GoogleがAndroid開発のプライベート化を決定、クローズド化ではなくユーザーやアプリ開発者への影響はなし

Googleはモバイル向けOS「Android」の開発の一部をオープンなコード審査システム「Gerrit」で行って情報共有を行っていますが、今後はすべての作業がプライベート化されることがわかりました。変更の理由は、Googleが提供している「Android Open Source Project(AOSP)」の公開ブランチと、製品開発のためのGoogleの内部ブランチとの食い違いをなくし、開発プロセスを合理化するためだとのことです。
Exclusive: Google will develop the Android OS fully in private, here's why
https://www.androidauthority.com/google-android-development-aosp-3538503/
Google will move Android AOSP development behind closed doors
https://9to5google.com/2025/03/26/google-android-aosp-developement-private/
Android development moves internally at Google ahead of public releases - Neowin
https://www.neowin.net/news/android-development-moves-internally-at-google-ahead-of-public-releases/
iOSを搭載したスマートフォンはAppleが開発する「iPhone」のみなのに対して、Androidを搭載したスマートフォンはGoogleのほか多数のメーカーからリリースされていて、中にはSamsungのように「One UI」という独自カスタマイズのUIを採用しているメーカーもあります。
One UI | Galaxy向けにカスタマイズされたUI | Samsung Japan 公式
https://www.samsung.com/jp/one-ui/

これは、「AOSP」としてGoogleがOSをApache 2.0ライセンスで公開しているので、ライセンス料を支払ったりソースコードを公開したりすることなく、誰でもAOSPに基づいたOSの使用・配布・修正を行うことができるためです。
Android Open Source Project
https://source.android.com/

オープンソースプロジェクトなので、AOSPにサードパーティー開発者がコードを提供することも可能ですが、実際はAOPSを本格的な製品開発事業と扱っているGoogleがほとんど自社開発しているような状態だとのこと。このため、「どのコードをAOSPにマージし、いつ新バージョンのソースコードをリリースするか」はGoogleが最終決定権を持っていると、ニュースサイトのAndroid Authorityは伝えています。
GoogleはAOSPの「オープンな性質」と「製品開発戦略」のバランスを取るため、誰でもアクセスできる公開ブランチと、Google Mobile Service(GMS)ライセンス契約を結んだ企業だけがアクセスできる内部ブランチを保有しており、コアコンポーネントは内部ブランチで非公開のもと開発されています。
ところが、公開ブランチは内部ブランチより遅れた状態になり、AOSPのパッチを内部ブランチに統合する際に競合が発生し、Googleは修正に時間と労力を割かなければならない状態でした。
Android Authorityによると、Googleは今後、Android開発をすべて内部ブランチに移す「プライベート化」を行うとのこと。これは、開発プロセスをシンプルにして、問題を起こさないようにするためのものです。
なお、GoogleがAOSPのすべてを内部ブランチに移すからといって、「AOSPがクローズドソース化する」というわけではありません。
ニュースサイトの9to5Googleは、ユーザーやアプリ開発者の立場から変更の影響を受けることはほとんどないと述べた上で、AOSPのコミット内に「Pixel 10」の名称が登場したことが誤解を受けたり誇張されたりする問題が減るのではないかと、肯定的に受け止めています。
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in ソフトウェア, Posted by logc_nt
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