Googleの人工知能で食事や料理の写真からカロリーを自動計算可能な「Im2Calories」

by sea turtle

Googleは人工知能(AI)の開発に力を入れており、無人運転カーやドローンなど人工知能を使った様々なプロジェクトを進めていますが、食品の写真を分析してカロリーを自動で算出するAI「Im2Calories」が新たに発表されました。

Google's A.I. Is Training Itself to Count Calories In Food Photos | Popular Science
http://www.popsci.com/google-using-ai-count-calories-food-photos

グーグル、新AIプロジェクト「Im2Calories」を発表--食品の写真からカロリーを算出 - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/service/35065307/

2015年5月末週にボストンで行われたRework Deep Learning Summitにて、Googleの研究者であるケビン・マーフィー氏によって、「精巧な深層学習アルゴリズムを使って写真に写った食べ物を分析してカロリーを算出する」という新プロジェクト「Im2Calories」が発表されました。このプロジェクトには2014年に500億円で買収した謎の人工知能開発スタートアップ企業「DeepMind」の技術を活用しているとのこと。

Googleが謎の人工知能開発スタートアップ企業「DeepMind」を500億円で買収 - GIGAZINE

Im2Caloriesは、例えばお皿に載った料理の写真をスキャンすると、「卵2個、パンケーキ3枚、ベーコン2枚」というように写真に写っている食べ物の種類や数、大きさを個々に分析できるシステム。さらに料理に使われている調味料も判別できるそうです。また、Im2Caloriesは高解像度の写真でなくともスキャンすることができ、Instagramにアップロードされている程度の画質であれば十分だとのこと。

by Jessica Spengler

マーフィー氏によれば、「Im2Caloriesを使えば毎日の食事記録がつけやすくなり、食品を1つずつ書き留めていったり、料理のサイズに応じてカロリーを推測したりといった面倒な作業が必要なくなります」とのことで、例えばIm2Caloriesが卵焼きの写真をポーチドエッグだと誤認識した場合は、手動で料理名変更できるような「半自動化システム」の構築を目指しています。

by U.S. Department of Agriculture

Im2Caloriesは、写真の各ピクセルの深度を測って視覚的な分析を行い、パターン認識と結合させて、分析結果を膨大なカロリー情報と結びつけてカロリー量を算出するそうです。「現時点ではカロリーの算出結果に20％程度の誤差があるのですが、これから大人数の被験者に協力してもらってシステムの実験を行う予定で、1年後には誤差をほぼゼロにすることが目標です」とマーフィー氏は今後の展望を語っています。

サービスの詳細や提供開始日についてはまだ明らかになっていませんが、肥満大国アメリカでは特に役立ちそうなサービスとなりそうです。