「宇宙の最後」には一体どんなことが起きるのか?
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現在の宇宙には数え切れないほどの星や銀河が広がっており、いつまでもこの状態が続くかのように思われますが、いつの日か宇宙にも終わりがやってきます。そんな「宇宙の最後」には一体何が起きるのかついて、科学系YouTubeチャンネルのKurzgesagtがアニメーションで解説しています。
The Last Thing To Ever Happen In The Universe - YouTube
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ビッグバンによって始まったとされる宇宙は、水素やヘリウムのガスで満たされた非常に高温の場所でした。
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その後、宇宙にはガスを元にして無数の星が形成されました。星を形成するガスは循環し、星が消滅しても新たな星の形成に使われます。
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しかし、新たな星が形成されるたびに、赤色矮星と呼ばれるタイプの何兆年もかけてゆっくりと燃える星も増えてきます。
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赤色矮星は死ぬと白色矮星という形態に移行し、ガスの循環をストップさせてしまうとのこと。
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さらに、中性子星やブラックホールといった星の成れの果ても、ガスを永久に閉じ込めてしまいます。
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つまり、新しい星の形成に使用できるガスの残量は次第に減っていき、やがて新しい星が形成されない時代に到達してしまうというわけです。
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この宇宙が作ることが可能な星の90%以上は、すでに作られているそうです。
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今後数千億年はさまざまな天体が共存する状態が続きますが、やがて惑星や活動が活発な恒星は消滅していき、最終的には赤色矮星だけが残ります。
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しかし、それでもまだ宇宙の終わりではありません。
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今から数兆年後に宇宙のガスはすべて枯渇し、銀河の質量の約88%が白色矮星、2%が中性子星とブラックホール、そして残る10%が巨大ガス惑星と褐色矮星になるとのこと。
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白色矮星は古い星の死骸であり、大きさは地球ほど。しかし、質量は太陽の約半分かそれ以上だそうで、中性子星とブラックホールに次いで宇宙で3番目に密度が高い天体です。
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表面温度は太陽よりはるかに高い15万度に達することもあります。
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しかし、白色矮星は暗く、熱く、密度が高いだけの球体であり、最終的には熱を失って死にます。これには少なくとも10兆年もの時間がかかるとのこと。
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白色矮星が冷えきって、宇宙そのものと同じくらい暗くなった状態を黒色矮星と呼びます。
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膨大な時間をかけて、銀河のすべての物体は虚空へ放り出されるか、軌道が減衰してブラックホールに吸い込まれます。
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数百京年の間にすべての銀河は蒸発し、観測可能な物体はなくなります。
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しかし、その間も宇宙の終わりに向けて進行するプロセスが存在します。たとえばブラックホールは、ホーキング放射によって徐々にエネルギーを失い、最終的に光を残して消えてしまいます。
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これには10の100乗年という途方もない時間がかかるとのこと。
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仮にブラックホールからエネルギーを取り出すことで生き永らえていた生命体や機械がいたとしても、ブラックホールの消滅と共にその命は終わります。
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これでもまだ宇宙は終わりではありません。すでに外から観測できない状態になっている黒色矮星の中では、奇妙な物理現象が進行しているそうです。
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黒色矮星は地球ほどの大きさの天体であり、重さは太陽と同じくらい。
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しかし、その表面温度は絶対零度に近いほど低温です。
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本来であれば星としての質量を維持することができないはずです。それにもかかわらず、黒色矮星がブラックホールにならず形を保っているのには理由があります。
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黒色矮星の奥深くでは、物質が地球上で見られる物体の何百万倍もの密度に圧縮されています。
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圧力が高すぎるため、電子は原子核と結合して原子を作ることすらできません。その代わり、原子核が圧力によって硬い格子に閉じ込められ、電子はその間にプラズマを形成します。この電子が星を結びつけているとのこと。
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満員電車にいる人が押しつぶされないように踏ん張るように、圧力にさらされる電子は重力に逆らって押し返すため、黒色矮星はその形を保てるのだと説明されています。
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さらに、黒色矮星の中では量子のトンネル効果によって原子核同士が結合し、原子が生まれるというプロセスが非常にゆっくり進行します。
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1回の反応が起きてから次の反応が起きるまで数十億年~数兆年もの間が空きますが、気の遠くなる時間をかけて原子核の結合は着実に進んでいきます。
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ブラックホールが死ぬまでには10の100乗もの時間がかかりますが、黒色矮星が原子を作るプロセスに比べれば大した時間ではありません。
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不条理なほどの時間をかけて、融合を繰り返した黒色矮星の原子核はより重い原子になっていきます。最終的にケイ素が融合して、ニッケルの同位体であり放射性物質でもあるニッケル56が作られます。
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ニッケル56は不安定な原子であるため、やがて崩壊して鉄になります。この際、電子の反粒子である陽電子を放出します。
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陽電子は電子とぶつかって対消滅を起こします。
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これによって、満員電車のような黒色矮星を支える電子が次第に少なくなっていくとのこと。
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黒色矮星はどんどん鉄の球に置き換わっていき、同時に自らを支える電子を失います。
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10の1000乗以上の時間が過ぎた後、ついに黒色矮星は自らの質量を支えられる限界を超えてしまいます。
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最終的に、まるで銀河のような光を放ちながら黒色矮星は崩壊します。
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これが「宇宙の最後に起こること」だそうです。
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もちろんこれは途方もない未来の話であり、今のところ宇宙は地球上の生命が安心して暮らせる場所となっています。
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