メモ

海外の人が萌え絵に色を塗る方法チュートリアル


deviantART: Too's Tutorial IV -CG- by *toounit
http://www.deviantart.com/view/31184785/

日本のアニメ・マンガが文化的侵略として世界中にバラまかれまくっていることはもはや自明の理であり、世界中で日本人では想像不可能なぐらい親しまれているわけです。となると、もちろん日本のいわゆるアニメっぽい絵柄のお絵かきをする人もドンドン増えるわけで。ところが、海外のそういう人が描いたものと日本のお絵かきする人が描いたものを見比べると何かが違う。だが一体どこがどのように違うのかという理由が、素人では判別できません。

というわけで、まずは違いリスト。
1.構図が違う
日本の美術の授業では教えられることもなく、美術の学校に行こうが美大に行こうが徹底的に教え込まれないものの一つに「黄金比」があります。海外の方が描く萌え絵はほぼ例外なく黄金比に忠実な構図ですので、奇抜さはないが安定感があります。

2.ハイライトの入れ方が違う
日本の映画と海外の映画、使うカメラは同一であるにもかかわらず完成する映像は雲泥の差。その原因はライティングです。真っ暗なシーンであってもものすごい数のライトを使って陰影をより深く付けて暗闇の表現をするぐらいです。それと同じで萌え絵にしても、一番暗い部分と一番明るい部分、つまりハイライトの入れ方が違うわけです。例えば髪の毛に光が反射してできる「天使のわっか」みたいな部分が顕著。光がどの方向から差すのかが考えられているのでのっぺりとした表現にはならないわけです。

3.色彩構成
上記チュートリアル画像を見ればわかりますが、ものすごく細かく色の設定を行うために試し塗りはするわ、絵の具で塗るのと同じ要領で混ぜ合わせるわ、色の組み合わせに非常に凝っているのが分かります。これはものすごく単純な話で、色彩の組み合わせの基本に忠実に色作りを行っているため。

4.立体構成
当たり前ですが、カメラは手前のものにピントを合わせれば奥のものはボケます。人間の目も同じです。なのに、絵だからと言う理由で手前にも奥にも同じように線をはっきりと入れると、すべてのものに焦点があったような感じになり、異常な感じをもたらしてしまうわけで。こういう点にも気配りしているのが作成方法の背景の描き方で如実に分かります。

5.人体デッサン
マンガやアニメ調であるにもかかわらず人体部分に関して一切手抜きが見えません。普通の体じゃないの?と感じるということは、それだけデッサン力が優れていると言うことに他ならないわけです。その上でうまい具合にアニメ風にデフォルメをかけているわけで。

ぶっちゃけ、プロであってもここまでの技量を持つ人は日本では多くありません。白黒のみの漫画的表現であれば一級品なのですが、カラー原稿になると途端にボロが出てきます。まず慣れていないこと。基礎の勉強をしていないこと。そして完璧にやり遂げるだけの時間がないこと。そのため、どうしても不完全状態になるわけです…。


こういう視点で描くスキルを判別していくと、日本で生まれた3次元空間を2次元平面に直して描くという手法が、遠近法をバリバリに使う平面恐怖症かと疑うばかりの海外の人の手によってどのような修正が施されているのかがよく分かって、見ているだけで楽しくなってきますね。

例えばコレは日本のアニメ風の絵ではまずお目にかかれない逆行表現を駆使したもの
http://www.deviantart.com/deviation/30992195/

服の布地の表現方法が明らかにデッサン的手法と遠近法を駆使しまくり
http://www.deviantart.com/deviation/23970988/

他にもためになるチュートリアルがイロイロ。
http://www.deviantart.com/deviation/29151189/
http://www.deviantart.com/deviation/27924069/

机の上もキレイキレイにしているようで。そりゃこんなチュートリアル作るぐらいだから…
http://www.deviantart.com/deviation/22625386/

断っておきますが、この人が非常にスキル的に優秀なだけで、みんながみんなこんなレベルと言うことはありません…。ただおしなべてスキルの上位保持者は日本のそれを大きく上回っています、確実に。日本人原作で絵だけあちらさんのを使えば最強だと思うのですがいかがでしょう?

ビバ日本文化。

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in メモ,   マンガ, Posted by darkhorse_log

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