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AIツールを使ってリモート面接で不正行為を行うエンジニア対策でGoogleなどが対面での面接を復活へ


新型コロナウイルスのパンデミック以降、さまざまな企業がリモート面接による採用試験を取り入れています。しかし、AIを用いたカンニングツールが開発され、AmazonやMeta、Googleなどの大手企業は採用試験の実施方法を再考しています。

How Google is responding to AI cheating in coder interviews
https://www.cnbc.com/2025/03/09/google-ai-interview-coder-cheat.html


AI Is Changing Tech Hiring: Remote Interviews At Risk | Ubergizmo
https://www.ubergizmo.com/2025/03/ai-is-changing-tech-hiring/

これまでの対面式面接では、エンジニアを希望する候補者は面接中、ホワイトボードを用いてアルゴリズムの問題を指摘・解決することが求められました。一方、リモート面接では採用担当者から提示された問題に対し、候補者は自身のコンピューターを用いて回答します。


しかし、近年のChatGPTをはじめとする生成AIのブームにより、採用担当者にとって頭を悩ませる問題が発生しているとのこと。具体的には、リモート面接において提示された問題をリアルタイムで分析し、即座にコードを生成するAIツールが開発されているという問題です。

ソフトウェア開発者のヘンリー・カーク氏は「この種の不正行為は以前は簡単に検出できました。しかし、今では検出が難しくなっています」と述べています。実際に以前は候補者の目の動きや眼鏡に映る他のアプリの反射などの手がかりから、こうしたカンニングツールの使用を検出できたそうです。しかし、近年ではこうしたAIを用いたカンニングツールは次第に改善され、ほとんど検出できなくなっているとのこと。


カーク氏は2024年6月に共同創設者を務めるStudio.initにおいて、新たなエンジニアを募集したところ、約700人が応募しました。カーク氏は候補者に対して行った面接のプロセスを調査したところ、50%以上の候補者が大規模言語モデルの生成結果を使用するなど、不正行為におよんでいることが明らかになりました。

コロンビア大学の学生であるロイ・リー氏は「今日では、誰もがAIの助けを借りてプログラミングを行っています」と主張。リー氏は、候補者がリモート面接においてカンニングするのを手助けするサービス「Interview Coder」を立ち上げています。リー氏によると、Interview CorderはZoomやGoogle Meetなどのサービスで企業が利用できる画面検出機能の影響を受けないとのこと。

How to Use Interview Coder - YouTube


こうしたカンニングツールに対抗するため、Googleは対面式の面接に戻すことを検討しています。2025年2月の社内ミーティングでスンダー・ピチャイCEOは採用担当バイスプレジデントのブライアン・オン氏との議論を行い「私たちは皆、ハイブリッドで働いているので、面接の一部も対面で行われるべきだと思います。これにより候補者がGoogleの文化を理解しやすくなり、Googleと候補者にとって良い影響が生まれるはずです」と述べました。

オン氏は「対面での面接の実施は、他のすべての企業も注目している問題です」と語っています。実際に会計事務所のデロイトは、大学院生に対する採用面接の際に対面での面接を実施しているほか、AIチャットボット「Claude」などを開発するAnthropicは求人ガイダンスを改訂し、採用プロセス中にAIアシスタントをしないよう求めており「私たちは、AIシステムを通じた仲介なしにAnthropicに対するあなたの個人的な関心を理解したいと考えています。また、AIによるサポートなしでのコミュニケーションスキルも評価したいと考えています」と伝えています。

同様に、Amazonの広報担当者であるマーガレット・キャラハン氏も「候補者が面接や評価プロセス中に許可されていないツールを使用しないことを要請しています」と報告しました。

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in ソフトウェア, Posted by log1r_ut

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