性格によって大きく異なる犬の行動パターン、あなたの飼い犬はどっち?
家を出る間際に飼い犬にすがりつかれたり、ほえられたりしてしまった経験を持つ飼い主は多いかと思いますが、それは犬との関係性の問題だけでなく、犬自身の性格によるものであるかもしれません。
前向きに物事を考える人を「ポジティブ」、どちらかというと悪い方へ物事を考える人を「ネガティブ」と言ったりしますが、そんな思考パターンの違いが犬の間にもあり、それによって行動がまったく変わってくるということが分かりました。
犬の性格を判別した実験の内容は以下から。
Dogs can be divided into an optimist or pessimist | Mail Online
科学者は、水の入ったえさ入れを使った実験によって、犬にもポジティブ思考の持ち主とネガティブ思考の持ち主がいるのだということを証明しました。例えばドアから飼い主が出ていこうとした時、ポジティブ思考の犬は、すぐ飼い主は戻ってくるだろうと考えます。一方、ネガティブ思考の犬は飼い主に置いてけぼりにされてしまうと慌てるのです。
犬と一緒に暮らしている飼い主にとって、犬にも人間と同じかそれ以上にはっきりとした性格があることは常日ごろ感じていて、別に驚かないかもしれません。しかし、この発見は、ある犬は飼い主がいなくなることに喜びを感じ、またある犬は飼い主と離れることに不安を覚えるのかという謎を解明する手がかりになると思われます。
Bristol Universityの研究グループに属するMike Mendl教授はこう語ります。「動物の感情を観測する方法を研究することで、そこで得た発見を人間の心理についても応用することができます。ポジティブ思考の人々は、良し悪しの判断が難しい状況をに遭遇した際、状況を良い方向にとらえがちです。これは、犬の場合も同様に当てはまります。」
実験は2つのペットシェルターで行われ、計24匹の犬を研究対象としました。まずは1匹ずつ一人ぼっちにしてみて、その時にほえたり、ドアをひっかいたりして「置いて行かれるのを怖がるかどうか」を見極めます。その後、えさ入れのボウルが部屋の特定の位置に置かれた時、その中にはエサが入っていると覚えるよう訓練され、また別の場所に置いた時には、ボウルの中は空だという風にも教え込みました。
このような訓練を経た後にはエサが入っている位置と入っていない位置のちょうど中間にボウルを置いた時のふるまいを観察し、エサが入っていると思って喜んだ犬はポジティブ思考の犬と分類され、また、エサが入っていないと思っているようなふるまいをした犬はネガティブ思考を持っていると考えられました。「the journal Current Biology」誌上では、置いてけぼりを嫌う犬は実験でネガティブ思考と判断される可能性が高いとされました。
Mendl教授は、「英国の犬の約半数は、飼い主に置いて行かれることによって、排せつしたり、ほえたり、また家中の物を壊したりするかもしれません。」Mendl教授は言いました。「我々の研究は、こういった振る舞いをする犬が、ネガティブ思考にもとづく判断を下していることを示しているのです」
飼い主とひとときでも離れる場合にほえたりする犬は日本においても少なくないと思いますが、それが犬の本能ではなく、いわば思考パターンのようなものだとするなら、もしかしたら人間とも同じように、生育状況などによってポジティブ思考になるかネガティブ思考になるかが分かれていくのでしょうか。今後の研究が待たれるところです。
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