サイエンス

大気汚染に長期間さらされるとパーキンソン病のリスクが上昇する可能性あり


大気汚染が健康に悪いことは周知の事実であり、肺などの呼吸器系だけでなくメンタルヘルス認知症などにも悪影響を及ぼすことがわかっています。アメリカのケンブリッジ大学の研究チームが既存の科学文献を体系的にレビューした新たな研究では、大気汚染にさらされることが手の震えや歩行障害が現れるパーキンソン病のリスク増加と関連していることが示されました。

Association of long-term outdoor air pollution exposure with incidence of Parkinson’s disease, multiple sclerosis and motor neuron diseases: a systematic review and meta-analysis - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412026003351

Long-term exposure to air pollution linked to increased risk of Parkinson’s disease | University of Cambridge
https://www.cam.ac.uk/research/news/long-term-exposure-to-air-pollution-linked-to-increased-risk-of-parkinsons-disease

42 Studies Confirm: Air Pollution Is Linked to Higher Parkinson's Risk : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/a-significant-public-health-issue-air-pollution-linked-to-higher-parkinsons-risk-in-major-review

自動車やトラックの排気ガス・産業廃棄物・山火事・工場の排煙などから発生する微細な汚染物質は、肺を通じて人間の血液中に入り込み、他の臓器にも影響を及ぼす可能性があります。血液中に入り込んで体内を循環する微粒子は、全身にさまざまな病気につながりうる炎症や酸化ストレスを引き起こすほか、脳にも入り込む場合があるとのこと。実際にこれまでの研究では、直径2.5μm以下の微粒子である微小粒子状物質(PM2.5)が、認知症・脳腫瘍・脳卒中・うつ病・アルツハイマー病などの一因になっていることが示されています。

今回、ケンブリッジ大学の研究チームは1年以上にわたる屋外の大気汚染への暴露と、パーキンソン病・多発性硬化症・運動ニューロン疾患との関連性について調査しました。以前からこれらの神経変性疾患と大気汚染の関連は指摘されていましたが、既存の研究はサンプルサイズが不十分であったり、結果が矛盾したりしているため、はっきりした結論は出ていないとのこと。


研究チームは北米・ヨーロッパ・アジアの人々を対象にした過去42件の論文を体系的にレビューし、メタアナリシスで大気汚染と疾患との関連を詳しく検証しました。

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