ハードウェア

AMD Radeon内蔵のIntel CPU正式発表、Max-Q GTX 1060並のGPU性能を極薄ノートPCで実現


IntelがAMD製GPUを搭載するCoreプロセッサーシリーズ「Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphics」を正式に発表しました。上位GPU「RX Vega M GH」搭載プロセッサーは、NVIDIAのMax-Q GTX 1060を上回るGPU性能を発揮します。

New 8th Gen Intel Core Processors with Radeon RX Vega M Graphics Offer 3x Boost in Frames per Second in Devices as Thin as 17 mm | Intel Newsroom
https://newsroom.intel.com/news/8th-gen-intel-core-radeon-rx-vega-m-graphics/

AMD Radeon内蔵のIntel CPU「Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphics」を実現したインターコネクト技術については以下のムービーを見ればわかります。

New Intel Core Processor Combines High-Performance CPU with Discrete Graphics - YouTube


ハイスペックのゲーミングノートPCには、強力なGPU性能を発揮するディスクリートGPU(dGPU)が搭載されていますが、dGPUはマザーボードに大きなスペースを必要としていました。


Intelが開発した「Embedded Multi-Die Interconnect Bridege(EMD)」によって、CPUとdGPUをより短い距離で高速に接続することが可能になりました。


Radeon搭載Coreプロセッサーの場合、Intel CoreプロセッサーにRadeon GPUとGPU用の高速なHBM2(High Bandwidth Memory 2)をワンパッケージ化して、省スペース化に成功しています。


そして、EMDインターコネクトによって高速化も実現しています。


Embedded Multi-Die Interconnect Bridegeの登場で、従来は大型のノートPCでしか実現できなかった強力なグラフィック性能を、2in1やタブレットPCなどの極薄筐体に納めることが可能になります。


つまり、モバイル状況下で3DゲームやVRコンテンツの利用が可能になるというわけです。


もちろん、「デスクトップPCやハイスペックノートPCを2in1端末で置き換える」ということも可能になります。


IntelはEMDインターコネクトを採用したAMD Radeonグラフィック内蔵CPU「Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphics」(コードネーム:Karby Lake-G)シリーズとして、「Core i7-8809G」「Core i7-8709G」「Core i7-8706G」「Core i7-8705G」「Core i5-8305G」の5種類のCPUを発表しました。いずれも4コア/8スレッドの高性能モバイルCPUですが、AMD RadeonのdGPUには24基のCompute Unit(CU)、1536基のStreaming Processor(SP)を搭載しベースクロック1063MHz/ブーストクロック1190MHzで4GBのHBM2を搭載する上位モデル「RX Vega M GH」と、20基のCU、1280基のSPを搭載しベースクロック931MHz/ブーストクロック1011MHzのスタンダードモデル「RX Vega M GL」の2種類があります。


3年前のハイエンドゲーミングPCで採用されていたIntel Core i7-4720HQとNVIDIA GTX 960Mを組み合わせたマシンとは比較にならないほどの高性能をCore Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphicsは実現します。


現行のモバイルCPU「Intel Core i7-8850U」にNVIDIAのGTX 1050を組み合わせたマシンに比べて、スタンダードGPUのRX Vega M GLでさえ、ゲームによっては40%もフレームレートを稼げるとのこと。Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M GraphicsがフルサイズのNVIDIA下位グラフィックボード以上のGPU性能を発揮できるとしています。


さらに、NVIDIAのMax-Qテクノロジーを採用するGTX 1060搭載マシンに比べてゲーミング性能でわずかに上回ることをIntelはアピールしています。なお、上位GPUのRX Vega M GHはCPU・GPUともにアンロックされておりオーバークロックが可能です。


Max-QはGPU側のコントロールだけでなくファンなどの冷却機構も含めたノートPC筐体全体でGPUを制御することで高いグラフィックを発揮するのに対して、ダイが密集するデザインのCore Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphicsは冷却機構はより単純なものでよさそうです。


Radeon RX Vegaグラフィックスには、4K/60fpsのエンコード/デコードに対応するRadeon ReLive機能を活用することが可能。さらに、Intel CPUの内蔵グラフィック(iGPU)「Intel HD Graphics 630」も無効化されていないので、QSV(Quick Sync Video)による高速エンコードも利用できます。


2in1に高性能グラフィック性能を持たせられるCore Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphicsですが、すでにIntelは小型デスクトップPC「NUC」への採用を決定。新型NUC「NUC8i7HVK」「NUC8i7HNK」を発表しています。


サイズは221mm×142mm×39mmで、「巨大なデスクトップPCの性能を手の平サイズに」というアピール。DDR4-2400 SO-DIMMスロット×2(最大32GB)、M.2スロット×2を搭載します。


フロントにSDXCカードスロット、USB3.0ポート×2、HDMIポート、USB 3.1 Type-Cポートを搭載。


リアには40Gbps対応のThunderbolt 3×2やMini DisplayPortとType-C型のDisplayPort 1.2、ギガビットLAN×2を搭載するなど、Oculus RiftなどのVRヘッドセットに十分対応できる構成になっています。


ハイエンドNUCではおなじみのスカルマーク入り。Core i7-8809Gを搭載する 「NUC8i7HVK」が999ドル(約11万円)、Core i7-8705Gを搭載する「NUC8i7HNK」が799ドル(約9万円)で2018年春に発売予定です。


・おまけ
HPのノートPC「Spectre 15 X360」 に、「Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphics」を搭載する新型が発表されています。Core i7-8705G、4K(3840×2160ピクセル)の15インチタッチ液晶を搭載するモデルは、最大12時間の連続駆動が可能です。プロセッサに含まれる脆弱性「Spectre」と図らずも同じ名前のSpectre 15 X360ですが、「Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphics」が脆弱性対応ソフトでどれくらいの性能になるのかにも注目が集まりそうです。

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