ケニア人が「ChatGPTっぽい書き方をしている」と言われてしまう理由

ケニア人のエッセイストが、自分の書く文章がChatGPTのものだと思われてしまうという話を共有しました。これはケニア人にありがちな問題だとして、エッセイストはなぜそう思われてしまうのかを分析しています。
I'm Kenyan. I Don't Write Like ChatGPT. ChatGPT Writes Like Me.
https://marcusolang.substack.com/p/im-kenyan-i-dont-write-like-chatgpt
ケニア人エッセイストのマーカス・オラン氏いわく、英語の文章を書き上げるとなぜかChatGPTで書いたものと思われることがあり、「もう少し人間味のある書き直しは可能でしょうか?ChatGPTが書いたような感じがします」と指摘されたこともあるそうです。
オラン氏は「これは、決して私がChatGPTっぽく書いているのではなく、ChatGPTが私っぽく書いているのです」とし、どうしてそうなってしまうのかを説明しました。
ケニアの公用語はスワヒリ語と英語です。オラン氏はケニアで英語を勉強し、ケニア初等教育修了試験(KCPE)という義務教育の修了試験に向け、英語の作文試験に注力しました。このケニアにおける教育こそが、ケニア人の英語がChatGPTのようになる理由だといいます。

ケニアでは、教師から生徒へ毎年教えられる不文律がいくつもあるそうです。具体例のひとつが「ことわざか力強い冒頭文で始めよ」というもので、「『Haste makes waste(急がば回れ)』と書き始めてから、急いで向かったのに金を忘れた話へと続けましょう」といった風に書き方を教わるとのこと。また、単に「walk(歩く)」と書くのではなく、「strode purposefully(闊歩する)」や「trudged wearily(足取りが重い)」といった言葉に言い換えるよう教わることもあるそうです。
そして極めつけは、「建造物のように書く」と教わることでした。導入部は基礎、本文は壁、結論は屋根であり、物語の教訓を端的にまとめ、導入部の格言に戻るなどして予測可能ながらも満足感のある循環構造を作り出すことが推奨されるそうです。
こうした教育が行われるのには歴史的な背景が絡んでいます。ケニアはもともとイギリスの植民地で、統治時代に英語が導入されましたが、教えられたのはクイーンズイングリッシュで、聖書やシェイクスピアの作品、法務文書にあるような伝統的な英語を精密に操るよう指導されていたとのこと。独立後のケニアでもこの風潮は続き、教育の場でも引き続き「正しい」英語を話したり書いたりすることが求められました。

こうした教育により会得した形式的な英語が、百科事典や論文に書かれた英語から多く学習するChatGPTと似通ってしまっているのが、ケニア人とChatGPTの文章が似ている理由だと、オラン氏は指摘しました。
オラン氏は「文章がAI製かどうかを見分けようとする人は、副詞をいやに丁寧に使っていないか、『not only X, but also Y(XだけでなくYも)』といった古典的な並列構造を使っていないか、論理的な三段論法で要点を整理していないかといった点に着目し、こうした『いかにも』な文章を使っている場合にAI製だと見なしています。ところが、こうした表現を使う私たちの文章は歴史の産物で、植民地時代の名残であり、厳格な教育の結果であり、自国の公用語を習得するために必要な努力の証なのです。一生をかけて言語を習得し、ネイティブスピーカーの大半よりも厳格に文法規則を守ってきたのに、海を隔てた機械に偽物呼ばわりされるという現実には腹が立ちます。何かに指をさして『AIだ!』と叫ぶ前に、どうか立ち止まって考えてください。あなたが目にしているのは人間性が欠如したAIコンテンツではなく、あなたが知らない人間性の形かもしれないと。あなたはただ、異なる教育、異なる歴史、異なる基準から生み出されたものを見ているだけかもしれないのです」と述べました。
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