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「著作権保護コンテンツもAIの学習に利用できるものの使用料の支払いが義務化される制度」がインドで提案される


インドで「著作権で保護されたコンテンツでAIをトレーニングする企業に対して料金を請求する」という制度が提案されました。この制度が実現すれば、世界で最も重要かつ急速に成長している市場のひとつであるインドにおける、OpenAIやGoogleといったAI企業の方針が大きく変わる可能性があります。

Press Release:Press Information Bureau
https://www.pib.gov.in/PressReleasePage.aspx?PRID=2200741

India proposes charging OpenAI, Google for training AI on copyrighted content | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/12/09/india-proposes-charging-openai-google-for-training-ai-on-copyrighted-content/


現地時間の2025年12月9日(火)、インド商工省産業国内取引促進局(DPIIT)が「AI企業がモデルのトレーニングにあらゆる著作物にアクセスできるようにする枠組み」を発表しました。これに伴い、権利保有団体で構成される新しい徴収機関にコンテンツの使用料を支払うことが義務付けられることとなります。AI企業が支払った使用料は、コンテンツクリエイターと分配される仕組みです。

この提案が実現すれば、AI企業のコンプライアンスコストは削減され、著作権保有者であるコンテンツクリエイターは商用モデルのトレーニングにコンテンツを利用されても、適切な報酬を得られるようになるとDPIITは主張しています。


AIのトレーニングに著作権で保護されているはずのコンテンツが利用されていることは世界中で問題になっています。最近では、OpenAIの公開した動画生成AIのSora 2が日本のポケモンやマリオといったコンテンツを生成できてしまうと問題視されました。

OpenAIの動画生成AI・Sora 2でポケモンやマリオなどの動画を作成するユーザーが大量発生、OpenAIは著作権保護コンテンツを除外するためのオプションを準備中との報道も - GIGAZINE


これに対してOpenAIのサム・アルトマンCEOは状況の改善を約束。日本政府がOpenAIに「著作権侵害となるような行為を行わないように要請した」ことが海外でも話題になりました。

日本政府がアニメやゲームなどの日本の知的財産を「かけがえのない宝」と呼んでOpenAIに著作権を侵害しないよう正式に要請したことが海外で話題に - GIGAZINE


AI開発のフロントランナーであるOpenAIは、「ChatGPTは著作権で保護された書籍を学習素材として無断使用している」とも訴えられています。

インドの政策についてテクノロジーメディアのTechCrunchは、「政策立案者が透明性の義務化やフェアユースの境界について議論しているアメリカやEUとは異なり、インドは強制的にコンテンツの使用料を徴収することと引き換えに、AI企業に著作権で保護されたコンテンツへのアクセス権限を与えるという、これまでで最も介入主義的なアプローチのひとつを提案しています」と指摘しました。

なお、OpenAIのアルトマンCEOはインドが同社にとってアメリカに次ぐ第2の市場であり、「最大の市場になる可能性も十分にある」と語っています。新制度の導入を推進する委員会は、AI企業がインド人クリエイターの作成したコンテンツから大きな収益を得ているとして、「AI企業が得ている収益の一部はクリエイターに還元されるべき」と主張。そのため報酬を保証する今回提案したような「バランスの取れた枠組み」が必要になると述べました。


しかし、インドの主要IT企業が加盟する業界団体のNASSCOMは、「インドはテキストマイニングとデータマイニングに関する広範な例外規定を導入すべき」と主張し、今回の制度に反対の立場であることを示しました。NASSCOMは強制的なライセンス制度はイノベーションを鈍化させる可能性があると警告し、企業にすべてのトレーニングデータの使用料を負担させるのではなく、オプトアウトを認めるべきだと主張しています。

ビジネスソフトウェア産業に関連する非営利団体のビジネス・ソフトウェア・アライアンスは、ライセンスベースの制度を避けるよう強く求めており、「AIトレーニングデータに関して、直接ライセンスや法定ライセンスのみに依存することは非現実的であり、最良の結果をもたらさない可能性があります」と主張しました。

インド政府はこの提案についてパブリックコメントを募集しており、企業やその他の関係者に30日以内に意見を提出するよう求めています。その後、委員会がフィードバックを検討し、政府がこの枠組みを採用する前に最終的な勧告をまとめる予定です。

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in AI, Posted by logu_ii

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