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真の自由を求めて自分たち専用のプライベートインターネットが海外で大流行中

By photophilde

インターネットの回線速度が遅いのに利用料金が高い!だけどネットなしでは生活できない……そんなとき多くの人はサービス向上を期待してじっと耐え忍ぶことでしょう。けれどサービス向上がまったく期待できなかったら……ギリシャのネットユーザーは、自国の貧弱なネットインフラに見切りを付けて、なんと自作のプライベートインターネットを構築しユーザー自身で運用しています。ギリシャのネットユーザーが得た「真の自由」とはどういうものなのでしょうか。

The Daily Dot - Greek community creates an off-the-grid Internet
http://www.dailydot.com/politics/greek-off-the-grid-internet-mesh/

◆ギリシャのネット事情
ギリシャでは主要なネット回線プロバイダー企業が提供するサービスは、回線速度が遅いのに高額であり、その品質は最低なものでした。高額な料金を求める企業に反旗を翻したネットユーザーたちは、2002年、屋上アンテナによる無線ネットワークからなるAthens Wireless Metropolitan Network(AWMN)というメッシュネットワーク(メッシュ)を有志で首都アテネに構築してしまいます。


AWMNメッシュの回線速度は、ギリシャ国内の主要プロバイダーが提供する速度の30倍という高品質でたちまち大人気になります。アテネで始まったAWMNは、設置が容易な無線ネットワークを利用していることもありあっという間にアテネ周辺の島々にも波及します。今では屋上アンテナを設置するメンバーは1000人を超え、ブログや検索エンジンだけでなくクレイグスリストのような項目別広告サービスが開発されるまでに発展。あるAWMNのユーザーは「それはまったく別のウェブ世界です。自分たちのネットワークですが、同時に遊び場でもあるのです」と表現しています。

以下が実際に構築されているネットワークを可視化したもの。


◆世界各地で活躍するメッシュ
ギリシャでは品質の高さが原因で普及したメッシュは世界中のさまざまな地域で見られます。メンバー数2万1000人以上を誇る世界最大のメッシュであるスペインのGuifiは、田舎に点在する町にインターネットサービスを届けることを目的に構築されました。

これがGuifiのアンテナ


また、昨年、ハリケーン・サンディーによるネット回線被害を受けたアメリカでは、ブルックリン近くにメッシュを構築、ネット回線の復旧に利用されています。

◆メッシュの新たな価値
このように、安価にユーザー自身でカスタマイズできる柔軟性も持ち、僻地でのネットサービスの利用を可能にするメッシュですが、近年は違った観点からその有用性が指摘されています。

そもそも時の権力者にとってインターネットは極めて警戒すべきものといえます。例えば、2011年に、当時のエジプトのホスニ・ムバラク大統領が、反体制派がFacebook上で組織的に活動していることを知った時、国中のインターネットサービスプロバイダーにアクセスを遮断するように命令、1700万人のエジプト国民がネットにアクセスするのを禁じました。また、権力者にとってインターネットは乱用したい衝動を駆り立てる存在でもあり、アメリカ国家安全保障局(NSA)によるスパイ活動がインターネットを乱用的に利用した最たる例です。

しかし、プライベートインターネットではNSAでさえ暗躍することは不可能でしょう。圧力をかけることで民間企業に諜報活動への協力を強いることはできるとしても、メッシュメンバーが協力してくれる可能性はゼロ。なぜなら、彼らは自由を最高の価値と捉える有志だからです。

By thewebprincess

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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