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フランス政府がZoom・Google Meet・Microsoft Teamsなどを国産ツールの「Visio」に乗り換える方針


フランスの公務員および国家改革を担当する公共活動・公会計大臣付公職・国家改革担当大臣を務めるダヴィド・アミエル氏が、フランスのデジタル省庁間総局(DINUM)が開発したビデオ会議ツールの「Visio」を、2027年までに政府機関で導入すると発表しました。非欧州ソリューションの使用を廃止し、強力かつ独立したツールを活用することで、公共の電子通信セキュリティと機密性を保証する狙いです。

Souveraineté numérique : l’État généralise « Visio », sa solution de visioconférence sécurisée et souveraine à destination des agents publics – Presse – Ministère des Finances
https://presse.economie.gouv.fr/souverainete-numerique-letat-generalise-visio-sa-solution-de-visioconference-securisee-et-souveraine-a-destination-des-agents-publics/


La France veut remplacer Microsoft Teams et Google Meet par « Visio », un outil souverain pour les appels vidéo - Numerama
https://www.numerama.com/cyberguerre/2167301-la-france-veut-remplacer-microsoft-teams-et-google-meet-par-visio-un-outil-souverain-pour-les-appels-video.html


現地時間の2025年1月26日、フランスのアミエル大臣は、DINUMでディレクターを務めるステファニー・シャー氏とフランス国立科学研究センター(CNRS)のアラン・シュー副所長と共に、CNRSの細胞統合生物学研究所(I2BC)を訪問し、Visioを政府機関が利用する唯一のビデオ会議ツールとする戦略を発表しました。

フランスの政府機関では、記事作成時点でMicrosoft TeamsZoomGoTo MeetingWebexなどさまざまなビデオ会議ツールが利用されています。これについて、アミエ大臣は「これはデータセキュリティの弱体化、外部インフラへの戦略的依存、追加的な財務コストの発生、省庁間の連携の複雑化といった問題を引き起こしている」と指摘。そこで、今後数年間で、政府が管理し、フランスの技術を基盤とする統合ソリューションを段階的に導入することで、デジタルレジリエンスを強化することが狙いであると、アミエル大臣らは主張しています。

Visioは2025年にパイロットプログラムとしてスタートし、記事作成時点で既に4万人の常用ユーザーを抱え、フランス政府の職員20万人にも利用されているというビデオ会議ツールです。

Visio
https://lasuite.numerique.gouv.fr/produits/visio


CNRS、フランス国民健康保険基金、公共財政総局(DGFiP)、軍事省は、2026年第1四半期までにVisioを全国規模で導入する最初の政府機関に選出されました。CNRSは、2026年3月末までにZoomをVisioに置き換える予定。なお、CNRSでは3万4000人の職員と、研究ユニットに所属する12万人の研究者が働いています。

フランスの国家デジタルセキュリティ戦略担当部局であるANSSIの支援を受けて導入されたVisioは、公務員のニーズに合わせた機密保持保証機能を提供可能。技術的な特徴として、以下の3つが挙げられています。

・ANSSIによってSecNumCloudと認定された、Dassault Systèmesの子会社であるOutscaleがデータをソブリンホスティングする。
・フランスのスタートアップ企業であるPyannoteが開発した、話者分離技術を使用したAIによる会議の文字起こし機能を搭載。
・2026年夏までに、フランスのAI研究機関であるKyutaiが開発した技術を活用し、リアルタイム字幕表示機能を実現する予定。


Visioを導入するとなると、Zoomをはじめとする有料ソフトウェアライセンスを廃止することが可能であるため、大幅なコスト削減も期待できます。アミエル大臣らは、ライセンスソリューションから切り替えるユーザー10万人につき、年間100万ユーロ(約1億8000万円)のコスト削減効果が見込めると言及しました。

フランスメディアのNumeramaは、Visioを「100%フランスのソリューション」「単なるZoomのフランス版ではなく、複数のフランス製レイヤーで設計されたソフトウェア」と表現しています。

しかし、同時に「課題は山積」とし、「TeamsはMicrosoft 365スイートに含まれており、Zoomは日常会話で動詞として使われるようになり、Google Meetは簡単なリンクから利用できます。これらのツールを排除するのは容易ではありません。習慣を変えるのは難しいからです」と指摘しました。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii

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