いつも疲れている人に不足している「3つの栄養素」を栄養科学者が解説


毎朝体がだるいと感じる人や、土日にしっかり休んだはずなのに月曜日に疲れが抜けていないことに気づくという人は多いはず。さまざまな研究により、疲れと密接に関わっていることが判明した「栄養」と「生活習慣」について、公認栄養士でニューヨーク州立大学ビンガムトン校の栄養神経科学者でもあるリナ・ベグダチェ氏が解説しました。

Vitamin deficiency may be why you’re so tired – a nutritional neuroscientist explains how to kickstart your energy by getting essential nutrients in a well-rounded diet, along with more sleep and exercise
https://theconversation.com/vitamin-deficiency-may-be-why-youre-so-tired-a-nutritional-neuroscientist-explains-how-to-kickstart-your-energy-by-getting-essential-nutrients-in-a-well-rounded-diet-along-with-more-sleep-and-exercise-241745


◆ビタミンD
ベグダチェ氏によると、欠乏により疲労感を引き起こすことがわかっている3つの必須栄養素のひとつはビタミンDで、不足は疲れだけでなく筋力低下や骨の痛み、気分障害や認知機能の低下につながるとのこと。

ビタミンDが豊富な食品には、サケ、イワシ、ニジマスなどの脂肪分の多い魚や、栄養素を強化した牛乳、卵黄などが含まれます。また、ベジタリアンやビーガン向けの選択肢としては、栄養素を強化した植物性ミルクやシリアル、マイタケやキクラゲなどのきのこ類があります。


アメリカ政府が推奨するビタミンDの1日の摂取量は、生後12カ月までの乳児は400IU(10µg)、1~70歳の人は600IU(15µg)、70歳以上は800IU(20µg)で、サーモンの切り身150gを食べると800IUを摂取できます。またビタミンD欠乏症の治療の際には、ビタミンDレベルを正常に戻すために一時的に推奨量以上のビタミンDを処方することもあるそうです。

なお、厚生労働省は日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書でビタミンDの食事摂取基準として以下の目安量を設定しています。

年齢1日の目安量(μg)
0~11カ月5.0
1~2歳3.5
3~5歳4.5
6~7歳5.5
8~9歳6.5
10~11歳8.0
12歳以上9.0


◆ビタミンB12
疲労回復に重要なもうひとつの栄養素はビタミンB12で、不足するとエネルギーの生成が妨げられたり、貧血を引き起こしたりします。特に高齢者、妊娠および授乳中の女性、炎症性腸疾患といった胃腸障害のある人、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬などの特定の医薬品を服用している人、アルコール使用障害のある人はビタミンB12が不足しがちです。

ビタミンB12は主に肉、魚、乳製品、卵に含まれているため、ベジタリアンやビーガンはサプリメントの摂取を検討することが推奨されています。4歳以上の人に対するビタミンB12の1日の推奨摂取量は2.4μgで、これはマグロや大西洋サーモン85gに含まれている量とほぼ同じとのこと。また、妊娠および授乳中の女性は少し多めに摂取する必要があります。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」のビタミンB12の食事摂取基準は以下のとおり。

年齢1日の目安量(μg)
0~5カ月0.4
6~11カ月0.9
1~5歳1.5
6~7歳2.0
8~9歳2.5
10~11歳3.0
12歳以上4.0


サプリメントは食事で十分な栄養が得られない場合には有効な選択肢で、ベグダチェ氏は「ビタミンB12サプリメントを摂取することは、食べ物からビタミンを摂取するのと同じくらい効果的であり、食べ物と一緒にサプリメントを摂取すると吸収が促進される可能性があります」と述べました。

ただし、サプリメントは医薬品に比べて規制が緩いため効果が不確かなほか、食品には相乗効果を発揮するさまざまな栄養素が含まれているため、ベグダチェ氏は「本物の食品に勝る物はありません」と付け加えています。


◆オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は脳の健康にとって重要な栄養素で、欠乏すると不安やうつ病のレベルが高まり、認知機能も低下するおそれがあります。そうなれば、とてもエネルギッシュな生活を送ることはできません。

オメガ3脂肪酸を摂取する最良の方法は脂肪分が多い魚ですが、菜食主義者の場合はアマニやチアシード、クルミが優れた代替品となります。ただし、魚に含まれるオメガ3脂肪酸は植物由来のものより吸収効率が優れている点や、砕かれていないアマニなど固い殻がある植物性の食品は消化吸収が難しい点には注意が必要とのこと。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」のオメガ3脂肪酸の食事摂取基準は以下のとおり。

性別男性女性
年齢1日の目安量(g)
0~5カ月0.90.9
6~11カ月0.80.8
1~2歳0.70.7
3~5歳1.21.0
6~7歳1.41.2
8~9歳1.51.4
10~11歳1.71.7
12~29歳2.21.7
30~49歳2.21.7
50~64歳2.31.9
65歳以上2.32.0


◆生活習慣
疲れに影響する習慣のひとつに、飲酒の習慣があります。アルコールは一時的にリラックス効果をもたらしてくれるかもしれませんが、酔いが覚めた後は疲労の原因となります。

ベグダチェ氏は「アルコールは毒素であり、体は栄養素の吸収よりアルコールの代謝を優先させるため、エネルギー源として利用される炭水化物や脂肪が減ってしまいます。また、アルコールはビタミンBの吸収も低下させ、結果的にエネルギー生成に影響を及ぼします。つまり、アルコールを飲むと、最終的には疲れを感じることになります」と述べました。


日光や運動、睡眠の質、ストレス管理も疲労の軽減に重要です。まず、日光はビタミンDの生成に重要で、服装や地域の日照量などによっても異なりますが、数分から30分ほど日光を浴びればほとんどの人が必要とするのに十分なビタミンDを生成できるとのこと。

また、運動はすればするほど多くのエネルギーが生み出されます。なぜなら、運動により血行がよくなり、痛みや負荷を和らげるために体内で生成されるホルモンであるエンドルフィンの放出が促されるので、活力と気分が高まるからです。


ベグダチェ氏によると、早歩き、サイクリング、水泳、筋力トレーニングなどの活動を通じて、週に少なくとも150分間は適度な運動をすることが目標とのこと。

運動不足になると、エネルギー生成効率が落ちて無気力に陥ってしまいます。そこに睡眠不足が加わると事態がさらに悪化するため、毎日7~9時間は質の高い睡眠を取る必要があります。


さまざまな機器のモニターから発せられるブルーライトは、睡眠を調節するホルモンであるメラトニンの生成を妨げるため、就寝の少なくとも30~60分前にスマートフォンやPCなどの画面を見るのをやめることで睡眠の質が高まります。また読書、瞑想(めいそう)、軽いストレッチなどで、体に寝る時間だと知らせることもできます。

ベグダチェ氏は「賢い選択をすることで気分、活力、全体的な健康を最適化すれば、一日中感じるだるさを軽減することができます。とくに、食生活と生活習慣の違いは、毎日を元気で過ごせるかヘトヘトになるかの違いとなって表れます」と述べました。

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