Yahoo!とマイクロソフトなどがYouTubeに対抗する動画サイト設立を発表
世界最大のSNSであるMySpaceを買収した「News Corporation」とアメリカの3大ネットワークの1つである「NBC」が手を組み、Yahoo!やマイクロソフトなども協力して、あのYouTubeに対抗するための動画サイトを設立すると発表しました。
NBCは既にYouTubeに番宣動画を提供するなどの協力体制を敷いていただけに、今後のYouTubeの展開は一気に不透明なものとなり、さらに今回の発表によって「Google vs その他」という形になることがもはや避けようのない展開になるのではないかと海外でもささやかれ始めています。
詳細は以下の通り。
Slashdot | NBC, News Corp Join to Create YouTube Clone
News Corp. and NBC announce partnership to create YouTube competitor (updated)
A new YouTube from NBC and Fox - Mar. 22, 2007
この提携にはYahoo!とマイクロソフト以外に、タイムワーナーやAOLも含まれており、設立される動画サイトの名前はまだ未定であるものの、今年の夏には開始予定となっており、多くのテレビ番組や映画を含むものになるとのこと。
それも、一部を公開という形ではなく、全編をフルに提供するという形で検討されており、今までの中途半端な既存の著作権の権利にとらわれていては到底実現できないようなものを展開することを考えているらしく、要するに「今のYouTubeではできないこと」を実現させることを目的としているようですので、直接的にぶつかる可能性については予断を許さないものの、これが最終的にはインターネットの歴史において重要な意味を持つようになるのかもしれません。
提供するスタイルは基本的に広告を表示することによって「無料」とすることを考えており、広告主としては大手のナショナルクライアントであるインテルやゼネラルモーターズなどと既に契約済み。さらにこれらのムービーはMySpaceやMSN、Yahoo!を通じても提供され、プロフィール画面や自分のブログに直接、YouTubeのように埋め込むことも可能であるとしています。すごすぎ。
また、AOLによると1ヶ月で1億人のユニークユーザー数の確保を目標としており、そのためにGoogleと検索などの面で密接に協力することを模索していくとのこと。
今回のこの思い切った提携と新サイト設立の発表は、要するにYouTube対抗の手段であることに違いはないわけですが、なぜYouTubeを利用せずに新たにサイトを作るのかと言うところに各社の思惑があるようです。つまり、YouTubeを擁するGoogle主導によるコンテンツ提供では、テレビや映画各社が分散してしまう形となってしまうため、既存のコンテンツパブリッシャーであるメディア側があくまでも主催するという形を取ることで主導権を確保し、利益を創出していく、と。
今にして思えば、先のViacomによるYouTubeとGoogleへの訴訟も今回の発表への伏線なのではないかと……。
あるいは、Googleに買収されたとはいえ、コミュニティ主導で進んでいるYouTubeを嫌っているがために、既存の企業主導で展開が可能な新動画サイトを求めた、と考えることもできますが……。
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