ハードウェア

決して主流になることは無く、歴史の表舞台から姿を消した非常に個性的な記録媒体いろいろ


HDDやフラッシュメモリ、そしてBlu-rayディスクなど、今日さまざまな大容量の記録媒体が普及していますが、決して主流になることは無く、歴史の表舞台から姿を消していった非常に個性的な記録媒体いろいろです。

多くの人が一度は見かけたことがあるようなものから、人の目に触れることもほとんど無いままひっそりと消えていったものまで幅広くラインナップされており、興味深い内容となっています。

詳細は以下から。
1:2インチのフロッピーディスク(ビデオフロッピーディスク)


1981年にソニーが試作し、その後他社からもリリースされた「電子スチルビデオカメラ」用の記録媒体。記録容量は720KBで、1989年に登場したノートパソコン「Zenith Minisport」の記録媒体としても採用されました。

2:マイクロドライブ(Microdrive)


2003年にコンパクトフラッシュと同じサイズで発売された超小型HDD。発売当初は1GBモデルが一般的で、当時普及しつつあったフラッシュメモリと比較しても1MB当たりのコストパフォーマンスが高かったものの、フラッシュメモリの大容量化・低コスト化が進んだことでコストパフォーマンス面でマイクロドライブに追いつき、活躍の場が無くなることに。

なお、2006年には0.85インチの超小型HDD(容量は4GB)を採用した携帯電話「W41T」が発売されたものの、その後HDDを採用した携帯電話がリリースされることはありませんでした。

3:Optical Card


キヤノンが手がけたとされる光学メディア。表面の記録層にデータを記録する方式を採用しており、容量は2MB。CD-R同様、一度書き込んだデータは削除不可で1990年代初頭に医療情報を書き込むためのメディアとして試験的に導入されたものの、すぐさま姿を消しました。

4:3インチのフロッピーディスク


ソニーが主導した3.5インチのフロッピーディスクの対抗馬としてパナソニック(旧松下電器産業)が1983年に導入した規格。片面あたり約140KBの記録が可能で、1980年代後半にヨーロッパのコンピュータ市場で25%のシェアを占めたイギリス企業「Amstrad」の記録メディアとして採用されたものの、主導権を握ることはないまま消えていきました。

5:磁気バブルメモリ


駆動部品が無く、消費電力が少ないことを売りにしたカートリッジタイプの記録媒体「磁気バブルメモリ」。1980年代前半に発売されたシャープのノートパソコン「PC-5000」などに採用され、128KBの記録容量を実現していましたが、一般ユーザーには普及せず、商用利用でのみ活躍しました。

6:Apple Twiggyディスク


Appleが1983年に発売した本体・ディスプレイ・外部記憶装置一体型パソコン「Apple Lisa」の記録媒体にはアクセスウィンドウを2つ採用することで記録密度を上げた「Twiggy(ツイギー)」と呼ばれる5.25インチのフロッピーディスクが搭載されていました。

「Twiggy」は871KBの記録容量を誇っていましたが、信頼性が低かったため、1984年に登場した「Apple Lisa」の新型「Apple Lisa 2」ではソニーの3.5インチフロッピーディスク(記録容量は400KB)ドライブを採用。その結果「Twiggy」はお役ご免となりました。

7:MOディスク


レーザーを使ってデータの再生・記録を行うCD-Rとは異なり、レーザーを使ってデータを読み取り、レーザーと磁場を使ってデータを書き込む「光磁気ディスク」のMOは1988年に登場。CD-RやDVD-Rのように主流の規格とはなれませんでしたが、ニッチな市場で生き残りました。

なお、2009年にはMOディスクを生産していた三菱化学メディアがディスクの販売を終了することを発表しています。

8:PCjr向けROMカートリッジ


1984年に発売されたIBM製コンシューマ市場向けローエンドパソコン「PCjr」に採用された記録媒体。表計算ソフト「Lotus 1-2-3」を収録したカートリッジがリリースされましたが、容量は少なく、さらに他のメディアと比較してコストも高かったため、人気は急速に失われました。

9:フロプティカルディスク


1992年に導入された、従来の3.5インチフロッピーディスクと互換性を持つ高容量ディスク。特殊な磁気素材や高精度なヘッドを採用することで21MBのデータを記録可能になりましたが、フロッピーディスクの上位規格として大々的に普及することはありませんでした。

10:ZXマイクロドライブ


1983年にSinclair Researchがリリースした家庭用パソコン「ZX Spectrum」に採用されたテープ式のドライブ。200インチ(約5メートル)の磁気テープを採用することで幅1.3インチ(約3.3cm)の小型カートリッジであるにもかかわらず85KBの記録容量を実現。

他のテープ式メディアと比較してデータ転送速度が高速であったものの、テープの摩耗速度が速く、より信頼性の高い記録媒体へとユーザーのニーズは移り変わりました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
FD・CD・DVD・Blu-ray・HDD、どんどん大容量になっていく記録媒体の進化の歴史「Evolution of Storage」 - GIGAZINE

「テラバイト級の光ディスク」を実現へ、ソニーなどが世界初の青紫色超短パルス半導体レーザーを開発 - GIGAZINE

容量はBlu-rayの200倍でコストも激安、新たな光ディスクの材料が発見される - GIGAZINE

従来の限界を超えた大容量HDDへつながる「マイクロ波アシスト磁気記録方式」の基本技術が開発される - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.