取材

監督自らが映画の舞台を案内してくれる「マイマイ新子探検隊」に参加してきた~午前編~


マイマイ新子と千年の魔法」は2009年11月23日に公開された映画で、公開当初はあまり話題になったとはいえない作品ながらもじわじわと口コミで評判が広まり、12月19日から26日にかけてラピュタ阿佐ヶ谷で行われた「大人のためのマイマイナイト」は連日満席御礼状態。これを受けて、1月からアンコール上映が開始、現在にいたるまで日本各地でのロングラン上映が続いています。

「マイマイ新子探検隊」は、そんな「マイマイ新子と千年の魔法」の舞台である山口県の防府(ほうふ)をめぐる舞台探訪イベントで、監督である片渕須直さんが自ら案内役になるというファンにとってはたまらないイベント。3月6日に探検隊の第3弾が行われたので、どんなイベントなのか参加してみました。

レポートは以下から。
イベントは9時に防府駅そばにあるルルサス防府に集合とのこと。高速道路を使ったり、前日から防府のホテルに泊まっているという人も多かったようですが、大阪からだと当日の新幹線で間に合うので、当日の鉄道移動をチョイス。久々にひかりレールスターに乗りました。


徳山駅でひかりレールスターを降り、山陽本線に乗り換えます。


新山口行きの普通電車。115系4両編成。


新南陽駅で操車場を見かけました。


さらに西へと向かう電車。この日は天気が悪く、せっかくの海岸線があまりきれいに見られなかったのが残念。


防府駅に到着。現在は高架駅となっていますが、映画の中ではまだ山陽本線は地平を走っており、駅名も防府ではなく三田尻でした。


次の電車は貨物列車のようです。


駅から徒歩3分でルルサス防府に到着。思った以上の「マイマイ新子」プッシュにちょっと驚き。


参加するともらえるパンフレットなど。


この手作りパンフレットにはこれからの探訪先でもらった栞を挟めるようになっています。


集合写真用のパネル。イベント時以外も使われているのでしょうか。


ということで、小雨の降る中、探検隊は町へ繰り出しました。写真左が片渕須直監督、右は防府市文化財郷土資料館長で、文化財課長の吉瀬氏。作品の舞台になった要所要所でお二人による解説が行われました。


コレは防府駅てんじんぐちから北を望んだところ。

大きな地図で見る

このように、映画のパネルも用意され、今の防府と映画の中の防府を見比べながら楽しめました。


駅から防府天満宮へ向かう途中にある天神銀座商店街。


アーケード左側のお店は昭和30年代の雰囲気をそのまま残しているようです。


アーケード内に貼られていたマイマイ新子ポスター。


ここは映画とは関係ありませんが、かの伝説のアニメーター・金田伊功さんが防府に住んでいたころ通ったという模型屋。意外なところでつながりがあるものですね。


正面に防府天満宮が見えてきました。


そのちょっと手前にある路地。ここが、映画終盤に登場するバー・カリフォルニアのある路地のモデルだそうです。


路地の狭さと建物間に渡された電線が、いい雰囲気を出しています。


場所はこのあたり、実際にバー・カリフォルニアがあるという設定の港開地とはかなり離れています。

大きな地図で見る

迫戸川沿いに歩いて行くと、新子や貴伊子の通う松崎小学校がありました。


この道がまさに新子の通学路。登校シーンでは道の奥の方から手前に”緑の小次郎”と共に走ってくる新子の姿がありました。


学校のそばにあるアヒル小屋のあと。かつて、金田伊功さんはアヒルの飼育係だったとか……。


カーブがあまりにも見事なので、劇中にもそのまま登場させてしまったと片渕監督。


通学路からは逸れますが、山側にいくと畑の中を川が通っているところに出ます。


よく見ると……藤づるのハンモックがつられています。


映画を観た人ならピンと来るこの光景。映画の冒頭で新子が寝そべっていたり、仲良くなった新子と貴伊子が一緒に座っていたりしたもの。2009年12月に行われた「マイマイ新子探検隊2」のときはかかっておらず、「ここにかかっていたんですよ」なんて話をしていたそうですが、それを聞きつけてこっそり作った人がいたようです。なお、探検隊終了後に取り外されたそうなので、今は見られないかも。


場所はこのあたり。

大きな地図で見る

ハンモックのあった場所からちょっと歩くと佐波神社(さばじんじゃ)があります。


新子と貴伊子がジャンケンをして「グリコ・チョコレート・パイナップル」をしていた石段です。ここに登れば、桑畑を歩くシゲルとヒトシを見つけられるかも。


ということで、登ってみました。正面に見えるのは向島、その手前には協和発酵バイオやバイエルクロップサイエンス、FILWEL、ベルポリエステルプロダクツなどの工場があります。


歩いていると、あちこちとまではいきませんが、このように直角に曲がった川を見ることができます。


毛利氏庭園に到着。


映画冒頭の防府空撮シーンで、中央ちょっと上に映っている森に囲まれた庭園がココ。「マイマイ新子」の時代にはまだ一般公開されていなかったため、映画の中では登場しません。


うろうろしている途中で見かけた防長バスのバス停。作中でも国衙(こくが)のバス停が登場します。


なんてことはない、道ばたのお社に見えますが…


ここもちゃんと映画に登場。ポン菓子を食べる新子たちは、このそばに腰掛けていたわけです。


ということで、作品のキーポイントである周防国衙跡に到着。


作中と同じように、国衙跡の前でポン菓子を作ってくれるという大サービス付きでした。ポン菓子製作の様子は次の記事で紹介します。


お手製ステッカーを作ってきていた人がいたので、それを貼り付けての撮影。


このステッカーの通り、「マイマイ新子と千年の魔法」はシネマ・アンジェリカで3月13日から4月2日まで上映が行われます。


左奥が多々良山、右奥が大平山。写真には写っていませんが、さらに左手側には大海山があり、防府が山に囲まれた土地であることがわかります。


そのあとは昼食へ。「マイマイ新子のお弁当」ということで、小説「マイマイ新子」の中に登場した昭和30年代当時のメニューの一部を再現したものが出されました。


ささげ豆のおにぎり。ささげ豆は小豆の代わりに使われる豆。


みそ焼きおにぎり。


くじらカツ、アジ開きみりん焼き、タマゴ焼。


みかん。


そして、みかん入りの青い寒天。これは原作通りの品。なお、これらのお弁当メニューに対して、防府在住だという壮年女性グループは「これでも結構豪華なお弁当よ」と、昔を懐かしんでいました。


食事会場に展示されていた、各国での「マイマイ新子」ポスター。これは韓国語版。


こちらは英語版。


台湾国際児童フィルム祭に出品されたので、台湾版もあります。


「宮崎駿誠摯力薦、承襲大師繪風新鋭導演最強鉅作」。宮崎駿も推薦!王道を踏襲した新鮮な最強映画が登場…みたいな感じで紹介されているのでしょうか。片渕監督はかつて宮崎駿監督と仕事を共にしたことがあるので、その系譜を受け継いでいるというのはあながち間違いではないのかも。


さらに、続きます。

映画「マイマイ新子と千年の魔法」と同じように、周防国衙跡でポン菓子を作ってもらって食べてみた

監督自らが映画の舞台を案内してくれる「マイマイ新子探検隊」に参加してきた~午後編~

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「イヴの時間」に出てきた架空のコーヒー「イヴレンド」を実際に飲んでみました - GIGAZINE

劇中登場シーンをまとめた「ヱヴァンゲリヲン箱根補完マップ」、朝から長い列が出来上がった先行配布の様子 - GIGAZINE

箱根補完マップを使って「エヴァンゲリオン」の街・第3新東京市の舞台探訪に挑戦 前編 - GIGAZINE

箱根補完マップを使って「エヴァンゲリオン」の街・第3新東京市の舞台探訪に挑戦 後編 - GIGAZINE

in 取材,   映画,   アニメ, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.