「四畳半神話大系」が大賞を受賞、全11話一挙上映も行われる第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門展示

ノイタミナで放送されていた「四畳半神話大系」が第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞を受賞しました。優秀賞は映画「マイマイ新子と千年の魔法」と「カラフル」、短編アニメ「わからないブタ」と「フミコの告白」の4作品が受賞。奨励賞には3Dマペットアニメの「THE WONDER HOSPITAL」が選ばれました。
各作品、原画やイメージボードなどの展示が行われているほか、それぞれ会場にて映像上映が行われています。
詳細は以下から。
アニメーション部門の大賞はノイタミナで放送された「四畳半神話大系」。

イメージボードや絵コンテが展示されていました。

台本、第1話の後半あたりの部分ですね。

小津の悪魔的な表情が生き生きと描かれている原画。

本作のヒロイン、明石さん。

とてもクールな女性ですが、蛾を見ると「ぎょえええ!」と普段のイメージが崩壊するような声をあげます。

こちらはキャラクター設定。

明石さんが髪をあげたところはかなり珍しい気がします。

優秀賞に選ばれた「マイマイ新子と千年の魔法」(片渕須直監督)。

美しく彩色されたイメージボードの数々


こちらは絵コンテ。作品の冒頭、新子が麦畑の中で空想を膨らますシーンの流れです。


キャラクター設定。原作者・髙樹のぶ子さんの子どものころを舞台にしているので、服装などが現代とはかなり異なっています。下段左側の諾子(なぎこ)は新子の空想の中に登場する、平安時代にこのあたりに住んでいた女の子。

東京から転校してきたということで、貴伊子はかなりオシャレですね。

防府を俯瞰した一枚。中央に広く国衙(こくが)が描かれているなど、現代とは違う平安時代の防府の姿です。

直角に曲がった川。新子と貴伊子はこの川から、平安時代の防府の想像を膨らませていきます。

新子が上級生・タツヨシとともに丁々発止のやりとりをすることになる港開地。現代の盛り場とはちょっと雰囲気が違います。

優秀賞作品、「わからないブタ」。和田淳さんによる短編アニメです。


これが原画。ザラ半紙に0.3mm芯のシャープペンシルで作画をした、というかなり独特な作品。



けっこう不気味な雰囲気が漂っています。

優秀賞作品、原恵一監督の「カラフル」。


プレスシートは大学ノートのようなデザインです。

多彩な登場キャラクターたち。

作中で真が描いていた絵。

優秀賞作品、「フミコの告白」。2009年にインターネット上で大きな話題となった作品です。


設定いろいろ。

これはポスター。

フミコのデザインいろいろ。基本的なイメージは一貫していますが、いろいろな頭身を試したようです。

同じように、タカシのデザインもいろいろ。

そして決定したフミコのデザインがコレ。「まさにスタンダード」と書かれており、ポイントは脚線美にあるようです。

ダイナミックなレイアウト。

企画段階から、段々になった町の中を駆け抜けていくというイメージに基づいて肉付けがされていった様子が分かります。

ダッシュしてきたフミコと出会った猫のリアクションなど、アニメーションのアイデアが盛り込まれていっています。



これは原画でしょうか。

絵コンテ、ラストシーンに近いところです。

奨励賞作品、「THE WONDER HOSPITAL」。


3D&パペットアニメーションで作られています。これが登場したパペットのうちの1体。


不思議な病院の中。

病院内には得体の知れない生物がたくさん……。

審査委員会推薦作品はずらっと9作品。

吉浦康裕監督「イヴの時間 劇場版」

舛成孝二監督「宇宙ショーへようこそ」

河森正治監督「劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~」

谷川流原作/石原立也総監督「涼宮ハルヒの消失」

中村誠監督「チェブラーシカ」

黒坂圭太監督「緑子 / MIDORI-KO」

麻枝准原作/岸誠二監督「Angel Beats!」

中村光原作/新房昭之監督「荒川アンダー ザ ブリッジ」

高橋良輔監督「装甲騎兵ボトムズ 孤影再び」

アニメ部門の作品はそれぞれのコーナーでちょっとした映像が見られるほか、会場(国立新美術館3F講堂・東京ミッドタウン)にて無料上映が行われています。特に、「四畳半神話大系」は全11話の一挙上映が行われる事になっているので、機会があれば足を運んでみて下さい。
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