Google Geminiが生成するナレーションで歴史を体験できる「Universal History Simulator」、江戸時代の農民や古代ローマの塩鉱夫になって世界を探訪可能

「Universal History Simulator(UHS)」はカリフォルニア大学サンタクルーズ校の歴史学者であるベンジャミン・ブリーン氏がClaude Codeなどを活用して開発した教育用歴史ゲームです。UHSは大規模言語モデル(LLM)が持つ歴史フィクション作成能力の限界を押し広げることを目的としており、プレイヤーは生成された架空の人物として、特定の時代や場所における日常生活を体験できます。
Map Voyager - Enhanced Engine
https://historysimulator.vercel.app/
GitHub - benjaminbreen/UHS
https://github.com/benjaminbreen/UHS
UHSは7つの歴史的時代と9つの文化圏をカバーしており、それぞれの時代や文化に即したNPC、アイテム、出来事が配置されるとのこと。また、実際の疫学の歴史をモデルにした伝染病システムが存在し、病気の伝染経路やそれが社会に及ぼす影響まで再現されているそうです。
UHSのデモサイトにアクセスしてみました。上部にある入力欄に、好きな時代や地域、職業などを入力して「Create World」をクリックします。今回は「1600年代の日本に生きる農民」と日本語で入力してみました。

自動で生成されたのが以下のキャラクター。名前は「Kenjiro」で、1600年代の日本に住む農民です。

スクロールして「Begin the Simulation」をクリック。

UHSの画面はこんな感じ。左右に情報欄、中央に入力欄があります。

左の情報欄の「HISTORY」では、自分の生きている時代についての背景情報が閲覧できます。

「NEARBY」で、近くにいる人やその職業をチェック可能。

とりあえず入力欄に「畑を耕している」と入力し、「Go」をクリックしました。

すると、「作業は続きますが、日は沈み始め、夜というありがたい安らぎをもたらします。涼しい風が稲穂の間をさらさらと吹き抜けます。暗闇が深まるにつれ、遠くにみえる山影は黄昏の中に消えていき、暗くなり始めた空に最初の星がまたたき始めます」と、ナレーションとなる文章が表示されました。同時にこのあとの行動例が選択肢として提示されています。そこで、「自宅のある東京に向かって南東に進む」を選択して「Go」をクリック。

すると、右側の地図上に表示されていたKenjiroが動きました。このように、文章を入力したり提示された選択肢を選んだりすることで、生成AIがテーブルトークRPGのゲームマスターのように振る舞い、キャラクターを動かしてくれるというわけ。ただし、TRPGと違ってサイコロを振って行動の判定をするわけではありません。

右側の情報欄にはいくつかのコマンドも用意されています。例えば、「OBSERVE」は周りの状況を見るコマンド。

「徳川の平和の下で秩序正しく広がる首都である江戸は、まもなく真夜中を迎えようとしており、空気は湿った土の味や、重く曇った空の下に閉じ込められた炭の煙のわずかな残り香、そして遠い海岸から内陸へ運ばれてきた潮の香りが混ざり合っています」と、江戸時代であることを反映した内容。「閑散とした地区の静けさは見せかけのものであり、風の唸り声の下で、遠くにある木製の仕掛けが規則正しく立てるドスンという音を聞くことができます」と、見えるものや聞こえるものを丁寧にナレーションしてくれました。「Continue Exploding」をクリックすると元の画面に戻ります。

せっかくなので、近くにいる「Fumiko Suzuki」さんに話しかけてみます。

Fumiko Suzukiは国勢調査員とのことで、名前や住んでいる場所を教えろと言ってきました。

そんなわけで回答するとこんな感じ。UHSでは生成AIによるナレーションと会話ベースで、キャラクターになりきってその時代を生きることが可能です。

探索要素としては、政府の建物や市場、作業場、聖地といった特定の場所ごとに詳細な内部マップが用意されています。また、物語の設計思想には特徴があり、現代的な道徳観を歴史上の人物に代弁させるのではなく、当時の価値観に基づいた解決の難しい選択をプレイヤーに突きつけるように作られています。
技術的には、AIの出力をそのまま信じるのではなく、実際の構造化データベースを用いて地理や時代の妥当性を検証し、内容を制約するシステムが採用されています。さらに、学習目標や一次史料の提示、評価といった教育的な枠組みもシステムの機能として含まれているとのこと。
なお、UHSのソースはGitHub上でパブリックリポジトリとして公開されており、オープンソースとして提供されています。ブリーン氏は、新しいアイデアを歓迎しており、自由にフォークすることや、プロジェクトへの協力に興味がある場合は連絡することを推奨しています。
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