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Googleの自動運転車は自転車の「ハンドサイン」を認識して対処するレベルに発展

By Ed and Eddie Follow

人間が操作することなく、周囲の状況を把握しながら自律して走行できるGoogleの自動運転車(セルフドライビングカー)に、先行する自転車のライダーが示すハンドサイン(手信号)を認識して行動を予測する性能が加えられています。従来は車両や歩行者、障害物の存在を把握することで走行していた自動運転車ですが、最新のAIは自転車の行動を予測するに至っているようです。

(PDF)Google Self-Driving Car Project Monthly Report June 2016


Google's robot cars recognize cyclists' hand signals — better than most cyclists - Recode
http://www.recode.net/2016/7/5/12101360/google-self-driving-car-cyclist-bike-handsignals-report

Googleが月例で公表している「Google Self-Driving Car Project Monthly Report」の2016年6月版によると、Googleの自動運転車を制御するソフトウェアは、人が運転する自転車を特有のオブジェクトとして認識し、しかも片手を広げたり上に挙げたりすることで進行方向を示す「ハンドサイン」を認識する能力が備わっているとのこと。

以下の例では、自車の右斜め前を走っている自転車のライダーが左手を横に広げ、左折する意志を示しているのですが、処理画面に赤い矢印が示されているようにAIはこのサインで「自転車は左に曲がりたがっている」と認識している模様。この状況を把握したAIは、自分の速度を落とすことで自転車が安全に割り込むことができる隙間を作るように判断するようになっているとのことです。


この技術で重要なポイントは、ライダーの将来の行動を予測するところにあるとのこと。普通の自動車やバイクに比べて自転車は想定外の動きを見せることもあるため、公道での事故が発生することもあるわけですが、自動運転車ではライダーが示した右左折の意志をAIが把握し、安全が十分に確保できるマージンを確保するための判断が行われるとのことです。

そのため、実際の回避行動はかなり大げさに感じられる場合もある模様。例えば、路肩に縦列する自動車のドアが少し開いているところに自転車が向かっているような場合、自動運転車は速度を大きく落とすことで自転車との車間を十分に取り、ドアを避けるために自転車がセンターラインに安全に寄ることができるよう振る舞うようプログラムされているとのこと。これは人間でも注意深い人であればとることができる行動ですが、Googleの自動運転車は大げさと言えるほどのレベルでこの対処を行うようにしつけられているようです。

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in ソフトウェア,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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