「AlphaGo」に続いてGoogleのDeepMindが人間並みの知性を持つ「スーパーヒューマンAI」の開発へ

By GLAS-8

世界最強の棋士を下した囲碁AIを開発したGoogleの人工知能開発企業「DeepMind」が、「犬は猫を追いかける」といったオブジェクトの挙動を予測する、人間並みの認識能力を持つAIの開発を行っています。

DeepMind’s neural network teaches AI to reason about the world | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2134244-deepminds-neural-network-teaches-ai-to-reason-about-the-world/


Forget AlphaGo—DeepMind Has a More Interesting Step Toward General AI - MIT Technology Review
https://www.technologyreview.com/s/608108/forget-alphago-deepminds-has-a-more-interesting-step-towards-general-ai/

スーパーマーケットで最高のバナナを選ぶ時、人間は棚に並べられた複数のバナナを見て、「右のバナナは色がいい」「左のバナナはほかより大きい」などのさまざまな情報を処理しています。このような物体・言葉・アイデア間の因果関係を推論する能力は「関係推論(relational reasoning)」と呼ばれています。人工知能のカメラシステムは犬と猫を判別できますが、「犬は逃げる猫を追いかけるもの」という直感的な認識を持つことはできず、関係推論はAIにとって困難な能力とされています。

DeepMindの研究チームは関係推論のような人間並みの認識能力を持つ2つのシステムを開発し、それぞれの論文を発表しています。1つ目のシステムはオブジェクトのデータセット「CLEVR」を使ったもので、研究チームはシステムに機械学習で物体認識を訓練させた後、「1つのオブジェクトが別のオブジェクトの前にあるかどうか」「どのオブジェクトが最も近いか」などの位置関係を尋ねました。システムはこれまで開発されたいかなるシステムよりも劇的に優れた結果を残すことに成功し、場合によっては人間のパフォーマンスを上回ったとのこと。

もう一方のシステムは、同様に訓練された機械学習システムが、2次元で単純なオブジェクトの挙動を予測するというもの。これは1つ目の論文で使われたような「1つのシーン内のオブジェクトを推論する」より高度なものですが、人間は3次元で「飛んでくるボールの挙動を予測してキャッチする」といった複雑な処理を行っており、自動車を運転できるのもこれらの予測に基づいているため。ある心理学研究では、人間の持つ優れた推論能力を「直感的物理エンジン」と称しています。

By terrykimura

これらのDeepMindの機械学習システムは、局所的なタスクでは人間並みの認識能力を発揮できることを示していますが、いまだ目を見張るようなブレイクスルーに達しているわけではありません。ハーバード大学心理学部で知性について研究しているサム・ガーシュマン教授は「特定の機械学習タスクにおける超人間的なパフォーマンスは、『超人間的知性』を示すものではない」と話しています。しかし、今後の人工知能の発展において必要となる分野の研究であることは間違いなく、SF映画で見るような「超人間的AI」を実現する糸口になると見られています。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log