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海外のプロバイダで「BitTorrent」の無差別転送規制がついに始まる


海外のインターネットプロバイダの一つである「Comcast」がP2Pのファイル共有プロトコル「BitTorrent」の転送を無差別規制し始め、海外のユーザーを中心に話題になっています。BitTorrentはLinuxのISOイメージなどの大容量ファイルを効率的に転送したり、映画祭で公開された映画のムービーファイルを共有するのに使われるなど、かなり合法的利用が多いだけに、転送しているファイルの中身が合法か違法かを識別せず無差別に規制する今回の措置について、ネット上で議論が起きています。

詳細は以下の通り。
Comcast Throttles BitTorrent Traffic, Seeding Impossible | TorrentFreak

Slashdot | Comcast Hinders BitTorrent Traffic

もしもプロバイダがパケットの中身をフィルタリングなどで識別し、違法なファイルを共有して転送しているため、それを理由にして転送量規制を行うといったことは海外では可能かもしれないらしいのですが、BitTorrentには転送する際にパケットを暗号化するという機能があり、それで暗号化している分については中身がどのようなパケットかわからないために今までは規制の対象ではありませんでした。


ところがComcastはそういった暗号化されたパケットであっても無差別に規制を開始、BitTorrentに関する全通信を次々と遮断しているようです。

なお、BitTorrentのクライアントとして高機能であることで有名なAzureusのWikiには世界各国のプロバイダについて、どこがどのような規制を実施しているのかをまとめた表があります。

Bad ISPs - AzureusWiki

ポート番号による単純な規制から、ポート番号を変更しても追跡して規制してくるタイプ、あるいは時間によって速度規制を行っている場合などなど、いろいろなパターンがあるようです。

ちなみに日本の現状はどうなのかというとこんな感じ。

ISP規制情報Wiki
http://isp.oshietekun.net/

日本の場合、転送量を規制していないプロバイダはほとんど無いのが現状で、なおかつ特定のP2Pソフトウェア、たとえばWinnyなどについてはさらに通信遮断を行うというのが非常に多いようです。ひどいプロバイダになるとP2P以外のメールやFTPなども規制に引っかかると一緒にまとめて規制するというむちゃくちゃなことを平然と機械的に行うという例もありました。最近はさすがにそういうめちゃくちゃな規制は減っているようですが……。

ソフトバンクモバイルが携帯電話の広告について表現に行きすぎがあったと言うことで注意されるなら、厳しい通信規制を実施しているにも関わらず「ブロードバンドで光なら使い放題!」とかああいうキャッチフレーズで客を釣っているプロバイダも同様に指導や注意、警告が成されるべきなのでは?特に通信量の規制を明確に「週~~GB以上転送した場合は規制」とか書いてあるならまだしも、規約などを見ても明確に書いていない場合はあまりにも悪質なのではないかと。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse

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