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64回の爆弾処理ミッションを成功させてきた伝説の兵士、休暇目前のミッション中に戦死


路肩爆弾(IED)は安価で効果が高いことから、戦地で猛威を振るっており、それを解体する爆弾処理班の仕事は増すばかり。敵の攻撃を警戒しながら、たった1つのミスすら許されない爆弾処理を行う任務の過酷さは、昨年公開された映画「The Hurt Locker(原題)」でも余すことなく描写されています。

そんな中、アフガニスタンで64回の爆弾処理に成功し、帰国前に最後の作戦に参加していたイギリス軍の兵士が65回目の爆弾解体に失敗、命を落としたそうです。

詳細は以下。
Army bomb disposal expert killed on final day of Afghanistan tour | Mail Online

64個もの爆弾を解体してきたイギリス軍のオラフ・シュミット曹長は、2週間の休暇を控えた作戦の最終日にアフガニスタン最悪の激戦地の1つ、ヘルマンド州のサンジンで爆発物処理班の指揮をとっていたところ、処理中のIEDが爆発し命を落としました。シュミット曹長は、イギリス軍にとって2001年10月以来224人目の戦死者でした。

在りし日のシュミット曹長。イギリスで爆発物処理の訓練中。


任務について「精神的にも肉体的にも過酷」と語っていたそうです。


シュミット曹長は1996年に入隊、高危険度IED処理の資格を得た後アフガンニスタンに従軍。特殊部隊と任務をともにすることもあり、ある時には一回の作戦で31個もの爆弾を発見したこともあるそうです。上官で対爆発物タスクフォースの指揮官、ガレス・ベックス中佐は「彼ほど『伝説』という呼び名にふさわしい兵士はいない。彼は常に死を見つめ、多くの兵士の命を救ってきた」とコメント。

妻のクリスティーナさんは「どうにもならないほどの大きな悲しみを感じている」とコメントしながらも「夫が戦地で多くの命を救ってきたことがせめてもの慰め」としています。

IEDを爆破処理している様子。以前「路上爆弾から生還するムービー」で紹介したように、凄まじい威力の爆弾がそこかしこにしかけられておりアフガニスタンは未だ危機を脱していません。


現在イギリス軍では、マスチフ装輪装甲車が不足しているため兵士は本国で十分な訓練ができないまま戦地に行かざるを得ないとのこと。マスチフは対爆発物性能を強化しているため安全性が高まっていますが習熟しなければ性能を発揮することができません。

ビル・ラメル国防担当相は「戦地に一台でも多く早く送り出すほうを優先している」とコメントしています。

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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