乗り物

日本の道路をアメリカ車が走っていないのは「シンプルに品質不足だから」と海外メディアがツッコミ

by Alden Jewell

ドナルド・トランプ大統領は、日本でアメリカ製の車が売れないのは不公正な税制度や貿易慣行のせいだと繰り返し非難していますが、それは誤った「神話」だとアメリカの経済紙・Bloombergが指摘しました。

The Japan Tariff Myth That Just Won’t Die in Trump's Head - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2025-04-07/the-japan-tariff-myth-that-just-won-t-die-in-trump-s-head

トランプ大統領は2025年4月上旬の演説で「トヨタは100万台の自動車をアメリカで販売しているのに、ゼネラルモーターズやフォードの車は日本でほとんど売れていません。我が国のどの企業も他国に進出することを許されていません」と述べたほか、石破茂首相との電話会談後にはSNSで「彼らは貿易に関してアメリカを非常にひどく扱ってきました。彼らは私たちの車を受け取らないのに、私たちは彼らの車を何百万台も受け取っています」と不満をあらわにしました。


また、スティーブン・ミラー副首席補佐官もX(旧Twitter)への投稿で「なぜアメリカの道路にはヨーロッパや日本の車があふれているのに、彼らの国の道路にはアメリカ車が走っていないのでしょうか?アメリカは彼らに防衛と安全保障を提供しているのに」と問いかけた上で、「我が国の市場は同盟国の自動車であふれている一方で、同盟国は我が国の自動車に対して市場を閉ざしています。これはすべて意図的なものです」と結論付けています。

アメリカ車が日本で売れていないのは事実で、日本自動車輸入組合が2025年4月4日に発表した「(PDFファイル)2024年度輸入車新規登録台数(速報)」によると、GMが2024年度に日本で販売した車はシボレーの518台やキャデラックの468台、GMCの23台などを合計しても1000台程度だったとのこと。また、フォードの販売台数も220台にとどまりました。

しかし、これが不公平な税制度のせいだというのは誤解で、Bloombergは「トランプ政権が発足する前から、日本はアメリカが日本車の輸入に課している2.5%の関税よりも低い関税を課していました。どれほど低いかというと、実はゼロです。日本は1978年から、自動車輸入に関税を課していません。従って、トランプ大統領らの不満の原因はもっとシンプルなものです。つまり、アメリカの自動車の品質が十分ではないということです」と指摘しました。


また、具体的にどのような点が不十分なのかについてBloombergは「アメリカの企業は、単に相手国の好みに合う車を生産できなかっただけです。日本のドライバーは、優れた安全性と信頼性と優れたコストパフォーマンスを両立させた、コンパクトで燃費がいい車を求めています。アメリカの企業はもとより、ほとんどの国内メーカーにとってさえ、こうした需要に対応するのは難題です。だからこそ、日本で売れている車の2台に1台はトヨタ車なのです」と説明しています。

こうした要因に加え、日本の自動車市場ではアメリカのメーカーが製造していない軽自動車が大きなシェアを占めています。これに対し、アメリカで人気の車は日本の道路や駐車場に合わないほど大きく、ベストセラー車であるフォードのF-150の一部モデルに至っては、普通免許で運転できないほどです。


だからといって日本で外国製の車が売れていないわけではなく、例えばドイツに本拠を置く自動車メーカーであるメルセデス・ベンツ・グループは2024年に日本で5万台以上の車を販売しており、BMWやフォルクスワーゲンも成功を収めています。

Bloombergは、こうした欧州車の成功には国内メーカーが提供できない付加価値が関係しているとした上で、「欧州車は高級なイメージを築き上げてきましたが、アメリカ車は評判がよくありません。アメリカの自動車メーカーにやる気があればその評価を覆せるでしょうが、そうした努力をするメーカーはほとんどありません。テスラ車は例外で、富裕層が住む地域でよく見られるようになっていますが、同社は販売データを公開していません」と述べて、自動車メーカーの企業努力の不足を指摘しました。

by Jason Lawrence

日本が閉鎖的だというイメージの間違いは自動車市場にとどまりません。Bloombergによると、日本で売れているテレビの半分は中国製だとのこと。同様に、iPhoneも円安の影響で海外製のデバイスの価格が高騰しているにもかかわらず、日本のスマートフォン市場のほぼ50%を占めています。

こうした点を踏まえて、Bloombergは記事の末尾で「ウォルト・ディズニーからLVMH、マクドナルドからTikTokに至るまで、日本の消費者は外国製品を喜んで受け入れていますが、それはこれらの海外企業が何十年もかけて日本の消費者の好みにかなうよう努力してきた結果に他なりません。もっとも、石破氏がそのことを指摘してトランプ大統領を説得できるかどうか、あるいは論理的な主張が意味をなすかはまったく別の問題です」と述べました。

この記事を話題にした掲示板型ソーシャルニュースサイト・Redditの投稿には「単純な事実として、一部のアメリカ人は日本スタイルの自動車を欲しがりますが、アメリカスタイルの自動車を欲しがる日本人は実質的にゼロに等しいです。つまり、これはライフスタイルの不一致と言えます」といった意見や、「私は50歳のアメリカ人ですが、国産ブランドの質が悪いので、国産ブランドの車は一度も買ったことがありません。日本製かドイツ製のものしか買いませんよ」といったコメントなどが投稿されていました。

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in 乗り物, Posted by log1l_ks

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