一瞬だけ公開されたTwitterに似た競合アプリ「Threads」のAndroid版を調査して明らかになったこととは？

Twitterが突如として閲覧できるツイート数に厳しい上限を設けたことでユーザーが混乱する中、InstagramやFacebookなどを運営するMetaは、Twitterにとてもよく似ているとされる競合アプリ「Threads」をリリースしてTwitterのユーザーを取り込もうとしています。日本時間の2023年7月6日にリリースが予定されているThreadsについて、一瞬だけ公開されたAndroid版アプリの初期バージョンを調査してわかった点を、テクノロジー系メディアの9to5Googleが明らかにしています。

Threads, Meta's Twitter clone, starts countdown, plus new details
https://9to5google.com/2023/07/03/threads-instagram-app-countdown-plus-details/

日本時間の2023年7月1日夜、Twitterで1日に閲覧できるツイート数に厳しい上限が設けられました。その後、制限は徐々に緩和されているものの、事前告知なしに大規模な規制が入ったことでTwitter運営に対して不信感と危機感を抱いたユーザーは多く、少なくない規模のユーザーが移住先のSNSやプラットフォームを探し始めました。

Twitterが1日に閲覧できるツイート数に制限を設ける、イーロン・マスクは理由を「極端なスクレイピングに対処するため」と説明 - GIGAZINE

そんな中でMetaは、「Twitterによく似た競合アプリ」として以前から開発されていたSNS「Threads」を、7月6日にリリースすることを明かしました。ThreadsはInstagramをベースにしてテキストのみの投稿や会話を可能にしたアプリとなっており、移住先を求めるTwitterユーザーから強い注目を集めています。

「Twitterに似た競合アプリ」としてMetaが開発する「Threads」はApp Storeによると7月6日にリリース予定 - GIGAZINE

本来であれば、Threadsは7月末にリリースされる予定だったそうですが、MetaはTwitterの混乱に乗じてユーザーを獲得するためにリリースを前倒ししたとのこと。テクノロジー系メディアの9to5Macは、「多くのTwitterユーザーがこのプラットフォームに不満を抱いているため、Metaは新しいマイクロブログ・ソーシャルネットワークのローンチを急ぐことに決めました」と報じています。

9to5Googleは自社のAPK Insightチームの協力により、Threadsの公式サイトも発見したと報告しました。以下のリンクがThreadsの公式サイトであり、中央にリリース日時までのカウントダウンが表示されていることがわかります。

Threads
https://www.threads.net/

カウントダウンから逆算すると、Threadsのリリースは日本時間の7月6日23時(アメリカ太平洋時間で7月6日午前7時)となっています。ゆっくりと回転している背景のドットは、正しい向きで見ると「a」をイメージしたThreadsのロゴの形になっており、右下のQRコードを読み取るとiOSではThreadsアプリの公式ページが、AndroidではThreadsアプリへのリンクが掲載されたページが開きます。

Threadsはリリース前の2023年7月初頭、一瞬だけGoogle Playストアで公開されていたとのことで、APK InsightチームはAndroid版アプリの初期バージョンを詳しく調査したそうです。調査の結果わかった点について、9to5Googleは以下のようにまとめています。

・ThreadsではInstagramのフォロワーをそのままフォローできる
ThreadsはInstagramをベースにしたアプリとなっており、Threadsを始めたユーザーはInstagramでフォローしているユーザーを即座にフォローしたり、Threads上で非公開になっているユーザーにフォローリクエストを申請したりできるとのこと。InstagramでフォローしているもののまだThreadsを始めていないユーザーの場合は、Threadsに参加するまで保留状態になるそうです。

・Threadsアカウントを非公開にしている場合はInstagramのフォロワーも新たに申請が必要
自分のThreadsアカウントを非公開にしている場合は、Instagramで自分をフォローしているユーザーであっても、新たにフォロー申請を行う必要があると9to5Googleは述べています。Threadsアカウントを公開設定にしている場合は、誰でも自由にフォローすることが可能です。

・ThreadsとInstagramでは同じユーザー名と表示名を使用する
ThreadsのプロフィールはInstagramのプロフィールと強く結びついており、それぞれのアカウントは同じユーザー名と表示名を使用し、プロフィール写真もInstagramのものでなければならないとのこと。また、InstagramまたはThreadsで特定のユーザーをブロックした場合、もう一方のSNSでも同じユーザーがブロックされる仕組みとなっています。

・Mastodonをはじめとする分散型ネットワークとの接続は後日追加予定
Threadsは分散型ソーシャルメディアプロトコルであるActivityPubが実装される予定であり、Mastodonなどの分散型ネットワークにあるアカウントをフォローしたり、交流したりできるようになるとみられています。しかし、APK Insightチームによるとこの機能は「間もなく」追加される予定だそうで、リリース当初の時点では利用できないそうです。

・リプライ制限を設けて外部の分散型ネットワークのフォロワーに投稿を見せないことも可能
Threadsは分散型ネットワークとの統合で注目されていますが、Threadsへの投稿にリプライ制限を設けることで、外部の分散型ネットワークのフォロワーに投稿を見せないことも可能だそうです。

・Threadsにはウェブ版がある可能性
APK Insightチームがコードを調べたところ、Threadsにはウェブ版がある可能性も判明したとのこと。ウェブ版へのプロフィールリンクは、カウントダウンが表示されている「threads.net/」がベースになっていると9to5Googleは報告しました。