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インドの裁判所が偽サイト対策のためWHOISのプライバシー保護を制限する動き、大手レジストラが反発


インドの裁判所が偽サイト対策として、ドメイン登録時に登録者情報を隠すWHOISプライバシー保護の扱いを大きく見直す判断を示しました。これに対して、世界最大級のドメイン登録事業者であるGoDaddyが、「インターネット全体に悪影響を及ぼす可能性がある」と懸念していることをロイターが報じました。

EXCLUSIVE: World's biggest domain seller fears India's fake site crackdown could damage internet | Reuters
https://www.reuters.com/world/worlds-biggest-domain-seller-fears-indias-fake-site-crackdown-could-damage-2026-07-03/


インドではスマートフォンとインターネットの普及に合わせてサイバー詐欺が深刻化しており、2025年には240万件のサイバー詐欺の苦情が寄せられ、被害額は24億ドル(約3900億円)に上ったとのこと。こうした偽サイトは有名ブランドの名前に似せたドメインを使い、正規サイトのように見せかける点が問題になっています。

ドメイン名はウェブサイトの住所にあたるもので、登録者の名前や住所、電話番号、メールアドレスなどの情報を登録する必要があります。WHOISはドメイン登録情報を調べる仕組みで、ICANNの検索ツールでは公開されている登録情報を確認できます。プライバシー保護機能は、個人や小規模事業者の住所や電話番号が広く公開されないように登録情報の一部を非表示にするための仕組みです。

一方で、偽サイトを追跡したい企業や捜査機関から見ると、登録者情報が隠されていると運営者の特定が難しくなります。インドではAmazon、マクドナルド、Microsoft、Xiaomi、Colgate-Palmoliveなど20社以上が偽サイトによるブランド被害を訴えており、ニューデリーの裁判所は2025年12月に1100件以上のウェブサイトをブロックしました。判決では偽サイトが「大規模な詐欺の装置」と表現されたとのことです。


裁判所はサイト遮断に加えて、ドメイン登録事業者に対する新たな措置も命じました。具体的には、登録者情報を隠す機能を無料で標準提供しないこと、正当な利害関係を持つ人物や組織から請求があった場合に72時間以内に登録者情報を開示すること、保護された商標に似たドメイン名の登録を防ぐことなどです。裁判所は登録者情報を隠す機能について、不正な運営者の身元を隠す「覆い」と見ているとのこと。

GoDaddyは裁判所の判断について、正規のサイト運営者まで危険にさらす可能性があると反論。「登録者情報の非表示が弱められれば、正当なウェブサイト所有者の名前、住所、電話番号、メールアドレスが公開され、ストーカー行為や嫌がらせなどのリスクが高まる」と主張しました。また、正当な利害関係があるかどうかを72時間以内に判断する手段をGoDaddyは持っていないとも訴えています。


「商標に似たドメイン名の登録を防ぐ」点についても、実務的には難しいとのこと。たとえばマクドナルドの事例では偽のフランチャイズ募集サイトが問題になりましたが、GoDaddyは「McDonald」という語がスコットランド由来の一般的な名前でもあるとして、商標保護を広げすぎると一般名詞や人名まで独占させる結果になりかねないと主張しています。さらに、短い商標文字列は多くの英単語に含まれるため、商標と重なる文字列を含まないドメイン名を登録することは事実上困難だと述べています。

GoDaddyによると、ドメイン名は国境を越えて使われるため、インドの命令が世界中のドメイン登録の運用に影響する可能性があります。GoDaddyのほか、NamecheapやHosting Conceptsもニューデリーの判断に異議を申し立てていることが裁判記録で確認されており、異議申し立ては2026年7月16日に審理される予定です。

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