犬が飼えないイスラム教徒の学生を助ける「盲導ポニー」
盲導犬は視覚障害者にとってよき友となるとともに行動範囲を広げ学業やキャリア上での選択肢を増やしてくれるものですが、イスラム教では犬は邪悪な生き物とされるため、ヨルダン移民で敬虔なイスラム教徒の両親を持つ視覚障害者のMona Ramouniさんは犬を飼うことはできませんでした。
そんなRamouniさんがミシガン州立大学の大学院でリハビリテーションカウンセリングを学び、障害を持った子どもを助ける仕事を目指すことができるのは、ポニーの「Cali」のおかげだといいます。
詳細は以下から。Blind student uses 'guide pony' - Telegraph
ミシガン州立大学の修士課程でリハビリテーションカウンセリングを学ぶMona Ramouniさん(30歳)がCaliと出会ったのは2年前のこと。2008年10月に引退したショー用ポニーのCaliを購入し専門のトレーナーのもとへ送り、CaliはRamouniさんに障害物を知らせるためひずめをタップしたり、道路で車を避けながらRamouriさんを誘導することや、歯でくわえて床に落ちた物を拾うことも覚えました。
いまではCaliはアメリカでも数少ない「盲導ポニー」としてRamouniさんの通学や毎日の生活を手助けしています。
体重約45kgほどのポニーは大型犬ほどの大きさですが、がっしりした体格で、歩行に困難がある人の支えとなることもできます。また、犬より長生きで、盲導犬が通常6~8年ほどで引退を余儀なくされるのに対し、ポニーは30年ほど元気に働くことができるという利点もあります。しかし、世話をするのは犬よりもずっと大変で、手間がかかる動物なのも事実。CaliがRamouniさんとともに大学へ通うようになった当初は、施設を汚したり学生の気を散らせ授業の邪魔になるのではないかとも懸念されたそうですが、実際にはCaliは驚くほどきれい好きでおとなしく、Ramouniさんのクラスメートの盲導犬とも仲良くやっているとのことです。
アメリカの大学として初めて「盲導ポニー」を受け入れることになったミシガン州立大学には、障害を持つ学生や職員の可能性を引き出し社会へ溶け込むことを支援する、国際的にも認められたセンターがあります。Shelley Smithson教授は「大学でのCaliや盲導犬Harperの存在は、日々の暮らしの中でも、目標を達成しようとする上でも、学生たちにいかに適応能力があるかを示してくれます」と語っています。
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