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「マンガ誌の作り方変えてみました。」とスタートした新マンガ雑誌「コミックギア」、第3号が出版中止に


どのマンガ雑誌でも形は違えど、マンガ家と編集者がアイデアを出し合ったりストーリーの方向性を模索したりして作品を作り上げていくというスタイルは同じなのではないでしょうか。ところが、編集者抜きで作られたマンガ雑誌があってもいいのではないか、という逆転の発想で作られたのが「コミックギア」でした。

「ドージンワーク」「マンガ家さんとアシスタントさんと」で知られるヒロユキ氏が製作総指揮を担当した本誌は「マンガ誌の作り方変えてみました。」というコピーで2009年8月に創刊、2009年11月には第2号が刊行され、以後隔月刊化される予定でしたが、2010年1月に発売予定だった第3号が出版中止となり、企画自体も中止となったことが明らかになりました。

詳細は以下から。
コミックギアvol.3 出版中止のお知らせ - コミックギア

コミックギア制作部日記:いままでありがとうございました。

製作総指揮のヒロユキ氏によると、企画中止に至った理由はいろいろとあるものの「こうするのが、メンバーその他多くの人の為であると判断」したための決断だったそうです。


「コミックギア」は、編集の手を借りずにマンガ家だけで雑誌を作ろうというコンセプトに基づき、「連載作家全員が毎日1つの仕事場に集まり作業をし、漫画家同士が協力しあって作る」という今までにないスタイルで制作が行われました。掲載されていたのはヒロユキ氏自らが連載する「スーパー俺様ラブストーリー」のほか、「マシンガンソウル」(じゅら)、「GoodGame」(友吉)、「デスハート」(佐藤ユーキ)、「GHOST RUSH」(ユーゴ)、「ヒヨコと道化と不思議の町と」(とりねこ。)、「大魔王ザキ!!」(若林稔弥)、「ASHURA」(櫻井マコト)、「プリンセスサマナー」(九品そういん)。

第1号の発売時には作家総出で秋葉原に出向いて小冊子を配ったりしていたそうですが、雑誌としての評判は決して芳しくなく、マッチした人にはハマるものの、そうでない人には同人誌のようにしか見えないという批判を受けており、Amazon.co.jpのカスタマーレビューではかなり辛口評価を受けています

11月に刊行された第2号では、第1号で批判を受けた点がかなり改善されていたそうなのですが、続けていくのは難しかったようです。

なお、連載作品のうち、「GoodGame」は芳文社の他誌で春から初夏に連載再開予定で、「スーパー俺様ラブストーリー」も同様にして連載再開予定でしたがヒロユキ氏の事情により当面延期となるそうです。他のマンガについてはこのまま打ち切られるという形になりそう。

いったい何誌が戦いを繰り広げているのかわからないマンガ雑誌業界の中で、新興雑誌が生き残っていくのはそう簡単なことではなかったようです。

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in メモ,   マンガ, Posted by logc_nt

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