生動物の専門家も「こんな話は聞いたことがない」と語っています。シカとグースの間にコミュニケーション手段はないものの、どういうわけかこのシカは、グースが守ってくれるパートナーをなくした無防備な状態であることに気付き、助けを差し伸べることにしたのではないかと考えられるそうです。
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