フェラーリの象徴、V型12気筒エンジンを作るイタリアの職人芸

フェラーリの612スカリエッティはボディの大型化による居住空間の確保と、低く配置されたV12エンジンにより、まさに「グランドツアラー」の名にふさわしい乗り心地を作り出しており、イギリスの自動車に関する話題を扱うTV番組「TopGear」の辛口プレゼンター、ジェレミー・クラークソンも「最高の車を求めそこにたどり着いた後、次に乗るのは612スカリエッティだ」と絶賛するほど。この高性能を支えるエンジンはどのようにして作られているのでしょうか。最新の機械と職人の手作業がコラボレーションしたムービーを見てみましょう。
詳細は以下。
フェラーリでは、基本的に1台のエンジンの組み立ての最初から最後までを1人のエンジニアが担当、各工程のチェックを行なっているとのこと。動画を見れば分かりますが、単純にチェックといってもその量は膨大になってくるため、いったいどれくらいの手間がかかるのか分かりません。
これがフェラーリ・612スカリエッティのエンジン「ティーポ133E」。ボア89mm×ストローク77mmと、同系列のエンジンの中ではロングストロークとなっており、7250rpmで最高出力540PSとなっています。現在の原付だと180台分くらいでしょうか。
YouTube - Ferrari V12 Engine


溶鉱炉でどろどろになるまで熱します。

溶かしたらゴミを取り除きます。

砂型作り。

細かい修正は手作業で行なわれます。

型を組んで鋳造の準備。

ここに先ほどの溶けた金属を注いでいきます。

ここにも手作業。

型から抜いて

レントゲン検査が行なわれ、内部に亀裂が走ったりしていないかどうかのチェックが行なわれます。

ポート内部も内視鏡で1つ1つ確認。

フェラーリエンジン工場。歴代のエンジンが展示されています。

工場内は植物が配された明るい空間となっています。

摩擦軽減のために油をかけながらの切削加工。

ヘッド面も研磨。

ピストンの縦の動きを回転運動に変える重要な部品、クランクシャフトを仕上げていきます。

その後焼き入れ。

ポートの仕上げも手作業。

吸気・排気バルブを受けとめるバルブシートと呼ばれる金属リングの圧入。

キンキンに冷やしてわずかに収縮されたバルブシートをポートに挿入します。温度が戻ると膨張して外れなくなるというわけ。単純な作業ですが、全バルブ48個分となるとものすごい手間であると考えられます。

燃焼室を研磨仕上げ。わずかな仕上げの違いが性能に現れる部分でもあるため、経験が必要になってきます。

アセンブリーが完成したら、ラッピングして車体工場へ運ばれます。

ピストンと、それをクランクシャフトに接続するコンロッド。計12個。

焼き入れの済んだクランクシャフトを挿入。

ピストンをシリンダーに挿入。

ゆっくり動かしてすり合わせ作業。

DOHCなのでカムシャフトは片バンク2本の計4本。

だんだんエンジンの形になってきました。

外装の組み立て。

1つ1つの工程はIDカードで担当者を記録しているようです。

このまま床の間に飾っておきたい美しさ。

エンジン単体での動作テスト。

かなりの回転数で動かしています。

排気管が真っ赤に焼けるほど。テストなのによいのでしょうか……。

これでエンジンは完成。

車体に搭載していきます。

載せてからもまだまだテスト。

塗装が済んでも、担当者が最後までチェック。

ここまでやってようやく完成です。

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